リハビリ科の看護師の業務、役割について

私が勤務する病院にもリハビリ室がありたくさんのリハビリスタッフが働いています。外来だけではなく病棟の患者さんも担当していますからリハビリを行う患者さんも大勢いらっしゃいます。

時々ですが求人などでリハビリ病院などのリハビリを主に行っている病院の求人を見かけることがあります。今回はリハビリ科の看護師とはどういうものなのかをお伝えしたいと思います。

リハビリ科の患者さん

一体どのような患者さんがリハビリを受けているのでしょうか?それは怪我や病気、老化などで身体機能が著しく運動機能が低下してしまった患者さんに対して機能をできるだけ回復させる部署です。

救急などで命はなんとか救ったけど左側が麻痺してしまった、骨折で手術を受けて治療はできたけど可動域に制限がかなり残ってしまったなど身体機能を損なってしまった方々に施されます。嚥下がうまくいかなくなった方、言語機能に障害が残ってしまったなどとても幅広き患者さんがいらっしゃいます。

急性期の患者さん、回復期の患者さん

病気になって入院したらできるだけ安静にしなければいけない、できるだけ体を動かしてはいけないと昔は言われていました。確かにそのような病気や怪我もあります。現代は違います。早期離床、早期回復が目標です。

急性期の患者さん例えば脳梗塞を発症し片麻痺がある患者さんなどベッド上で寝かしているだけでは残存している神経や筋力はどんどん衰えていくばかりです。発症した直後から医師の指示を受けながら状態を見てリハビリを開始します。

リハビリ室に行かなくてもベッド上で行います。座ることから始まり関節が拘縮しないような関節運動や手や足を重力に打ち勝つように上げたり下げたり簡単なことから始めていきます。お腹を切ったりする外科の手術を受けた患者さんもアメリカなどでは翌日から歩かせたりします。

日本ではまだそこまではいかないにしても早期離床早期回復のためにリハビリが開始されることが多いです。

座位保持訓練やつかまり立ちなどやはりベッド上で簡単なことから始まります。そのような積み重ねをしてから少しずつリハビリの内容も拡大していき機能回復を促進していきます。急性期だから何もしないというのは遠い昔の話なのです。

回復期の患者さんの目標は退院に向けてのリハビリが目標になってきます。今までオムツをつけていた方がトイレで排泄ができるようになったりとか食事の介助を受けていた方が自力で食事を摂取ができるようになったりとか転倒がしにくいように筋力アップができるようなプログラムを受けてしっかり歩行ができるようになったりとかどんどん進んでいきます。

しかし限界があります。失ってしまった機能を100%回復させることができるかといえばそれはできません。しかし回復度は患者さんの意欲とそれを支える看護師をはじめとするリハビリスタッフなのです。

リハビリ科の看護師の役目

身体機能を著しく低下してしまった患者さんやそのご家族は病気とはいえ怪我をしてしまったとはいえ非常に焦りますし落胆の色は隠せません。看護師は他職種と連携を取り機能回復のために援助をしなければなりません。

リハビリ室以外で一番コミュニケーションを取れるのが看護師です。

患者さんのために訴えを傾聴しそれをアセスメントして何がこの方にとってニーズが必要なのか何を悩んでいるのかを把握して早期離床、早期回復のためそして早期退院を目標にして一緒に歩んでいってあげてくださいね。

身体的な観察や援助も行います。「シモの世話は他人にされたくない」と患者さんは思います。

一人で車椅子に乗ったりしようとしたり一人でポータブルトイレに移乗しようとしたりします。そこで発生する可能性が高いのが転落や転倒のリスクです。排泄パターンを把握してできる限り訪室してそのような事故を未然に防ぐのも看護師の重大な役割です。

リハビリ科の看護師はリハビリ的な専門知識や専門技術がなくてもできることはたくさんあります。わからなければ自己学習したりリハビリスタッフから教えを受ければいいのですから。そうなんですリハビリ科の看護師は患者さんが前向きになれることのお手伝いができるのですから。

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