虫歯も着色汚れもない綺麗な歯を維持するには、菌や汚れが入り込むエナメル質の傷を防がなくてはなりません。

今回は、この研磨剤についてご紹介します。はっきりと研磨剤と書かれている商品の他に、別名(成分名)で表記されている場合もあるのが研磨剤の怖いところ。避けるためには研磨剤のさまざまな名称について知っておきましょう。

研磨剤が歯に引き起こす影響~エナメル質の小さな傷~

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歯の表面を覆うエナメル質は、人体の中で硬い部分として知られています。一方で、酸で簡単に溶けてしまうなど、もろさもあります。

毛の硬い歯ブラシを使用していたり、歯ブラシを押し付けて歯磨きしたりする習慣のある人は、歯ブラシの圧だけで傷がついてしまうほどです。

エナメル質に傷がつかないようにするには、正しいブラシの当て方、正しい歯ブラシの選び方、そして、最適な歯磨き粉の選び方が肝心です。

硬い歯ブラシを使ったり、強くブラシを押し付ける磨き方をしたりしなくても、歯磨き粉の選び方次第で同じようにエナメル質に傷がついてしまいます。

その理由は、歯磨き粉の中に清掃剤として含まれる研磨剤にあります。

研磨剤はその名の通り、歯の表面を研磨して汚れをこそぎ落とす役割を持っています。食べかすなどに付着した虫歯菌が作るネバネバした歯垢を落とすには、研磨剤のような強い洗浄力が必要です。

仮に研磨剤なしで歯を磨いた場合、しつこい歯垢や汚れを満足に落としきれないリスクが生まれます。

そのため必要だと思われがちな研磨剤ですが、一方でそれ自体がトラブルを引き起こす原因となっていることも少なくないのです。

私自身、市販の研磨剤入り歯磨き粉を使っていて歯の表面に傷がつき、お茶をよく飲むので茶渋がつくようになりました。

とくに私の場合はテレビCMの真似をしてたっぷり歯ブラシにのせて磨いていたので、たくさん傷がついてしまっていました。

結果、エナメル質が削れて冷たい飲み物が歯にしみる知覚過敏になってしまったほどです。

最近は研磨剤入りの歯磨き粉の他にジェルタイプの歯磨き剤を併用するようにし、交互に使っています。

ジェルタイプは研磨剤が入っていないので、たくさん歯ブラシにつけても歯が傷つく可能性が低く、注意することといえば歯ブラシの当て方くらいです。

併用する歯磨き粉は研磨剤が入っていますが、知覚過敏用の研磨剤が少量しか入っていないタイプを少しだけ歯ブラシにつけて磨いています。そのおかげか、ここ数ヶ月で歯が冷たい飲み物にしみることはなくなりました。

この私自身の経験からも分かるとおり、研磨剤入りの歯磨き粉を使い続けると、次のような影響が出てきます。

  • 歯の表面に傷がつく
  • 歯に茶渋などの汚れがつきやすくなる
  • 歯の傷に汚れや菌が入り込みやすくなる
  • エナメル質の傷で知覚過敏になる

自覚症状として感じるのは知覚過敏と、着色汚れなど視覚的な問題です。しかし、やっかいなのはむしろ自覚症状がない部分。

歯の表面にできた傷に汚れの他、菌が入り込みやすくなる点ではないでしょうか。

小さな傷に菌が入り込んでしまえば、歯ブラシできれいにかき出すことができません。そこへエサとなる糖類などが付着すれば、落としにくい歯垢や歯石に発展します。

最悪の場合、菌から発生する酸で歯がう蝕することもあります。

たっぷり研磨剤入りの歯磨き粉を使って歯磨きしているけれど、自分は着色汚れも知覚過敏もないから大丈夫。そう思っている人ほど、知らぬ間にう蝕による虫歯のリスクが高まっている可能性があり、注意が必要です。

市販の歯磨き粉は危険!使わない方がいい理由

市販の歯磨き粉に含まれる研磨剤の見分け方~歯に傷をつける成分に注意しよう~

虫歯やう蝕を避けるためにも、歯の表面を傷つける研磨剤の扱いをよく考えなくてはなりません。

以前の私のように、安易にテレビCMのようにたっぷりの歯磨き粉を歯ブラシにのせている人は、とくに注意してください。

おすすめの方法は、研磨剤入りの歯磨き粉と研磨剤なしの歯磨き粉を併用して、研磨剤入りのものを使う回数を減らすことです。

そのためにも、まずは研磨剤入りの歯磨き粉と研磨剤が含まれていない歯磨き粉を揃えておきましょう。ここで知っておくべきなのが、研磨剤には別名がある、ということ。

お店に行った時に、一度市販の歯磨き粉のパッケージ裏にある成分表を見てみてください。研磨剤として書かれている場合もありますが、ただの清掃剤や有効成分として成分名が書かれている場合もあります。

その場合は一見すると研磨剤だとは分かりにくいです。清掃剤と書かれているだけでは、それが研磨剤による清掃なのか、別のはたらきをさしているのか分かりません。

今回、調べてみて分かった研磨剤の別名(成分名など)についてまとめてみました。分かったのは、次のような名称のものです。

<研磨剤やそれに似たはたらきの成分>

  • リン酸カルシウム
  • 粒状炭酸カルシウム
  • 重質炭酸カルシウム
  • 水酸化アルミニウム
  • ピロリン酸ナトリウム
  • ケイ酸類(シリカ)
  • つぶ塩
  • 顆粒

歯磨き粉の成分表で見られるのは、このような表記です。私が個人的によく目にするのは、この中でもケイ酸類(シリカ)です。

CMやパッケージのキャッチコピーで見ることがあるのは、つぶ塩や顆粒のあたり。

つぶ塩は歯茎を引き締めて歯周病や歯槽膿漏予防になる、と言われがちですが、歯科医からするとこれは予防にはならないそうです。

つぶ塩で歯茎は引き締められても、歯周病菌が死滅するわけではないのが理由です。いくら歯茎が引き締まっても、歯周病菌が健在なら、やがて歯は抜けてしまいます。

顆粒もよくテレビCMで耳にしますね。歯周ポケットの奥にまで入り込み、歯垢を除去する、などのうたい文句がつきますが、その分歯の表面も削ったり、既にある小さな傷をさらに広げる危険が考えられます。

この他、ハイドロキシアパタイトも歯の表面を傷つける可能性があると言う歯科医もいます。

ハイドロキシアパタイトは歯のエナメル質を構成する成分でもありますが、歯磨き粉にも清掃剤として含まれていることが多いです。

本来であれば歯の再石灰化を手助けする成分でもありますが、粒が大きいと歯の表面を削ってしまう危険があるのです。そのため、ハイドロキシアパタイトが含まれている歯磨き粉だからといって、歯に良いとは限りません。

私が知覚過敏になった原因の歯磨き粉も、清掃剤としてハイドロキシアパタイトが配合されたものでした。しかも、ハイドロキシアパタイトが、他の製品よりも多めに配合されているのが売りの商品です。

「歯の再石灰化に必要な成分なのだから、たくさんつけても大丈夫なはず」と安易に考えて、歯ブラシにたっぷりつけて歯磨きしていました。それが裏目に出て、見事に知覚過敏になりました。

私のこの経験からも分かるように、歯と同じ成分や歯に優しい成分だからといって、たくさんの量を一度に使用するのは良くありません。

しかも粒の大きさが分からない以上、歯磨き粉に配合されたハイドロキシアパタイトが歯の再石灰化を手助けしてくれるかどうか判断は不可能です。

よって、先にあげたリン酸カルシウムなどの他、ハイドロキシアパタイトも清掃剤として成分表に書かれている場合は、注意することをおすすめします。

研磨剤にはメリットもある

ここまで研磨剤によって起こる影響、デメリットに注目して解説してきましたが、実は、それだけではありません。

市販の歯磨き粉のほとんどに配合されている時点で、研磨剤もデメリットだけなはずがありませんよね。

歯の表面を傷つけて着色汚れや虫歯、う蝕の原因となる研磨剤ですが、適度に使用すると虫歯予防にもなる側面をもっています。

虫歯やう蝕の危険を呼ぶのに、それがどうして予防にもなるのか、というと。研磨剤による強力な汚れ落とし効果がなくては、落としきれない汚れが存在するためです。

それがCMなどでも耳にすることの多い歯垢、いわゆるプラークと呼ばれるものです。

歯垢(プラーク)とは、単なる歯に付着した汚れではありません。食べかすなどの通常の汚れに口内の細菌が付着してできた、菌のかたまりです。

すみかでもあるので、歯垢があり続ける限り、その中でたくさんの菌が繁殖し続けています。

この歯垢の怖いところは、菌のかたまりな上、ネバネバした性質を持っている点。歯にぴったりとこびりつき、洗口剤や歯磨き粉なしの歯磨きでは落とすことができません。

歯垢を落とすには、研磨剤による強力なこそぎ落としが必要なのです。

歯垢ができるのは、食べかすが口内に残ってから24時間ほど経過した後。48時間後には歯石になり、自力では落としきれなくなります。(その場合は歯科医院で歯石とりを依頼しましょう)

歯石には細菌が含まれたままな上、そこをすみかとしてあらゆる毒素を出します。この毒素の影響により歯周病が発症しやすくなるのです。

つまり、研磨剤を避けた歯磨きのみだと歯垢が口内にたまり、歯石へと発展。歯石の中の細菌が毒素を出し、歯周病を引き起こす。このようなサイクルができ上がってしまうのです。

研磨剤をたっぷり使った歯磨きは歯の表面を傷つけ、う蝕や虫歯のリスクを高めますが、かといって一切の研磨剤を避けると、それもまた虫歯や歯周病などにつながります。

このような、使いすぎも避けすぎもデメリットになるという、ちょっとややこしい特徴を持っているのが、研磨剤です。

歯磨き粉の研磨剤と上手に付き合うコツ~歯磨き粉のおすすめの使い方~

歯磨き粉の研磨剤は過度に使うと知覚過敏などのトラブルを引き起こします。人によっては歯の着色汚れや虫歯、う蝕のきっかけにもなり得ます。

かといって完全に避ければ、歯の汚れや歯垢を効率よく落とせなくなるリスクもあるため、ある程度の研磨剤使用は必要です。

そこでおすすめなのが、研磨剤入りの歯磨き粉と研磨剤なしの歯磨き粉を1つずつ用意し、併用する方法です。

私の場合、朝は研磨剤入りの歯磨き粉でしっかりと歯垢や汚れを落とし、夜は研磨剤なしの歯磨きジェルで食べかすなどの汚れを落としています。

寝起きは口内の菌が最も多くなっているので、歯垢もできやすい環境です。それを踏まえ、朝に研磨剤入り歯磨き粉で歯垢を落とすつもりで磨いています。

この方法に切り替えてからは、段々と知覚過敏の症状が治まっていきました。

もともとは歯の着色汚れ(主に茶渋)をどうにかしたくて始めた方法ですが、冷たい水がしみなくなった点を考えると、歯の傷予防にも効果的でした。

歯を傷つける研磨剤の使用回数が減ったので、汚れは定期的にきちんと落としつつ歯の再石灰化も邪魔しません。

歯の表面に着色汚れがつきやすい人、知覚過敏が気になってきた人などは、ぜひ試してみてください。

ここで注意したいのが、研磨剤なしの歯磨き粉の探し方です。市販品のほとんどは研磨剤入り。

今のところ市販の歯磨き粉(ジェルを除く)で研磨剤不使用と書かれている商品を見たことがありません。

研磨剤が入っていないおすすめの歯磨き粉は?

ただ、通販であれば研磨剤不使用の歯磨き粉は入手可能です。

正確には歯磨き粉ではなく、ジェルになります。

研磨剤が入っていない歯磨きジェルでおすすめは「はははのは」という商品です。

「はははのは」は研磨剤だけでなく、漂白剤、発泡剤、着色料、すべて不使用で無添加を売りにした歯磨きジェルです。

※追記:私も実際に「はははのは」を使ってみました♪その効果をご覧ください。
「はははのは」の評判 ~ホワイトニング効果は本当か?実際に使ってみた感想~

そして、「はははのは」は歯の黄ばみを落とす効果が期待できる「ポリリン酸ナトリウム」と「メタリン酸ナトリウム」のダブルのホワイトニング成分を配合しており、歯の表面に付着したステインとエナメル質の間に入り込み、ステインを浮き上がらせてくれます。

とても評判が高く、歯の黄ばみに効果があったとの口コミが多数寄せられています。

研磨剤入り歯磨き粉と一緒に、この歯磨きジェルを併用してみてください。

「はははのは」オフィシャルサイトはこちらです。


研磨剤不使用の歯磨きジェル「はははのは」で白い歯へ

※その他の研磨剤不使用の歯磨き粉は以下の記事でまとめいますので参考にしてください。
研磨剤なしの歯磨き粉特集 ~ホワイトニング効果や着色汚れにもおすすめ~