歯を白くするのに、リンゴ酸が役立つことはご存知でしょうか。昔の某歯磨き粉のコマーシャルのキャッチコピーにもなりましたが、歯の黄ばみにはリンゴ酸が効くと言われています。

今回は、本当にリンゴ酸が歯を白くする効果を持っているのか、どのようなメカニズムなのかをご紹介します。

リンゴ酸入りの歯磨き粉は勿論、手軽に摂取できる食べ物についてもまとめています。食べる時の注意点も解説しているので、是非参考にしてみてください。

歯磨き粉にも含まれるリンゴ酸のホワイトニング効果とは?

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管理人yukiと同年代の方なら、テレビコマーシャルで「歯の黄ばみにはリンゴ酸!」というキャッチコピーが使用されていたのを見たことがあるのではないでしょうか。

近年ではリンゴ酸が含まれる歯磨き粉も珍しくなくなってきました。そのため、リンゴ酸が歯の黄ばみ除去に効果的だと思っている人も少なくありません。実際のところはどうなのか、今回、リンゴ酸による歯の黄ばみ除去の効果について調べてみました。

すると、何とも言えない事実が発覚したのです。

結論から言うと、確かにある程度のホワイトニング効果は期待できる、と言えます。ただし、間違った方法でリンゴ酸を使うと、虫歯になる可能性があるため注意しなくてはなりません。

今回、リンゴ酸について調べてみて、歯の汚れを溶かしてくれる効果があるとする一方で、リンゴ酸はホワイトニングにおすすめできないと言う歯科医も多いことも分かりました。

リンゴ酸が歯のホワイトニングに効果的な理由は、その酸性という性質にあります。リンゴ酸は酸性なため、歯に付着した汚れを溶かして除去してくれるのです。

リンゴ酸は歯磨き粉だけではなく、フルーツや野菜にも含まれています。このリンゴ酸が含まれる食べ物を毎日の食生活に加えれば、歯は白くなっていくと考えられています。

ちなみに、リンゴ酸が含まれるのは主に酸味のあるフルーツや野菜です。

  • りんご
  • トマト

これらのフルーツと野菜を食べるだけで、リンゴ酸は摂取でき、食べている間、ずっと歯に直接成分が触れることとなります。一見すると良い効果しかないように思えますが、何故か歯科医の中にはリンゴ酸を危険視する人もいます。それは何故なのでしょうか。

リンゴ酸の多用は危険!食べ過ぎで虫歯になるリスク

歯の黄ばみの原因である汚れを、リンゴ酸が含まれるフルーツや野菜を食べるだけで解消できるのは、とても手軽で魅力的です。

しかし、ここで注意して欲しいのが、「リンゴ酸はホワイトニングには向かない」という意見もあるという点です。実は、歯の黄ばみにリンゴ酸が良いという意見も、リンゴ酸は良くないという意見も、歯科医の声として存在します。

そもそも、リンゴ酸が歯の黄ばみを解消してくれるのは、何故でしたか?そう、酸が汚れを溶かしてくれるためです。汚れを溶かす酸の性質が、歯そのものにとって大敵となってしまう可能性に注目し、むしろリンゴ酸の摂取は注意した方が良いとする歯科医も少なくありません。

虫歯の原因であるミュータンス菌が虫歯を作る工程でも、酸は生み出されています。この酸で歯の表面が溶かされた症状をう蝕(虫歯)と呼ぶのですが、リンゴ酸が汚れを取り除くのも虫歯と同じ酸のはたらきがあるためです。

りんごの生産が盛んな地域で行われた調査では、りんごをおやつ代わりに毎日10個以上食べるという子ほど虫歯が多かったそうです。彼らはりんごに含まれるリンゴ酸に、長時間歯がさらされ続けていたため、歯の表面が溶かされてしまったのです。

1個や半分を食後のデザートやサラダの具として食べる程度なら問題ありませんが、大量に食べるのはおすすめできません。過剰に摂取した場合、リンゴ酸によって虫歯のようなボロボロ状態になってしまう可能性があります。

歯を白くするためにリンゴ酸を摂取したい場合は、食べ過ぎないように注意しつつ、酸にさらされた後の歯のケアも行いましょう。酸で表面が非常にデリケートになっているため、歯に優しい飲み物で洗い流します。

この時に色の濃い飲み物を飲むと、ものによっては刺激になる他、新たな着色汚れとなるため注意が必要です。酸で柔らかくなった歯は新しい着色汚れがつきやすい状態でもあります。

歯に優しく、色のつかない飲み物を選びましょう。

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リンゴ酸は汚れを落としてくれると同時に、歯を溶かしてしまう危険を持っています。リンゴ酸入りの食べ物を食べて歯の汚れを溶かした後は、余分な酸を洗い流すことを忘れずに。

口をゆすぐ方法でも構いませんが、外出時だと口に含んだ水を吐き出すのは難しいという時もあります。食後の口直しとして特定の飲み物を飲む方法なら、人目を気にすることなく口内の酸を洗い流すことができるのでおすすめです。

この時に口にするのは、酸にさらされた歯に優しい飲み物を選ぶようにします。

歯に優しい飲み物は、水や豆乳、牛乳です。ウーロン茶や緑茶、コーヒーも成分の性質的には歯に優しいのですが、着色しやすい難点を持っています。色のつかない水や豆乳、牛乳で口内の酸を洗い流すと着色汚れの心配がありません。

その後は再石灰化を促すキシリトール入りガムで口内状態を整え、30分以上待ってから歯を磨きます。

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キシリトールの成分と、ガムを噛むことで分泌される唾液の力によって歯の酸化は予防できます。それでも心配な場合は、歯磨き粉も研磨剤不使用かつ歯に優しい成分が配合されているものを選びましょう。中には歯を丈夫にしてくれる成分が含まれているものや、歯についた傷の修復を手伝ってくれる成分入りのものも販売されています。

市販品ではなく通販限定の商品ですが、たとえばナイトホワイトニングはリンゴ酸配合ながら研磨剤不使用の歯磨きジェルです。歯をコーティングして保護してくれるポリリン酸も入っているので、リンゴ酸で弱くなった歯をカバーしてくれます。

↑これ。リンゴ酸以外にも有効成分が入っています。

リンゴ酸入り歯磨き粉を選ぶ時は、ナイトホワイトニングのように歯を保護する成分も配合されているものを選ぶという手もあります。値段重視で研磨剤入りの市販品を使用する場合は、せめてダメージが少なく済むよう使う量を少なめにしましょう。

市販品でホワイトニング効果を謳っている歯磨き粉の中には、多量の研磨剤とリンゴ酸が配合されているものもあるので、購入時は注意してください。

※ナイトホワイトニングのコーティング効果については、管理人が実際に体感しています。よければこちらの体験談も参考にしてみてください。
→→『歯の着色汚れに効くナイトホワイトニングを使ってみた感想』へ

リンゴ酸の正しい活用方法で歯の黄ばみ対策をしよう

今回は、歯の黄ばみに効くといううわさのリンゴ酸について調べてみました。結果、確かにホワイトニング効果はあるものの、使い方によっては虫歯のリスクを高めることも分かりました。

何事もほどほどに、が一番。リンゴ酸の酸性としてのはたらきを活用するには、普段の摂取量で十分です。無理に多く食べれば食べるほど、逆に、虫歯になりやすくなってしまいます。

  • リンゴ酸を摂取しすぎない
  • リンゴ酸を摂った後はケアをする

虫歯になりやすい状態を回避するためには、この2点に注意して正しい方法でリンゴ酸を活用することが大切です。リンゴ酸で歯の汚れをある程度溶かしたら、そのまま放置せず歯についた酸をしっかり洗い流しましょう。

リンゴ酸の他にも、炭酸の飲み過ぎやビタミン入り栄養剤などの過剰摂取も、同じ症状を引き起こすと警告されています。これらも摂取後は歯に優しい水や豆乳、牛乳で洗い流しておきましょう。

健康のために摂取している成分が、実は歯にとって良くないものになっている。そんな事態を防ぐためにも、成分の効果だけではなく正しい摂取方法も知っておいてください。