こんにちは、管理人のyukiです。

突然ですが、みなさん普段はどんな歯磨き粉を使っていますか?虫歯や歯周病予防のために、歯磨き粉選びは磨き方と同じくらい大切です。

今回は、市販の歯磨き粉を選ぶ際にやってしまいがちな失敗についてご紹介します。もしかしたら、あなたが普段使っている歯磨き粉は、歯周病予防になるどころか、逆に歯周病リスクを高めているかもしれません。

注意すべき歯磨き粉の特徴やおすすめの歯磨き粉について、こちらを参考にしてみてください。

市販の歯磨き粉は何故危険なのか?

全ての歯磨き粉が危険というわけではありませんが、残念ながら安全と言い切れないものが多いのが事実です。

たとえば、よく泡立つ歯磨き粉の中にはラウリル硫酸Naという界面活性剤が配合されています。これは泡立ちを良くするための成分で、シャンプーやハンドソープにも配合されているものです。

つまり、本来は口に入れるためのものではない成分が、泡立ちのためだけに配合されているのです。ラウリル硫酸Na自体の危険性を疑問視する人もいますが、最も危険視されている発がん性のリスクについては厚生省が否定しています。

とはいえ、発がん性以外の危険については言及されていません。何より髪や手などを洗う製品に入っているものを、最もデリケートな粘膜のひとつである口内に入れるのは、ちょっと怖いですね。

清掃効果を上げるために研磨剤が多く入っているものも多いです。研磨剤はこびりついた汚れを削り落としてくれる一方、歯の表面のエナメル質も削り、傷をつけて虫歯や新しい着色汚れの原因を作ります。

これらは市販の歯磨き粉の多くに当てはまりますが、実はそれだけが市販の歯磨き粉を危険だと考える理由ではありません。今回、何より知っておいてほしい危険性が、歯磨き粉に入ったツブツブ。いわゆる顆粒入り歯磨き粉の顆粒です。

実は、この顆粒入り歯磨き粉に配合されたツブツブが、歯周病リスクを高めているのです。

顆粒入り歯磨き粉とは

顆粒入り歯磨き粉といっても、何を指すの?と思う人もいるかもしれません。たとえば、歯磨き粉のCMやパッケージで、次のようなキャッチコピーを聞いたり見たりしたことはないでしょうか。

『ミクロの顆粒が歯周ポケットの奥まで届く』『極小の顆粒が歯と歯の間のみがきにくいところに入り込む』

などなど、こういった内容のキャッチコピーです。

つまり、ごくごく小さい顆粒(ツブツブ)が、歯ブラシでは届きにくいような歯と歯の間や、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間)に入り込み、歯垢を絡めとってかき出すというもの。

中には顆粒が歯磨き中に砕けて、さらに細かい部分の汚れにまで届きます、という商品もあります。

新商品や主力商品であればCMでよく見るのですが、それ以外の歯磨き粉では、どれに顆粒が入っていてどれに顆粒が入っていないのか、分かりにくくなっています。よって、そんなつもりはなくても、知らないうちに顆粒入り歯磨き粉を使っている人もいることでしょう。

この顆粒入り歯磨き粉は、歯科用商品を長年作っているメーカーからですら発売しています。そのため、市販品は「歯科用品を多く作っているメーカーだから安心」と言えないのです。

顆粒入り歯磨き粉が危険な理由と歯周病へのリスク

市販品に多い顆粒入り歯磨き粉、何故危険なのかというと、歯周病リスクを高める可能性があるためです。

商品の特性を考えると、むしろ歯周病の原因となる歯周ポケットなどの汚れを落としてくれて、予防につながるのでは?と思いがちです。しかし、実際はその真逆。顆粒自体が歯ぐきにダメージを与えています。

これは単純に「顆粒が歯垢の他に歯ぐきにまで当たり、歯ぐきを削ってしまうから」というような話ではありません。もっと危険な理由があったのです。

この顆粒、その多くがゼオライトという水溶性ではないものでできています。ゼオライト自体はアンモニアの吸着や毒素の吸着など良い効果を持っているのですが、水に溶けないため、歯ぐきなどに入り込むと唾液で洗い流すことは難しくなります。

浅い部分であればうがいで除去できますが、歯ぐきの深いところへ入り込んでしまったものは除去しにくく、長期間留まることとなります。

歯ぐきに入り込んだ顆粒は本人の自覚もないまま、歯科医院でクリーニングなどを受ける際に見つかるケースが数年前から多発しているようです。(参考動画※ちょっとグロいです→Youtube動画

うわさが出だした2013年ごろは、メーカー側も「歯ぐきに留まるのはレアケースで、誰もがそうなるわけではない」と危険性を認めていませんでした。が、近年では歯磨き粉の注意書き部分に「まれに顆粒が残ることがある」と書いています。

では、歯磨き粉の顆粒が歯ぐきに残ると何故歯周病のリスクが高まるのでしょうか。たとえば、次のような危険性があげられます。

歯磨き粉の顆粒が歯ぐきに残ると起こる危険

  • 顆粒が歯ぐきに入り込み傷を作る
  • 顆粒が入り込んだ歯周ポケットの隙間が広がる
  • 歯周ポケットに入り込んだ顆粒が細菌の巣となる

歯周病の初期段階は、歯ぐきの炎症です。多くの場合は歯周ポケットや歯の生え際にこびりついた歯垢で細菌が繁殖し、細菌が吐き出した毒素によって歯ぐきがダメージを受けることで炎症になります。

もし顆粒が歯周ポケットに入り込んだ場合、そのまま歯ぐきのやわらかい粘膜にもぐりこみ、傷をつける危険があります。傷ができるとそこから細菌が入りやすくなるため、歯垢や細菌が少なかったとしても、歯ぐきの炎症が起こっていまいます。

上記の参考動画でも分かるのですが、顆粒が明らかに歯ぐきの粘膜の中に入っています。水溶性ではない成分で作られているため、歯ぐきに入った顆粒はその場に留まるか、粘膜の中に入るかしか行き場がありません。

もし粘膜に入り込まなくても、そのまま歯周ポケットに留まると、顆粒が入った分だけ歯と歯ぐきの間に隙間ができます。隙間ができれば当然、食べかすが溜まりやすくなり、歯磨きだけでは除去できず、歯垢になります。

歯垢の中には食べかすの他に細菌も含まれ、毒素を吐き出しながら増えていくため、歯周病へと発展します。顆粒自体からダメージを受けなくても、顆粒が作った隙間によって歯周病の原因菌の入り口や住みかを作ってしまうのです。

あるいは、この歯磨き粉の顆粒自体が、細菌の巣や感染のとっかかりとなる可能性があることを指摘する歯科医もいます。

たとえば、歯の表面の着色汚れは、歯磨き粉や歯ブラシによってつけられたこまかな傷に色素が入り込むことで発生します。これと同じように、歯周ポケットや歯の生え際にある顆粒を足場として細菌が歯ぐきにとりつくという可能性です。

歯磨き粉の顆粒が歯と歯の間や歯周ポケットに残ることは、少なくとも3つの危険性があります。せっかく歯周病予防のために歯垢を落とそうと頑張って歯磨きしているのに、使っている歯磨き粉自体が歯周病リスクを上げているかもしれません。

顆粒歯磨き粉は歯科用品で有名なメーカーが作っている

実は、私も以前は某メーカーの顆粒入り歯磨き粉を使っていました。

何となくCMの通りに歯周ポケットの中もしっかり掃除してくれているのだろうな、と思いながら使っていました。しかし今思えば、歯磨き後のうがいで顆粒だけが歯の生え際に残っていることが度々ありました。

使っている歯磨き粉はマイクロスクラブという顆粒入りで、磨いているうちに粒が砕けて口内の隅々まできれいにできる、というものでした。そのため、単純に「私の歯磨きが下手だから、顆粒が砕けなかったんだろうな」と思っていました。

今はまったく使っていませんが、ほんの2~3年前までは愛用していた歯磨き粉だったので、この顆粒の危険性を知った時はゾッとしました。ちなみにこの歯磨き粉を使っていた理由は、単純に安かったのと、顆粒が効きそうだという期待があったからです。

そう、安いのです。市販品の中にも研磨剤が少なかったり顆粒なしの歯磨き粉もありますが、顆粒入りのものはとにかく安い商品が多いです。しかもたちの悪いことに、同じメーカーが顆粒なしの歯科医院用も作っているという事実。

長年、歯科医院用の歯磨き粉や歯ブラシも作っているメーカーが、一方で市販品向けに顆粒入りの歯磨き粉を作り、多くの人が購入するように安い価格で流通させています。

安いものすべてが危険とは言いませんが、このような実例があるため、歯磨き粉選びはとにかく注意してほしいポイントです。値段ではなく、成分もよく読んで購入してください。

ちなみに市販品で顆粒入り歯磨き粉を販売しているこのメーカーの歯科医院用(顆粒なし)は、歯科医からの評価も高かったりします。価格的に数百円しか違わない商品です。それなのに真逆の評価をされているとは、皮肉ですね。

顆粒入りではない安全な歯磨き粉の選び方

市販品の中にも、少し注意するだけで顆粒入り歯磨き粉の危険を避けることはできます。

  • ゼオライトなど顆粒成分が入っていないもの
  • 顆粒やスクラブといった文字がパッケージにないもの
  • CMでは中身の画像でツブツブが見つからないもの

この3つのポイントを意識して歯磨き粉を選びましょう。

市販品で顆粒入りではない歯磨き粉を購入する方法は、とにかく成分表を見ることと、CMなどで中身をよく確認すること。一番分かりやすいのは、ゼオライトという成分が入っているものはアウトです。

CMでは、たとえば『マイクロスクラブが~』『ミクロな顆粒が~』と言っているものや、歯ブラシに乗せた中身の画像が明らかにツブツブ入りだった場合は購入を控えましょう。

市販品の歯磨き粉購入で確実に安全なのは、ジェルタイプの歯磨き粉を購入することです。たとえばコンクール マウスジェルは口臭予防にも定評のあるジェル歯磨きです。地域によっては大きめのドラッグストアで購入できます。

私がこのサイトでレビューをご紹介している歯磨き粉や歯磨きジェルも、顆粒なしのものです。むしろ、今のところ顆粒入りの歯磨き粉を通販専用品で見たことがありません。

通販専用品もすべてが良いとは言い切れませんが、少なくとも顆粒が歯ぐきに入り込む危険はないので、その点は安心です。中には虫歯予防や口臭予防など特定の悩みに特化した自然成分を配合しているものもあるので、試してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、今管理人が使っているのはマイケアという通販会社さんの『なたまめ歯みがき』です。


↑こういうの。

有効成分のなた豆は、古来からアジア各国で口内ケアに使われていた天然由来の消臭&殺菌成分です。歯周病菌を抑制する効果も近年の研究で証明されており、膿とり豆とも呼ばれています。

歯周病予防のために歯磨き粉を選ぶのであれば、顆粒入りよりもこういった有効成分入りのものを試してみてください。もちろん、歯ブラシをこまめに買い替えたり、歯ぐきと歯の境目を意識して磨く歯磨き方法も重要です。

私がなたまめ歯みがきを試してみたのは、歯周病予防や口臭予防の効果が気になったのもありますが、正直に言うと第一は価格でした。初回だと2本セットを1本分の価格で購入できたので。

通販専用品はとにかく高価なイメージがありますが、中には『なたまめ歯みがき』のように初回だけなら安く購入できる、という商品もあります。無理に高いものを購入せず、こういった安いものから試してみることをおすすめします。

安いものだと自分に合わなかった場合もそれほどダメージはありませんし、もし自分にぴったりの商品だったら無駄に高級なものを買わずに済みます。通販モノの歯磨き粉はとくに高めのものが多いので、とくにおすすめです。

市販品の歯磨き粉の顆粒の危険性と対策まとめ

顆粒入り歯磨き粉の危険性自体は、2013年ごろから歯科医や衛生士の間で話題となっていました。この話題を今更取り上げた理由は、つい先日、とある週刊誌で特集が組まれたからです。

残念ながら、いまだに顆粒入り歯磨き粉は数多く販売されていますし、その危険性をメーカーからはっきりと提示されていません。メーカーからすれば、「死ぬわけじゃないし、しっかり顆粒をうがいで洗い流してくれれば大丈夫」といったところでしょうか。

しかし、現在も多くの歯科医が問題視していることは事実ですし、週刊誌で取り上げられることで世間の認識も少しずつ広がってきています。

顆粒入り歯磨き粉を使っていて、「そういえばうがいした後、歯に顆粒が残っていることがあるな」と感じた方は、なるべく早めに顆粒入りではない歯磨き粉に買い替えてみてください。

市販品でもよく探せば販売されていますし、「どれが顆粒なしで安全か分からない」という場合は、通販でも多いジェルタイプの歯磨き剤を選ぶと顆粒は回避できます。

また、歯周病予防など明確な目的があって顆粒入り歯磨き粉を選んでいた人は、顆粒ではなく自然由来の有効成分を試してみてはいかがでしょうか。

とにかく汚れを落としたい場合は汚れを吸着して落とすポリリン酸入りを、歯周病や口臭予防にはなた豆など殺菌効果のある成分入りを。

私が以前レビューを紹介したなたまめ歯みがきも、歯周病や口臭の予防用として人気です。(レビューはこちら→『歯周病や口臭予防に効くなた豆歯磨き粉を使ってみた感想』へ)

実際、乾燥しやすい時期はネバつくこともあった寝起きの口内が、最近はすっきりしています。

市販の歯磨き粉のようにミントなどの強い刺激が全然ないので、寝る前や朝食前も気兼ねなく使えます。他の通販限定の歯磨き粉より安く購入できる点も、使い続けやすくて魅力的でした。

市販品のすべてが粗悪品ではありませんが、自分が望む効果を得るには、値段や手に入れやすさ以上に安全性や有効成分のメカニズムに注目して選ぶようにしてください。