人事・労務の業務に関係する資格で給与計算実務能力検定があります。

この資格は、人事・労務業務の中の給与計算実務担当として、その能力があることを認めるものです。給与計算実務能力検定は、人事経理に必須の給与計算に関するスキルを測る資格で、この資格を得ることにより自分のスキルを証明することができます。

特に人事・労務課に配属された新人や他の部署から配転になった人たちは、注目してもいい資格です。比較的受験し易くまた合格率も高いですから、挑戦するに値する検定試験です。

この資格があれば評価もしやすく、昇進や待遇に際しても有利となります。

また、転職の時でも、この資格があれば、一定の能力ありと認められて就職に有効です。

人事・労務という職域は、企業の中では比較的目立たちにくく、また評価されにくい部署です。こうした実務能力の客観的な評価手段である資格というステータスは、目立たちにくい部署ならなおさらアピール力があると思われます。

給与計算実務能力検定は、内閣府認可一般社団法人職業技能振興会が主催する検定試験で1級と2級があり、1級は年1回、2級は年2回の検定試験が全国主要都市で行われています。

検定試験受験料(1級10,000円、2級8,000円)が必要ですが受験資格はなく、誰でも受験できます。試験は給与計算に必要な知識を問う問題と演習問題があります。両方とも回答率70%以上で合格となるようです。定員が決まっている試験ではありませんから、所定の回答率以上の成績であれば誰でも合格できます。ただし資格は2年ごとに更新手続きが必要です。

詳細は、一般社団法人職業技能振興会に問い合わせ下さい。
参考URL:https://jitsumu-up.jp/

給与計算実務能力検定の必要性は?

給与計算実務能力検定の資格は、人事・労務の業務にどうしても必要なものではありません。

資格がなければ給与計算の業務ができないわけではありません。資格所有者がいない企業はたくさんあります。

検定試験に合格しても実力が伴わない人もいますし、資格を持っていなくても給与計算実務の実力がある人もいます。合格したからと言って、その人が適切な能力や経験を有しているわけではない場合もあります。

従って企業によっては、この資格を資格手当の対象にしていないところもあるようです。

では、給与計算実務能力検定を受ける目的な何でしょうか?

いくつかあると思いますが、私は給与計算実務能力検定で1級の資格を持っていて、給与実務軽経験もあります、という自己アピールのため。

資格を取ることでこの分野の業務の一層の見識を高め、より深く知ること。又は転職の時に、資格所有者として専門家として一定の評価をしてもらうため。そして資格手当という特別な手当てをもらうため、などがあります。

どうしても必要な資格ではありませんが、給与計算実務能力検定の資格を有することは、給与計算実務担当者自身の付加価値が上がり、本人のモチベーションも維持され、人事・労務課の中で信頼される存在となります。

当然資格は取ることだけが目的ではなく、資格によって意識構造を変革させ、人事・労務課の業務改善に先頭に立って行える立場となることです。

まとめ

今、働き方改革が叫ばれています。大企業でさえ労働時間のコンプライアンス(法令順守)が問われています。過重労働に対する経営者側の意識の欠如が原因の労働事件が相次いで新聞紙上を賑やかして、経営者を始め、人事・労務責任者の責任が追及されています。

労働時間が1日8時間を超す場合の時間外労働や深夜労働、休日労働に関しての計算方法は細かく法律で決められています。労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインでは正しい労働時間の計算の仕方も示されています。

給与計算実務能力検定の目的の1つに給与計算実務を通じて、労働法などの法律の遵守が挙げられます。検定試験合格者による給与計算実務現場の意識改革が最も重要な資格者の業務です。人事・労務課に配属された人は、ぜひとも給与計算実務能力検定の意義を理解され受験されることをおすすめします。

関連記事:人事・労務部に配属が決まったら?事前勉強のためのおすすめ本と関連資格について