竹中工務店が6億円の申告漏れが脱税になり話題になりました。どうして脱税になってしまったのでしょうか?建設会計は事業の会計とは違い、特殊な会計になっています。これらも紹介しながら脱税となった理由についてみていきましょう。

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1.竹中工務店の6億円の申告漏れ!経理ミスがほとんど

連結での売上高は1兆円、2014年12月期で利益が235億円あったようです。

会計では費用収益を経理が損益計算書に計上します。法人税ではこの費用収益が税法上の損金益金と合致するかを検証します。会社の経理が費用と認めて計上した現金支出が、法人税では損金と認められない場合があります。

このとき、会社は損金に費用を修正することをしないといけません。このようの不一致が多々あり、申告漏れ6億円のうち、所得隠しと言われている金額が1.5億円なので、残りが経理の費用収益の認識ミスということになります。

2.所得隠しとされる1・5億円~建設資材を多めに発注

利益率の多い建設工事で、建設資材を多めに発注し、利益を少なくしていたために、節税をしていたとされています。脱税は意図的に収入金額や支出金額を隠ぺい増大させることですが、竹中工務店の場合は、財務諸表上の数値を意図的には操作していないので、脱税ではないようです。

3.本来の納付税額6億円の他に5億円の追徴課税

税金は納付を忘れたり、間違えたりすると本来の納税額の他に追徴課税という課税方法で税金が加算されます。竹中工務店の場合は、税額を間違えたこと、本来納付すべき税額が納付されていなかったこと、納付期限が過ぎていることなどから、複数の追徴課税が加算されているので追徴課税金額が5億円にもなったようです。追徴課税についてみていきましょう。

4.過少申告加算税

納める税金が少なすぎたときに発生する附帯税です。新に納付する金額によって税率が変化します。税務署から連絡がある前に修正申告を提出した場合は、過少申告加算税は課税されません。

①新に納付する税金が当初の納付税額と50万円のいづれか多い方よりも少ない場合は10%。

②新に納付する税金が当初の納付税額と50万円のいづれか多い金額よりも多い場合は15%。

竹中工務店の場合は申告漏れということが、税務署から更正を受けたことで発覚したので、15%が過少申告加算税として加算されているようです。

5.無申告加算税

期限後申告をした場合や、申告・納付を忘れていて、決定を受けた後その額を納付した場合は、無申告加算税が加算されます。法定納付期限から2週間以内に申告し、かつ、その時に税金を納付出来た場合は無申告加算税の税率は課税されません。課税される場合は、納付すべき金額が50万以下なら15%、50万円以上なら20%分が加算されます。竹中工務店は20%が無申告加算税として加算されているようです。

6.延滞税

法定納期限というものがあります。毎年いつまでに確定申告をしないといけないと決められた日です。法人の場合は期末から2か月を経過するまでの間に申告しなければいけないことになっています。期末から2か月を経過する日が法定納期限となっています。

法定納期限の日から2か月以内に納付した場合、基本的に年7.3%の割合が納付した金額に加算されます。法定納期限から2か月を超える場合は、年14.6%の割合で納付すべき金額に加算されます。

1年に満たない場合の期間の場合は、日割り計算をします。竹中工務店の場合は、2013年の12月期までの4年間という期間で6億円の申告漏れなので、2010年から2015年の納付日までの期間について、毎年の法定納付期限から、納付すべき金額(本税と追徴課税の合計額)を納付した日までの期間をそれぞれ計算し、合計した額が延滞税の額ということになります。

まとめ

竹中工務店のように税金の申告漏れであった場合は本来の納付すべき税額はもちろん、過少申告加算税や無申告加算税や延滞税などの附帯税が課税されてしまうのでかなりの金額の税金を払わなければいけなくなります。

毎年の納税額はきちんと計算をし、確定申告をしないと会社は損失を出してしまうことになるので気を付けたいものです。