米ドルの外貨預金の体験談
外貨預金体験談
性別・年齢:30代男性
通貨:米ドル
住宅ローンの支払いがあった時は超低金利だったこともあり貯蓄が少しまとまると銀行で定期を組むよりもローンの繰り上げ返済を優先させてきました。その甲斐あって当初の予定よりも早く完済することができ、さあこれからは資産形成に向けて頑張るぞといろいろな金融商品を見比べていた時に外貨預金というものに興味を持ちました。
魅力を感じた最大のポイントは安直ですが、やはり「金利が高い=儲けが期待できる」ことでした。その結果はどうだったのか?詳しくお話しましょう。
外貨預金をいつ、なぜ始めたのか
2005年に住宅ローンを完済したためそれまで支払いに充てていた金額を貯蓄に回せるようになり、どうせならと少しでも金利の良いものを探して外貨預金に辿り着きました。
どの通貨の外貨預金をしたのか
毎日ニュース等で気軽に為替情報を手に入れられること、他の通貨に比べてレートの高下が比較的安定していると考えて米ドルを選択しました。
外貨預金は米ドル、ユーロ、英ポンド、NZドル、スイスフラン等々ありますが、各通貨それぞれ取引レートが違うので注意してください。
どこの銀行で外貨預金を始めたのか
取引のある金融機関の中から素人なりに銀行の規模や資金力を考慮して三菱東京UFJ銀行にしました。いまや都市銀行から地銀、信用金庫に至るまで外貨預金を取り扱っている所はたくさんあり、メジャーな通貨ならどの金融機関でも大丈夫だと思いますが、通帳記帳などの手間を考えると日常的に利用している金融機関の方がいいと思います。
手数料はいくらかかったのか
外貨預金における手数料とはTTSとTTBと言われているものです。私が外貨貯金をした時の預金作成時のTTSは@109.11で、解約時のTTBは@101.63でした。
このTTSとTTBを簡単にいうとTTSは預け入れ時の手数料でTTBは引出時の手数料ということになるのですが、実は外貨預金のミソがここにあるのです。その日のレートよりTTSは+1円、TTBは−1円なので、預け入れるときは元金より少ない外貨となり、引出す時には預入高より少ない円ということになります。仮に1ドル=100円としてTTS,TTBがなければ1,000円をドルで預け入れた場合の預入高は10ドルですが、実際にはTTSは101円ですので、預入高は9.9ドルになります。逆に10ドルを円で引き出す場合TTBは99円になりますので990円の払戻になるのです。ということは預け入れるときは円高、引き出す時は円安がそれぞれ狙い目というわけです。そしてハイリスク・ハイリターンが基本なので元本保証という概念はありません。
今回の米ドルの外貨預金ですが、1円の為替手数料がかかったため、1ドル100円とすると約1%の手数料がかかったことになります。
外貨預金で儲けることができたのか?
さて、皆さんここが一番興味があるところではないでしょうか?ど素人が外貨預金に初挑戦をした、その後の顛末をお話します。
元手と預け先は?
外貨預金は全くの初めてだったので元本割れを起こしても被害が少なくて済むようにとりあえず50万を原資として40万で3ケ月複利の外貨定期預金を10万で1ケ月経過後引出可能な外貨貯蓄預金を組みました。
外貨預金スタート!
両方とも2005年5月31日に作成し、当初は順調に利益を出していました。分かりやすいので外貨定期預金で説明すると預入額3,666.03ドルだった3ケ月複利の定期預金は新規作成金利キャンペーンというのも相まって1年後には3,752.74ドルまで増やすことができました。
その差額は86.71ドルなのでこれを当時のレート@112.26、TTB111.26円で換算すればなんと1年で9,647円もの利益を得たことになるのです。実質利回りは3.45〜3.56%といったところで当時の円定期の超低金利を考えると驚きの数字です。この時点で解約すれば417,529円となり原資が40万なので17,529円の利益です。
取らぬ狸の皮算用
こうなると人間欲が出るもので、この調子でいけば5年後くらいにはきっと50,000円以上の利益が出るんじゃないかと思ってしまうわけです。
このときは40万なんてけち臭い金額じゃなくもっと高額を預ければよかったかもなんて後悔したりもしましたが、素人ゆえにここは手堅くいこうと資金を補充することはしませんでした。
幻の最高益
2年間は順調に利益が出ていました。
2007年11月30日の段階では3,925.42ドルとなり当時のレート@110.15、TTB109.15で計算すると428,459円となり、ここで解約していれば最高益を得ていました。
夢の終りは突然に
夢の終りは世界経済を震撼させたリーマンショックとともに突然やってきました。リーマンショックが発生したのが2008年9月でその影響が出始めた2009年2月29日の更新時には金利が1.39%まで下がりましたが、レートはまだ@104.78でした。今思えばここが運命の分かれ道、解約の最後のチャンスだったのです。
このとき残高は3,952.8ドル、TTB103.78で計算すると414,174円で最高益には及ばないものの3年でこの利息なら大満足で終わることができたはずです。
ところが経済情報、市場動向などから的確に判断を下せる知識があれば別ですが、経済に疎い素人だとはこういうターニングポイントを見極めることができません。結局、解約しそびれた挙句、世界経済は超円高時代へ突入していくことになり、気がついた時にはレートは100円どころか95〜96円付近をウロウロ・・・
こうなると最早最悪で解約したら即元本割れという事態に陥ることになりました。
最終収支は?
超円高時代を耐え忍び元本割れを起こさないレートまで回復したところで2013年12月4日に@102.63で解約しました。最終収支は外貨定期預金が3,987.6ドル、TTBが@101.63だったので405,259円、外貨貯蓄預金に至ってはたった数百円程度の利益でした。
最高益と最終金額を比べると23,200円もの差がある上、5,259円という利息を預入期間8年で計算すると年利0.16%にしかならず、これくらいなら金利上乗せキャンペーン時の円定期と大差ないというなんとも哀しい結末となりました。なんとか元本割れだけはせずに済みましたが、資産は一朝一夕にはならずというのが身に沁みたほろ苦い外貨
初挑戦でした。
これから外貨預金を始めるなら
現在の円安傾向から外貨預金を検討している人も多いと思います。外貨預金はこれまで述べてきた注意点の他に税金面でも注意すべき点があります。それは20万円を超える為替差益を得た場合、年収2,000万円以下の給料所得しかないサラリーマンであれば確定申告が必要となるということです。20万超の利益など元本がよほど高額でない限りあり得ませんが、知識として頭の片隅に留め置いた方がいいと思います。
金利目的で長期運用するならFXがおすすめ
外貨預金は上記体験談の通り、手数料が高く元本割れしてしまいます。
上記事例では1米ドルあたりの手数料が1円となっています。1ドル100円とすると約1%の手数料がかかることになります。一方、米ドルの金利は0.2%程度と、手数料より安くなってしまいます。大きく為替差益が出ない限り儲けることはできません。
ですが、外貨預金の代わりに手数料の安いFXをつかって長期運用するという方法があります。
FXは1日に何回も取引をするデイトレーダー向けの使用になっており、手数料がかなり安くなっています。
例えばFX会社のSBI FXトレードであれば米ドルの手数料(スプレッド)は0.29銭と外貨預金よりもかなり安くなっています。
FXはハイリスクだと思われがちですが、レバレッジ(倍率)をかけずに取引をすれば、ほとんどロスカットをする可能性がなく、外貨預金同様長期保有することができます。しかも、FXであれば定期預金のような期間の定めがなく、24時間いつでも取引ができ便利です。
FXは外貨預金よりも多くの点で優れています。
手数料が外貨預金よりもかなり安い
金利も外貨預金より高い
平日は24時間いつでも取引ができる
信託保全が整備されている
レバレッジをかけることができる
もし、外貨に投資したいと検討しているのであれば、FXという方法も考えてみてください。
FXは少額からでも始めることができます。まずはどんなものかやってみたいという人は当サイトを参考にしてください。
FXはいくらかかるの?FX少額取引のすすめ
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