病院での災害・防火訓練【災害が発生したときに看護師はどう対応すべきか】

ある国で病院火災が起こり、たくさんの入院患者さんが命を落とされました。また船の転覆事故がありこれもたくさんの方が亡くなりました。

もしその現場に看護師としていたならあなたならどんな行動をとりますか?

勤務中の火災発生時の対応とは?

もし病院内で火災が発生したら看護師としてやらなければいけないことがあります。

自分の身の安全確保もその重要な一つですが、病棟なら入院患者さんの安全の確保もその使命の一つです。避難誘導や初期消火もしなければなりませんね。

今回はその大切さを体験した災害・防火訓練についてお話させていただきます。

まずある病棟から火災が発生したという一斉放送があります。そのあと勤務している看護師や他の職員がそれぞれの役割を果たさなければなりません。火事を知らせながら患者さんの部屋をラウンドします。その間に初期消火が始まりますが、自力で避難できない患者さんは担架に乗せたり車椅子やストレッチャーで運ばなければなりません。

点滴をしていたり色々な管が入っている患者さんもいます。素早い対応が火災から患者さんの命を守ります。訓練では三階からシューターでの脱出訓練もありました。布製のトンネルを使い上から下に滑り降りる避難道具ですが訓練参加者のうち数名が体験することになりました。

私は高いところが苦手でしたが、そのような体験も必要だと思い体験をしてみました。直前までは恐怖心が大きくかなり躊躇しましたが、終わってみればもう一回やってみたいと思いました。

いざという時、患者さんにこの体験を元に避難誘導が行えるという自信が持てました。実際はそんな訓練は無駄に終わって欲しいと思います(病院火災は起きて欲しくないですから)。

災害訓練(多数傷病者訓練)はどのようなものか?

「災害は忘れた頃にやってくる」という言葉をどこかで聞いたことがあります。でも忘れた頃にではなくて「忘れないうちにやってくる」というのが正直な思いです。

大規模災害に見舞われたら看護師としてどのような対応を迫られるでしょうか?

出勤途中で災害に遭遇してしまったらまず自分の身の安全を最優先しましょう。

助けを求められたらそれに応じることも大切ですが、その時も自分が危険にさらされそうな場合は自分が今度救助される側になってしまっては本末転倒になってしまいます。十分な注意が必要です。病院に勤務中の場合は災害の情報を入手しましょう。院内のテレビや休憩室のテレビ、消防からの連絡などを元に病院として対策や受け入れの準備を即座に行わなければなりません。

災害が発生したとき、まずは歩くことができる軽傷者が殺到します。その後重傷者が搬送されます。

訓練では軽傷者の処置に追われて重傷者の処置に手が回らずに助かる命も助からない、ということも発生してしまうのでトリアージの勉強会やトリアージの訓練を行ってきました。

トリアージとは

フランス語で選別するという意味です。(参考:災害看護、トリアージについて

1980年代にある県の駅地下街で大規模なガス爆発がありました。前述した通り軽傷者が医療機関に殺到し、その後重傷者が運び込まれ、医師、看護師は軽傷者の処置に忙殺されてしまい重傷者の方々が命を落とされてしまったそうです。

当時はトリアージの概念はなくその時トリアージが行われていたら助かった命はたくさんあったと言われています。トリアージは看護師でもできます。難しいことはありません。ちょっとした知識と訓練を重ねれば一般市民でもできます。

しかし看護師は医学的知識を有しています。

その知識をフルに生かして大規模災害では助からなかった命を救うことができたら最高ですね。それにはトリアージができれば難しいことではないと思います。文章に書くことは簡単ですが実際は騒然とし戸惑います。防災訓練はそのための訓練ですので、真剣に取り組み少しでも大切さを学んでいただけたらと思います。