神戸製鋼は買いなのか?なぜ株価が上がるのか?空売りを狙うのはありか?

不祥事を起こした神戸製鋼は買いなのか?投資価値を考察しました。

ニュースでご存知だと思いますが、神戸製鋼の鉄鋼データ改ざん問題は収束するどころか、日を追うごとに新たな不祥事が発覚して問題は拡大を続けています。

日本を代表する大企業が何故こうなってしまったのでしょうか?残念でなりません。

しかし、嘆いていても仕方ありません。ここは先行きが明るく儲かりそうなら株式を買いに入る場面です。

ここでは神戸製鋼を検証して今から投資するべきかどうか?私の分析結果をご紹介します。

貴方の投資の役に立てて頂けたら嬉しいです。

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そもそも神戸製鋼とは?

神戸製鋼(5406)は東証一部に上場していて日経225指数(通称日経平均)にも採用されている日本を代表する鉄鋼メーカーです。

ただ、鉄鋼メーカーといっても昨今の鉄鋼価格の低迷を受けて事業の多角化を進めており、現段階では鉄鋼事業・機械事業・電力事業の3つの事業を推し進めています。

それぞれの事業の特徴と先行きをまとめました。

鉄鋼事業

鉄鋼事業では鉄に拘らず様々な特殊素材を製造しており、神戸製鋼でしか作れないという物もあるほどの技術力を持っていると言われています。

事実そうなのでしょうが、それも品質に疑問符がついた現状では先行きは暗いと言わざるおえません。

機械事業

神戸製鋼では産業機械・圧縮機の製造を行っています。

自社で製造した材料を自社で加工して追加価値を付けて販売するのは良いアイデアですが、元々の材料に不安が出てきた以上、この事業の先行きも不安です。

電力事業

神戸製鋼は神戸を中心に発電所を開発しており現段階で2つの発電所を運営しています。

今後2022年までに、新たに3つの発電所を開発する予定で、予定通りにいけば2022年には地方電力会社と同規模の発電量を発電する企業になります。

電力事業は他の2事業とは分離した形で事業展開をしていける上に、関西圏という地理の利もあるので、先行きは明るいでしょう。

神戸製鋼は事業の多角化は進んでいて鉄鋼メーカーの中で1番鉄鋼事業への依存度は低いと言われてはいますが、自社で製造した鉄鋼を活用して事業展開も行っており、屋台骨を支えているのは鉄鋼事業です。

財務から見る神戸製鋼

神戸製鋼の事業は、どれも大きな先行投資が必要で資金の借入比率は高く自己資本比率は3割を切っています。

また、神戸製鋼の売上は年々減少を続けています。今回の事件の前は東京オリンピックに向けての鉄鋼需要の拡大や好景気を背景にした自動車メーカーの需要の拡大を受けて、来期以降は大きな黒字を予定していましたが、先日来期以降の予想は全て撤回され先行きは不透明になっています。

神戸製鋼は大きな借入がありますが、今回の事件で屋台骨が揺らぎ採算性が不透明になり、今後の資金繰りに苦労しそうです。

ただ、先日みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行の3行に500億円の融資を要請して受け入れられる予定だと報道されたので当面は安心です。けれども2017年6月時点で神戸製鋼の借入金は8000億円近くあり問題が拡大すれば返済問題が表面化してくる可能性はあります。

神戸製鋼の大株主は?

神戸製鋼の大株主の大部分は投資信託や年金基金などの資産信託を行っている日本トラスティや日本マスターです。

つまり、大部分は日経平均やTOPIXの指標に連動する商品に纏わるお金です。

その為、問題が拡大して神戸製鋼が東証一部や日経平均指数から外されると株価が急落する可能性があります。

シャープや東芝のような形ですね。

今回の神戸製鋼の不祥事とは?不祥事の影響は大きいのか?

今回神戸製鋼が行なった不正は、自社の製造品の品質を実際よりも良く表示していたというよくある不正なのですが、企業規模が規模だけに影響は大きく日本のみならず世界を股にかけて問題が波及しています。

しかも、改ざんは数十年前から行われているとも言われており損害賠償請求が最終的にどこまで膨れ上がるのか全く読めない状況です。

株価を見るとデータの改ざんが発覚した時点から企業評価額は半減しており問題の深刻度を表しています。

世界中から過去に遡って損害賠償請求されるのか?それとも何らかの手段で免れるのか?どちらにしても不正問題の全てが判明してからのお話になるでしょう。

恐ろしいことに不正問題が発覚して調査が行われてから、日々新たな不正が発覚しています。

このことから、神戸製鋼の不正問題は単純なその場限りの不正ではなく企業体質による物だと言え問題の根は深そうです。東芝に見られたような悪しき企業体質が神戸製鋼にも蔓延している。

そう思わずにはいられませんね。

不祥事が起きてからのチャートを振り返り考察

見事な下落っぷりですね。


問題が発覚した10月6日以降から一気に株価は半減、取引量は何百倍に拡大して世の中からの注目度が高まったことを表しています。

後から振り返ると何とでも言えますが、問題発覚当初の下落で株価が700円台まで下がった時に、とりあえず買っておいた方が良い結果になっています。

ただ、問題の全貌が明らかにならない中で、即買いに入るのはどこまで下落するのか分からない恐怖があるので難しいことだと思います。

少し前に不祥事や大きな事故を起こして株価が暴落した時に、とりあえず買いに入る資金を用意しておいて、無くなっても良い覚悟で投入するという投資家の話を聞いた事があります。

普段の投資法と切り離して、高リターンを狙って上記の様な特別な投資法を用意しておくのも良いのかもしれません。

でも、何故問題が終息しない中で株価は上昇に転じたのでしょうか?次項ではその点を考えてみました。

不祥事を起こしてからも、神戸製鋼の株価が上昇を続ける理由を考察

さて、不可解なことに神戸製鋼の不正問題が発覚してから株価は急落したのですが、最近徐々に株価が上昇しています。

不正問題の闇の底は見通せない状況で、何故株価は上昇に転じているのでしょうか?

私なりに考えて見ました。

要因1.逆張り投資家

近年国内では東芝を始めとした大企業の不祥事が発覚しても、最終的には国が助けてきました。

その為、今回の神戸製鋼の不正問題も危うくなれば、最後は国が出てきて救済するだろうという思惑が投資家に広がっています。

この考えが根底にあれば、今の神戸製鋼の株価の下落はピンチではなくてチャンスに映るはずです。国の救済を期待して買いに走っている投資家は少なくはないでしょう。

要因2.インデックス投資

近年市場平均に投資するインデックス投資家が増えています。

指標に投資するのはリスク分散ができて平均的なリターンを手堅く獲得できる良い投資法なのですが、この投資法では指標に採用されている銘柄を問答無用で購入することになります。

その為、日経平均やTOPIXに採用されている神戸製鋼はインデックス投資家からの資金流入が入り株価が押し上げられます。特に株式市場が絶好調の現在、インデックスで流入する資金量も多いので、その影響は大きいでしょう。

この2つの要因が合わさり、日々新しい問題が発覚していく中で神戸製鋼の株価は上昇を継続していると考えられます。

私の神戸製鋼への投資スタンス

私は投資しないという選択を選びました。

不正問題の底が見えない中で、現状では将来浮上する目が見えないからです。

私にも株式市場が絶好調なので投資したいという気持ちはあるのですが、理論的に勝ち目が見えない戦いはしたくないと思い留まりました。

ただ、私が思うに今は株式市場が絶好調ですので多くの投資家は利益を得ていることでしょう。

その一部を使って最初からなかったものとして考えて、神戸製鋼に突っ込み問題の動向を楽しむのも一興だと思います。私は東北の震災時に中部電力・関西電力・東京電力の株を保有しており、あの時は問題の行方を固唾を飲んで見守っていました。

結局は、福島原発の問題が深刻化して東京電力の株が紙屑になる前に何とか損切りしましたが、経験と引き換えに大きな損失を被りました。

自分のお金が掛かっていると、人は問題を真剣に捉えて考察します。

そんなハラハラドキドキをしてみたい!という投資家の方には神戸製鋼への投資をオススメします。

個人的には一度くらい、そういった経験をした方が投資家としての幅を広げることができるので損得抜きでやってみても良いと思います。と、色々書きましたが投資は自己責任です。色々な意見を検討して自分なりに結論を出して下さい。

※神戸製鋼の株を空売りする方法

現在のところ空売り規制が入っていないため、神戸製鋼の株の空売りは可能です。

ハイリスク当然自己責任になりますが、今後、不正の影響で株価が下落すると考えるのであれば信用取引で空売りするという方法もあります。

空売りが適している証券会社は

SBI証券 手数料が安く取扱銘柄豊富

SMBC日興証券 信用取引手数料がなんと無料

以上の2社がおすすめです。

ただ、信用取引には限月があります。また、不正銘柄は空売り規制がかかることが多いです。

そこで、ちょっと上級者向けにはなりますが、CFDで株を空売りするという方法もあります。

サクソバンク証券等のCFD口座であれば神戸製鋼も限月なく空売りをすることができます。

恐らく価格調整差額は発生すると思いますが、信用取引と違い暴落するのを長期で待つことが可能です。

CFDは上級者向けですので、基本は信用取引をおすすめしておきます。

⇒サクソバンク証券のCFD口座