楽天の株価が下落中!今が買い時か?第4の携帯電話事業者になれるか?

先日楽天は「電波オークションに参加して第4の携帯電話事業者を目指す!」と公表し世間を震撼させました。

参考ニュース:楽天「第4の携帯キャリア」参入の勝算は?

実は楽天は最近何かと多くの分野に投資を決行しています。

それはニュースになるような目立つ案件もあれば、新聞の片隅にひっそりとしか乗らないような目立たない案件まで沢山の案件があり、楽天の真の価値を見定めるのは非常に難しいのが現状です。

ただ、多くの投資家は楽天の先行きは暗いと見ているようで、楽天の株価はここ1年の最安値を更新しました。

しかし、私のような逆張り投資家にして見たら多くの投資家の評価が低迷している、こんな時こそ投資のチャンスに見えます。

今回は、そんな楽天のチャンスが本物かどうか検討してみました。

参考にして頂けると嬉しいです。




そもそも楽天はどんな企業?

楽天市場と呼ばれる日本最大級のECサイトを手掛かりに、金融を始めとした数々のITビジネスを展開している複合企業です。株主構成の特徴として創業者で社長でもある三木谷氏の一族が株式の3割以上を保有しています。

楽天グループは三木谷氏のカリスマ性と経営手腕によって、ここまで大きくなったので当然と言えば当然なのですが三木谷氏次第で楽天の将来は大きく左右されます。

また、楽天はM&Aに非常に積極的で有望な企業だと見ればガンガン取り込んで楽天のグループにしていきます。

そんな、ガンガン仲間が増えていく楽天グループの特徴はグループ内で1ポイント1円で利用できる楽天ポイントと呼ばれるポイント制度を導入していることです。

この楽天ポイントは、楽天がCMでデカデカとポイント貯まりやすさナンバーワン!と公言しているだけあり驚くべき勢いで貯まります。

そして、楽天ポイントが貯まるサービスを利用して、ある程度楽天ポイントが貯まると楽天ポイントを消費する為に楽天ポイントが使える楽天グループ内の新しいサービスを使い始めるようになり…そして、更に楽天ポイントが貯まり…新たな楽天グループのサービスを使うように…

といった楽天ポイントを中心としたループを描くようになり、楽天グループに消費者を誘導する強力な求心力となっています。

私もすっかり飲み込まれ普段の買い物やふるさと納税、はたまた証券取引に至るまで幅広い分野で楽天ポイント目当てに利用しています。

楽天は始まりが楽天市場だったので、今でも楽天市場が利益の源泉かと思っている方が多いと思いますが、ここ数年で楽天証券、楽天カード、楽天銀行といった金融分野が利益の過半数を占めるようになり、近年では金融が楽天の利益の源泉となっています。

簡単にまとめると楽天は、金融という利益の源泉と楽天ポイントという魔力を武器に、有望企業を取り込みながら大きくなっていく複合IT企業だと言えます。

携帯電話事業者に挑む楽天の勝算は?

さて、目下市場の注目は楽天の携帯電話事業の先行きです。

そもそも、私のような何も知らない投資家にしてみたら楽天が本当に携帯電話事業者になれるのか?そこがまず問題じゃないのか?

と思っていましたが、どうやら携帯電話事業者となる為に必要な電波帯を獲得する国の電波オークションでは、新規事業社が有利になるルールになっており、楽天が参加すれば電波帯を獲得する可能性は非常に高いようです。

その証拠に市場では楽天が携帯電話事業者となるのは間違いないと見ているようです。

問題は携帯電話の利用者満足度に直結する電波の状況を良好に維持する為に必要な通信基地局の整備に必要な投資額を楽天が長期間出資できるのか?できたとしても財務は耐えられるのか?といった点です。

現段階で楽天は基地局などの通信分野で6000億円の投資を予定しているということですが、他のキャリアは何兆円規模で投資して競合しているだけに圧倒的に足りないのではないか?という見方が大半です。

ただ、現在楽天モバイルとして借りているdocomo回線と新しく得た電波帯を両方使えるようにすることで電波状況を良くするのではないか?ズルイがこれなら使えるのではないか?

という意見もあり、現段階では良い悪い意見が交錯しています。

私の個人的な意見としては、楽天の携帯電話事業は楽天ポイントが貯まって使えて安価な価格設定をするでしょうから価格面の優位性は高いと予想します。

兎にも角にも電波状況が懸念ですが、余程絶望的な状況でない限り一定の顧客を囲い込み事業を継続しながら投資を行い改善させていくのではないかないでしょうか?

率直に言うと勝算は充分あるとポジティブに見ています。

楽天が様々な事業に参入する意味とは?

楽天は新規事業にガンガン投資しています。

これは楽天ポイントが使える楽天経済圏を拡大させ求心力を高める為でえることと、楽天市場を取り巻く環境の変化が理由になっていると私は考えています。

楽天市場の最大のライバルとなるamazonは、豊富な資金力を武器に新たなサービスを多数投入してきています。

利便性の面で比べると、やはりamazonの方が一歩先を行っています。

また、amazonは顧客の囲い込みの要であるamazonプライム会員に安易になれるサービスを展開してきており着実にamazonの顧客を増やしています。

私の周りを見ると、金があるのならamazonポイント目当てで少しでも安くしたいのなら楽天市場というような住み分けが構築されつつあるように見受けられます。

また、日本のECマーケット第3位のヤフーショッピングが昨年出店手数料を無料化しました。

その結果、楽天市場とヤフーショッピングの出店数は逆転、しかも、ヤフーショッピングも楽天市場のポイントの貯まりやすさをもろパクリしたポイントサービスを展開し始めたので楽天市場の優位性は落ちてきています。

昨年末の時点で業界2位の地位は守っていますが、ライバルは攻勢を強めてきており今後の楽天市場の先行きには暗い影を感じます。

私は変化の激しい業界内で既存分野の優位性がいつまで持つか分からないという危機感から、楽天は新規分野に投資を継続しているのではないかと考えています。

楽天に見るソフトバンクの面影

金融業を柱に新規事業をガンガン取り込みながらグループを拡大させていく楽天を見ていると、金融と携帯電話事業を柱にガンガンM&Aを繰り返してグループを拡大していったソフトバンクとダブって見えます。

今となってはソフトバンクはサウジアラビアと組む程の世界を股にかける超巨大企業に成長しましたが、当時のソフトバンクを見て、多くの人があんなやり方が通用するはずがない!と言っていました。

今となっては懐かしいですね。

現段階でソフトバンクは資本と同額以上に借金額が膨れ上がっているので「何かあればすぐに倒産するだろう」という人もいますが、あれ程の規模になった企業を倒産させることはもう不可能だと思います。

楽天がソフトバンクと同じストーリーを描けるかは分かりませんが、私はソフトバンクのようになれる可能性は充分あると考えています。

私の楽天の投資戦略

この記事を書いて暫く経った後に野村証券が楽天の投資評価を格下げしました。

野村証券によると楽天は携帯電話事業の参入によって先行きは不透明感が高まっているそうです。

仰る通りだと思いますが、私はそんな時こそ投資する価値が有ると思います。

直近の楽天の理論株価は約1250円、1/16の市場株価は1000円を切って理論株価から既に大きく下降乖離しています。

当初私は1000円を切った辺りで買いに入る予定だったのですが野村証券のフォロー?によって一気に下落が進んだので様子見に入ってしまいました。

個人的にはこの辺りで買いに入って良い価格帯だと思っていますが日々ジリジリと下値を押し下げていっている状況ですので、この流れが落ち着き終値で若干の反発が起こったところで買いに入る予定です。

ただ最悪な状況も起こりえると考えられるので購入するのは200株に抑えておきます。

まとめ

私は楽天に投資する価値は充分あると考えています。

確かに先行きは不透明な部分もあるのですが勝算も充分あるでしょう。

それに、楽天の株価は1000円辺りまで下落しており安価に今なら仕込むことができるので最悪の展開を迎えてもダメージは少ないと思います。

私はタイミングを見て1000円を切った辺りで思い切って仕込んで長期保有しながら、のんびりと楽天の先行きを見物するつもりです。

これから楽天を取り巻く環境にはイベントが満載です。

慌てず淡々とチャンスを待っています。