仮想通貨の税金対策と仕組みを解説〜合法的な節税方法はあるのか?〜

仮想通貨が記録的な高騰を続けています。

この1年で200%を超えるリターンを叩き出しており、この数字を見ていると株や債券といった他の資産に投資するのがバカバカしく思えてくるほどです。

さて、絶好調の仮想通貨ですが全ての面で順風満帆というわけではありません。

他の仮想通貨の進出や仮想通貨内での分裂、はたまた突然の下落も噂されており「利益を確定したい!」と思っている方も多いのではないでしょうか?

ここで問題となるのは利益を確定した時の課税ですよね。

今回の記事では、仮想通貨の税金に関する仕組みをまとめ、可能となる節税方法を検討していきます。

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仮想通貨の課税の仕組み

仮想通貨の課税の仕組みは国税庁からガイドラインが出ておりこのルールで課税されます。

詳細な課税の仕組みはリンク先の国税庁の通達を見てください。

ザックリと仮想通貨の課税の仕組みをまとめると

①仮想通貨の利益となる額が確定するのはいつか?

・仮想通貨で日本円やドルなどの通貨を購入した時(利益を確定したとき)
⇒単純に日本円を基準にした値上がり益

・仮想通貨で買い物をした時
⇒買い物時に使用した仮想通貨を日本円価格に置き換えて換算

・仮想通貨で別の仮想通貨を購入した時
⇒仮想通貨で仮想通貨を購入した時点で一旦日本円に置き換えて換算

つまり、何らかの方法で仮想通貨を使った時点で日本円を基準として利益を得たかどうか判断されるということです。

②仮想通貨で得た利益は基本的に雑所得

普通の人が仮想通貨で利益を得たら基本的には雑所得というカテゴリーで所得と見なされます

雑所得は他の所得(例えば給料所得など)とまとめて合算される総合課税という課税方式になるので課される税金の素の金額が大きくなる傾向にあります。

また、雑所得は損失を被っても他の所得と差し引きすることができないので損失を補填する方法がありません。

株、債券、銀行利子などの一部の資産は利益のみに課税され、損失が出て確定申告をすることで他の所得から損失分を控除して節税することができる分離課税方式をとっているので税制面で仮想通貨よりも優遇されています。

③税務署が認める一部事業者に対しては事業所得となる

事業を営み支払いを仮想通貨で行う、仮想通貨で生計を立てていると税務署に認められれば事業所得とすることができます。

事業所得として認められた事業者は経費を計上したり個人事業主なら青色確定申告といった仕組みを利用することで仮想通貨の利益を圧縮する方法が使えると思います。

仮想通貨の利益に対する税金を節税する方法はあるのか?

仮想通貨の節税の方法は幾つかあります。

方法1.20万円以下分だけ毎年利益確定する

サラリーマンなどの確定申告を年末調整で会社で済ませている方は給料所得以外の収入が年間20万円以下の場合は申告する必要がありません。

これは、つまり年間20万円以下の収入に対しては非課税になるということです。

その制度を利用して毎年20万円以下分だけ利用確定することで節税することができます。

ただ、この方法は日本円として取り出すのに時間が掛かるので、ある程度大きな利益を早急に確定したい方には余り役に立たないと思います。

方法2.節税策を積み重ねる

これは仮想通貨の節税に限らずですが、総合課税制度では様々な節税制度があります。

ふるさと納税、イデコ(確定拠出年金)、生命保険控除、住宅控除など

これらを組み合わせることで相当な額の節税を行うことができます。

参考サイト:仮想通貨の節税対策。ビットコインの儲けはふるさと納税で節税が簡単

方法3.海外に転居する

最後にして最強の方法です。

そもそも日本の税金は日本に住む住人に課税されます。

日本に住む住人の定義は日本に居住するという曖昧な定義ではあるのですが、日本の住民票を抜いて海外に家族諸々転居して1年以上海外で暮らし日本市民として認められなくなってから仮想通貨の利益を確定させれば居住する現地国の税制で課税されので、日本よりも課税の緩いシンガポールなどに行けば仮想通貨の利益の殆どを換金することができます。

円や株、債券、金といった多くの資産は国外に持ち出すことが非常に難しいのですが、現段階で仮想通貨を保有して国外に出国することは想定されていないのか?法整備前なのか?分かりませんが国内外のネット上に仮想通貨保有向けに出国をサポートするというビジネスが存在していることから可能ではありそうです。

ただ、これをやると日本には当分の間戻ることはできないと思いますし、配偶者などが日本に留まると日本の住民とみなされることから家族諸々全員で出国する必要があります。

慣れない外国で暮らすことや新天地で暮らす生活費などの諸々のことを考えれば、仮想通貨で相当な利益が出ていなければ実現的では無いと思います。

私にはありもしませんが、仮に私に仮想通貨の利益が5000万円以上あったとしたら海外出国を検討します。

日本で仮想通貨の利益5000万円を確定させると半分以上は税金で持っていかれますが、現時点のシンガポールの税制なら0円です。

こうなってくると日本に見切りをつける覚悟を決めてしまいますね。

因みに、この現地国の規制をかい潜り国外に資産を持ち出すのはニュースでよく見るタックスヘイブン(シンガポールは課税額を低くすることで資産家を国内に集める政策をとっているタックスヘイブン地の1つです)を利用した節税方法です。

仮想通貨の利益を申告しなかったらどうなるのか?

仮想通貨は過去の取引履歴をブロックチェーンによって保存され続けているので当局がその気になれば絶対に追跡できます。

それがブロックチェーンの特徴であり、仮想通貨の価値の根幹となっています。

「調べれば分かるかもしれないけど調べられなければ大丈夫」と言えば確かにそうなのですが、マイナンバーや10万円以上の送金履歴が銀行に記録される現状を鑑みるとある程度の額の利益を隠し通すのは不可能に近いと思います。

タチの悪いことに税務署は申告が無くても延滞金を課すために数年は見逃して泳がせます。

多分バレないだろうという姿勢は後で大きなシッペ返しを喰らうことになる可能性が高いので、正直に申告することをオススメします。

まとめ

仮想通貨の記録的なリターンを見ると、仮想通貨に投資していた多くの人は利益を抱えながら選択を迫られていることでしょう。

個人で国に立ち向かうことは多くの場合後で大きな代償を支払うことになるので合法的な方法で節税を行うことが1番良い選択になると思います。

ここで書いた方法は私の調査と見解です。仮想通貨の税制はグレーゾーンが多く人によって見解は異なりますので、ここの情報だけを頼りに仮想通貨の税金を済ませるのは非常に危険です。

ある程度の利益規模になったら税務署や税理士に相談されることをオススメします。