LINEでのデートの誘い方ー「Why」から始めよ!ー
2018/06/01
ちょっと前にTwitterでも呟いたが、サイモン・シネックという人のTED動画にとても感銘を受けた。
金融日記で紹介されていたサイモン・シネックの動画をようやく見た。長かったけど、痺れた。「イチャイチャしたい、ヤりたい(What)、ホテルに行こう(How)」じゃなくて「君のことをもっと知りたい、もっと一緒にいたい(Why)」が女性をインスパイアする理由が分かった。
少々長いが、充分投資する価値のある18分間なので、是非見ていただきたい。残念ながら今すぐ動画を見られないビジネスパーソンのためにざっくりと内容を説明しておくと、これは「思考の順序」に関するプレゼンである。
成功を収める人物はある共通の思考順序を持ち、それをサイモン・シネック氏はゴールデンサイクル理論と名づけた。
まずは普通の人間の思考順序がこちら。
What(何をつくったか)→How(どのようにして)→Why(なぜ)
これがスティーブ・ジョブズやキング牧師、ライト兄弟などの成功者は逆から考える。Whyの部分、つまり「理由」や「信念」が最初にくるのだ。
Why(なぜ)→How(どのようにして)→What(何をつくったか)
例として、アップルがもし普通の会社だったら、このような売り込みをするとあげられている。
美しいデザインで簡単に使え、ユーザーフレンドリー(How)、
ひとついかがですか?」
ほとんどのマーケティングや売り込み、日常の会話までも、このようにWhatから始めることがほとんどであるとシネック氏は言う。
しかしそれでは誰もインスパイアされない。
実際のアップルはこうだ。
違う考え方に価値があると信じています(Why)。
私たちが世界を変える手段は、美しくデザインされ、簡単に使えて親しみやすい製品です(How)。
こうして素晴らしいコンピュータができあがりました(What)。」
Appleの有名な信念"Think Different "。製品の機能を売り込むのではなく、「宇宙に衝撃を与える」、「世界をより豊かにする」というミッションステートメントをAppleは何よりも優先して世間にアピールしてきた。そしてその信念はアーリーアダプター、引いてはアーリーマジョリティー層にまで刺さることとなり、iPhoneは世界中に普及した。
iPhone誕生の前後、日本のフィーチャーフォン、いわゆるガラケーは、Whatの応酬合戦だったことが分かる。
「おサイフ機能を搭載したケータイを開発しました!(What)大手決済サービスと提携しています。(How)」
「ケータイでテレビが楽しめます!(What)シャープのテレビ開発技術を結集しました。(How)」
そもそもWhatから始まるプロダクトの場合、ユーザーの心に突き刺さるようなWhyは明確に定められていない。必要なのは、「企業利益のため」「競合他社との差別化」など誰もが分かっている当たり前の理由ではなく、人々を感動させ、行動を起こさせるWhyなのだ。
世の中のだれにせよ どの組織にせよ
自分たちが何をしているかは わかっています
100%誰でも
どうやるかをわかっている人もいます
それは差別化する価値提案とか 固有プロセスとか
独自のセールスポイントと呼ばれるかもしれません
でも「なぜやっているのか」がわかっている人や組織は
非常に少ないのです
「利益」は「なぜ」の答えではありません
それは結果です いつでも結果です
思い返せば、IT製品でも音楽でも本でも絵画でも、いつだって僕を魅了してきたアーティストたちはWhyが明確だった。ギラギラした、輝かしいWhyを掲げていた。
信念という名のWhyが、人々をインスパイアさせるのだ。
さて、ここで終わってしまうと単なる動画の紹介記事になってしまう。
僕なりに、身近に使えて共有できる、具体的なWhyの使用例を考えてみた。
そう、題して、
「気になる女の子をアポりたい時に送るLINE」に取り入れるWhy(^o^)/
だ。
スティーブ・ジョブズやマーティン・ルーサー・キングやライト兄弟に比べると、多少次元が劣る気がしなくもないが、みんなで始めるWhy思考の入門編としては、悪くはないだろう。
photo credit: good question via photopin (license)
無視(ブロック)率が下がる!LINEでデートに誘うときの鉄板戦略
ナンパや合コンで知り合った女性と、その後デートに繋がるかどうかは、その時点での印象値で決まると以前の記事で僕は言及した。
出会い、トークし、連絡先を聞く。
この時点である程度女性を魅了できているかどうかが全てで、ここで一定のボーダーラインを下回ってしまうと、どんな気の利いた文面で食事に誘おうともスルーされてしまうのである。
そしてボーダーを上回っていたとしても、下手に長々としたメッセージを送ったり、クエスチョンマークの多用で無駄なラリーを繰り返すそうとすると、非モテ感が伝わってしまい、残念ながら不合格の烙印を押されてしまう。なので、誘いの文面は極めてシンプルに、ストレートに誘うのが得策であると伝えた。僕がいつもLINEでデートに誘う際に送るメッセージはこうだ。
関連記事|連絡先交換した女性にLINEを送るタイミングとデートの誘い方
以上の考えは今でも変わっていない。
連絡先ゲットまでの時点で、相手に「また会ってみたい」と思わせることができるか。その一点のみに全力で終始する。そしてこの至上の命題さえクリアすれば、LINEの文面など取るに足らない問題であり、あとは非モテの地雷だけ踏まないようシンプルなメッセージを送ればよいのだ。
この理論は正解である。
しかし僕は考えた。
この理論は疑うことなき真実だが、本当にそれがベストなのか。
改善の余地は何ひとつ無いのか。
確かに、相手の好感度ボーダーを大きく超えることができていれば、メッセージなどなんでもよいだろう。なんなら多少キモめのスタンプを連投したところでアポは入るのかもしれない。
しかし、ボーダーラインの、ギリギリ超えるか超えないところでウロウロしている場合はどうだ?
「また会ってみたい」ではなく、「また会ってみてもいいかな」「気が向けば会うかも」と考えている女性だ。
ボーダー値を若干下回る「気が向けば会うかも」の女性に対して、何かほんの少し会う口実を示してあげれば、アポが取れていたのかもしれない。逆に値を上回っていた「また会ってみてもいいかな」と考えていた女性に対して、シンプルすぎる文面、悪い言い方をすれば雑でチャラいイメージを与えかねないメッセージを送ることで、取れるはずだったアポを取りこぼしていたのかもしれない。
僕はなんだか大きな機会損失をしているような感覚に襲われ、ある時期から、誘いの文面にとあるひと言をつけ加えてみることを試みた。
するとどうだろう。あくまで感覚値ではあるが、デートの約束を確定できる確率が間違いなく上昇した。
改良を加えたメッセージがこれだ。
一定のレベルのプレイヤーなら周知のことだが、最初の出会いで自分のすべてをさらけ出す勢いで話し込んでしまうのはナンセンスである。「また会いたい」と思わせるには、相手が楽しいと感じているタイミングで颯爽と立ち去るのが鉄則だ。その結果、"あまりじっくり話せなかった"という一文をメッセージにつけ加えることができるのだ。
僕がサイモン・シネックの動画を見たのはごく最近のことだが、このつけ加えた一文こそ、ゴールデンサイクル理論のWhyにあたるのではないだろうか。
「食事に行こう」というメッセージだけでは、Whatの部分しか表明できていない。これでは僕たちが、日本企業の新作スマホのWhyを「企業利益のため」と想像するのと同様に、女性たちは僕のWhyを「会ってヤるため」と想像されてしまっても不思議ではないだろう。
しかし「じっくり話せなかったし」という一文からは、「もっと君と話をしてみたい」「楽しかった出会いの、続きの場を設けよう」というWhyを汲みとることができる。どちらの誘いが女性としては応じやすいか、このように考えると一目瞭然である。
同じ職場の女性を食事に誘うときに取り入れる「Why」
『伝え方が9割』などの書籍や、多くの心理学マニュアルが伝えるデートの誘いの手法で、こういったものがある。
また、選択の技術を併用したものがこれだ。
「美味しいパスタの店」は建前としても使えるし、性的ニュアンスをできるだけ隠してアプローチする手法だ。
これもある意味、一種のWhyと言えるだろう。
しかし、ナンパや合コンなど、比較的カジュアルな場で出会った場合、上記の誘い方は個人的にはおすすめしない。なぜなら、やはり料理で釣るような誘い方は、男らしくない非モテの空気感を放出してしまうからだ。
出会い時の会話中に「イタリアンが好き」などのキーワードを引き出しているのならともかく、なんの取っ掛かりもなしに最初から店で釣るような誘いのメッセージを送る手法は、少なくとも僕は避ける。
だが、上記の誘い方がまったく使い物にならないのかと言うと、実はそうでもない。
カジュアルな出会い以外の、たとえば職場や学校で気になる女性を誘う際には有効活用できるだろう。同一コミュニティ内の場合、あまりにストレートな誘い方をしてしまうと、失敗したときに己の立場が危機に晒される。そういったリスクをある程度抑え、なおかつ日常会話に近い感覚で誘えるので求められる勇気のハードルも低い。LINEに限らず、社内の廊下やエレベーターなどで、あたかもふと思いついたかのように声を掛けてみればいい。そう、ディカプリオのように。
関連記事|これでもう緊張しない。ディカプリオに学ぶ、女性をデートに誘う方法
番外編:トリケラスクリプトとの合わせ技
恋愛工学メルマガ『週刊金融日記』にて、読者のトリケラトプスさんが投稿したLINEテクで、トリケラスクリプトというものがある。
出会い系での使用がそもそもの目的で作られた、数ラリー分のスクリプトだ。特にスクリプトの一通目は、いかにも非モテ男子が送りそうな凡百なメッセージに比べると、よほど返信が望める、フックの効いたメッセージだ。
ここでの写真とは、もちろんLINEアイコンや、Pairsなど出会いアプリのプロフィール写真のことである。
さて、このトリケラスクリプト。最近では雑誌などでも取り上げられ、少々有名になりすぎた感がある。アンチ恋愛工学の女性にTwitterでLINEのキャプチャを晒されているケースを見かけることもしばしばあるぐらいだ。
なので、今となっては出会い系などでこのトリケラスクリプトを使用するには、手の内がバレているかもしれないという恐怖感が少々あるのも事実だ。
しかし、リアルの出会いは別である。
『ぼく愛』などの出版でかなり認知されたと思われる恋愛工学だが、それでもまだまだそれなりの情報リテラシーを持っていない限り、普通の女性が恋愛工学を深く知ることはないだろう。ましてや、仕事や女子会やコンパに大忙しの20代ゆるふわOLが、トリケラスクリプトが記載された週刊金融日記のバックナンバーを購入するとは到底思えない。
もちろんキャリアウーマン系のハイスペック女子など例外はあるだろうが、基本的に現段階ではトリケラスクリプトは存分に使える技術である。
ナンパや合コンなどで知り合った女性には、前述したWhyを掲げたメッセージに加え、トリケラスクリプトも取り入れたハイブリッド戦略も間違いなく効果的だ。
てか写真めっちゃ可愛すぎてムカつくわ!(笑)」
まとめ
そのうち消すかもしれないが、デート確定までの参考事例を貼っておく。
feat.トリケラスクリプト
しつこいようだが、最も重要なのは、出会った時のトークでどれだけ相手を魅了できているかである。印象値のボーダーを大きく下回っていた場合、上記のようなLINE戦略は何の意味も持たない。
いつだって前半戦(出会い時の会話)をリードした状態で終えたものだけが、後半戦(デート)のコートに立つ権利を与えられるのである。
関連記事|好印象=紳士じゃない!!「脈あり」を引き出す合コンでの会話術
しかし、前半戦が僅差だった場合、救い上げてくれる可能性があるのが今回紹介したLINE戦略だ。不用意な長文や端的すぎるメッセージを送るよりは、間違いなくアポ率は上がると自信を持って僕は言える。
そして最後にもう一つ。
LINEメッセージだけでなく、全ての行動においてWhyを意識することが成功の秘訣だ。冒頭のツイートでも言及しているとおり、女性をホテルや自宅に誘うのに「ヤりたい」なんて言うのはNGだ。「もっと一緒にいたい」という想いを、言葉なりキスで伝えよう。キスをする時も、「キスしていい?」なんて直接的に目的を伝えても相手はどうしていいか分からない。この場合は、言葉ではなく、肩を抱き寄せるなどの行動でWhyを表現する。
もちろん恋愛だけでなく、すべての対人関係、そしてビジネスにおいてもWhyを意識したい。
憧れのヒーロー達がそうであったように、たとえ資金がなくても、差別主義者に命を狙われようとも、深刻な病に侵されようとも、決してゆるぐことのない「Why」が僕たちには必要なのだ。