ER看護師の業務解説 新人から覚えておくべき基礎知識
どんな部署においても従事する際オリエンテーションを受けたり事前勉強をしたりする必要があります。また準備する必要があります。
ERに勤務する際も同じことが言えると思います。どんなことを事前勉強をすれば良いのでしょうか?オリエンテーションは施設ごとに違いますが理解できるまでじっくり受けて覚えなければその後の業務に差し支えが出てきます。
薬品や物品の場所、対応によって違うフロー、電子カルテの操作の方法、指示受けの方法、指示の確認の方法、指示の実施の方法など山ほどこれらはあると思います。
もしER勤務になったら
部署ごとのオリエンテーションを受けて理解することは大切だとお伝え致しました。その他にも大切なことがあります。
まず疾患ごとの特色や症状、治療方法、優先させる検査や治療の順番などを頭に叩き込んでおくことです。
ERは小児から高齢者、内科的疾患から外傷までと対象が幅広いです。
腹部外科の病棟なら腹部の疾患の特色や治療方法や観察を置く主眼点がわかっていれば特に問題はないと思います。ERでは一つのことに主眼を置くのではなく患者さんの様々なところまで目を行き届かせないといけません。胃がんの手術後などと診断はまだついていないのですから。
具体的に種類をあげてみましょう
内科的疾患
脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血、もやもや病、頸動脈閉塞・狭窄、めまい、鼻出血、耳痛、鼻耳異物、狭心症、心筋梗塞、肺炎、肺梗塞、心タンポナーデ、大動脈解離、肺動脈塞栓、吐血、下血、腹痛、血尿、尿閉、肝不全、腎不全、電解質異常、痙攣、急性薬物中毒、急性アルコール中毒、低血糖、広義においての意識障害、房室ブロック、頻脈、徐脈、心不全、発熱、呼吸苦、喘息などまだまだたくさんありますがERで主に取り扱う内科的疾患です。
外科的疾患
頭部外傷、四肢骨折、火傷、擦過傷、挫創、四肢脱臼、頸椎損傷、刺傷などこれらもまだまだあると思いますがERで主に取り扱う外科的疾患です。
覚えなくてはいけないことはまだまだあります。
心電図モニターなどの機器の取り扱い、気管内挿管の介助準備、人工呼吸器の取り扱い、動脈ライン確保の介助準備、CVラインの確保の準備介助、胃管挿入の介助準備、尿道カテーテルの挿入、点滴や注射、静脈注射、レントゲン撮影、CT撮影の介助、心電図、除細動器の取り扱い、介助など。診療の介助業務もたくさんあります。
取り扱う薬品などもありますので薬品の名前効能、副作用、禁忌、使用方法も叩き込んでおく必要があります。
トリアージについて
トリアージはご存知でしょうか?大規模災害などではスタート法やPAT法などを用いますがERでのトリアージの方法はJATASを用います。
これは救急車で訪れた患者さん、ウォークインで訪れた患者さん同じようにトリアージをして救急車で来たからといっても治療を最優先する、ウォークインで来院したから後回しになるということはありません。
救急車で来ても軽症なら治療は後回しになります。ウォークインでも重症なら治療は最優先になります。このトリアージの方法を熟知しておかなければなりません。トリアージがなかった頃は来た順番にまたは救急車優先で治療を開始されたものですが現在は限られた医療資原を有効に活用し救命するというものです。
オーバートリアージは容認されますがきおつけなければならないのはアンダートリアージです。診察の順番を待っている最中に心肺停止になっていたという事例も発生しています。
ER看護師として大切な事
医師に対する診療の介助、患者さんへの看護もとても大切です。もう一つ大切な事があります。それは家族対応です。
救急受診を家族が受けた救急車で家族が運ばれたとなれば患者さんの家族は慌てふためいてパニックになります。
これは通常の対応とは大きく異なります。状態がわかるまでは不安と焦りが大きいものです。まず医師からの説明がスムーズに受けれるように環境整備をしてあげましょう。
重症になれば重症なほど早めにセッティングを行います。できたら受け持ちの看護師か治療に携わった看護師が一緒に立ち会うのが望ましいです。何故なら後で家族の対応をした時やフォローがしやすいからです。
その後患者さんのへもとに連れて行ってあげましょう。ケースバイケースですがこの逆になるばあいがあったりベッドサイドで家族とともに症状説明をする場合があります。
医師が家族に対してフォローできなかったことを補足したり細かい手続きや再度フォローするのが看護師であり看護師が行うことが望ましいと思います。誰よりも患者さんや家族に寄り添っているのは私たち看護師ですからね
スピードも大切しかし雑ではダメ
目まぐるしくて忙しいER業務ですがその業務解説としてもう一つお伝えしたいのがスピードを求められます。早ければ早いほど良いのですがその流れの中で業務が雑になると間違いや事故が起きてしまいます。早く丁寧にが良いですね。
以上のことは私が学んできたり教えられてきたりしたものです。その他にもたくさんあると思いますが少しでもER業務に役立たせていただければ嬉しいです。