ネット証券の巨人、DMMが遂に株取引に参入!
FX業界では大手と言っていいぐらい名の知れたDMM。
ちなみに社名に特に意味はなく、デジタル・メディア・マートの頭文字をとったものだという説は俗説のようです。(ウィキペディアより)
アダルト系のサイトを検索しても必ず上位に登場するので、そっちのほうで知ってる方も多いかと思いますが、元々はレンタルビデオ店からスタートして、アダルトビデオの版権ビジネスで利益を伸ばしてきた会社で、金融ビジネスへの参入は2000年代後半からと比較的最近です。
他にもオンラインゲームや一口馬主、仮想通貨の取引・マイニングから太陽光発電まで、よく言えば広範囲・悪く言えば無節操な事業展開をしています。
と、かなりの大企業なのですが、株式は創業者一族が大半を握っており、上場をしていないのでどの事業でどのくらいの利益がでているのかは個別にチェック・推測するしかありません。
前置きが長くなりましたが、今回(2018年4月より)株取引業に参入するのは、DMMグループの中の株式会社DMM.COM証券です。
⇒DMM株
沿革などは、リンク先(ウィキペディア)をみていただくとして、群雄割拠のFX業界において、かなりの規模を占める会社だということは間違いありません。派手にCMも打ってますしね。
逆に、今まで株取引をやってなかったのが意外なぐらいです。
「DMM株」その実態、実力は?
DMM株(DMM社がこう表現していますので、それに準じて以後はこの表記で)の特徴は
- 手数料が格安
- 充実の取引ツール
- 取引にポイントがつく
を謳っています。
それぞれをみていきましょう。
1・手数料が格安
確かに安いです。
同業他社に比べ、だいたい2割ぐらい安いでしょうか。
でも、なぜか表には書かれていませんが、松井証券では10万円以下は無料、30万円までも条件次第で無料です。
都合の悪いことはバッサリ無視するあたり、若干のあざとさも感じたので、もしかすると入出金の手数料がお高いんじゃないか?と勘繰りまして調べてみたところ、株のほうは記載がなかったのですが、DMMのFXやCFDは入出金無料との事でしたので、株だけボったくるということもないでしょう。たぶん。
取引手数料に関しては相対的には確かに安いですが、10万円(30万円)以下の取引に関しては業界最安値ではありません。とはいえ、松井証券も10万円以上の約定代金からは他社より高くなってしまいますので、どれだけ少額で取引をするのかによって判断すればいいでしょう。
また、一日(一ヶ月)定額という制度もデイトレードをメインにする方にはおなじみですが、DMM株ではそちらに関しても記載がありませんでした。
10万円以下の株をコツコツ買い積んだり(トレード回数が少ない)場合や、頻繁に売買を繰り返す場合には、まだ有利な条件の業者がありそうですので、すぐに飛びつく必要はなさそうです。
しかし・・・
※DMM株ホームページより転載
こんなキャンペーンをやってますので、この制度を最大限に利用できるアクティブなデイ・トレーダならかなりの恩恵があるかもしれません。
2.充実の取引ツール
まだ、プレビューの段階で実働の取引画面が無かったのですが、とくに他社との大きな違いはなさそうでした。
ツールがどれだけ高機能でも、結局それを使う人の能力が一番大事なんですよね。
個人的に必要と思えるチャートや情報などは一般的なものを自分で加工して使いますので、企業の提供してくれるものはほとんどアテにしてません。
また色々な情報が見れるのもウリのようですが、自分が見れる情報は他人も見ていて、だいたい同じような分析をしています。
またアナリストや個人投資家といった、いわゆる”プロ”の分析を見れるのもウリのようですが、スポーツ新聞の競馬記者の予想と金融のプロの予想の精度は似たようなものです(笑)
参考にしても絶対に信用してはいけません。
3.取引にポイントがつく
※DMM株ホームページより転載
取引にポイントが使える(付く)といえば、ここもやってましたね。
クレジットカード型で、カードを利用した決済(買い物など)でもポイントがつくのですが、カードを作る手間や年間利用料(条件達成で無料にはなる)があり、すこし面倒です。
この点では、口座と作って取引するだけでポイントが貯まる点ではDMMのほうが利便性が高そうです。
しかし「取引手数料の1%をポイント還元」としていますが、その1%が端数になる場合はどうなるのでしょうか?
たとえば、取引額が5万円以下で手数料が50円の場合、その1%というと0.5円(50銭)ですし、取引額が50万円以下で手数料が180円の場合の1%は1.8円(1円80銭)です。
そうなると計算上、還元ポイントは0.5ポイントや1.8ポイントになるわけですが、これは端数として計上されるのか(めんどうだからおそらくしない)、スッキリ切り上げ扱いになるのか(たぶんならない)、バッサリ切り捨てられてしまうのか(たぶんなる)?
細かいことですが、毎週、払戻金の端数をJRAに搾取されている立場なので、どうしても気になってしまうんですよね(苦笑)
単勝払い戻し5%アップ、っつっといて、払い戻しの計算式で計算したら1.5倍以下は還元なしになることを知ったとき、JRAはやっぱりヤクザやと思いましたよ。
閑話失礼。
また単純に1P=100円と計算した場合、利用できるのは最低1000Pからと但し書きされているので、100×1000=10万円分の手数料が必要なわけで、10万円分の手数料を払うために必要な取引額は最も高い3000万円超の手数料800円の往復(3001万円以上の株を買ってそれ以上で売る)で1600円
100000÷1600=62.5
≒62~63往復必要になる計算になります。
3000万円超の取引を62,3回やって、やっと1000円(笑
総額18~19億の取引高になり、手数料に対しての還元率は1%ですが、取引額に対しての還元率は0.0000005~6%
サラリーマンの生涯年収は2~3億円だそうですが、口座を開くどのくらいの人がこの恩恵をうけられるのでしょうか?
その下となると、300万円以上3000万円以下のどーんと2700万円間が一律600円。
以下細かく減っていくので、手数料が安いこととポイント還元は完全に二律背反であるといえます。
まとめ 手数料の安さは魅力だが乗り換えるほどではないか?
総合的に現在の同業他社と明確な差別点はなく、現在取引している業者からわざわざ乗り換える必要はないでしょう。
現在DMMの口座を持っている場合は簡単な手続きで追加口座開設できる(はず)ですので、それならついでに開設しておくのは損にはならないと思います。
ポイントに関しては完全に無視していい点です。ポイントは手数料に対してのみ付与されるので、手数料が安いのとポイントは貯まりにくい道理ですし、4ヶ月間は手数料無料ですので、ポイントは1ポイントも貯まりません。
ただ、開業から4ヶ月は金額や取引回数に関わらず手数料無料と謳っていますので、もし本当なら(いざ開業したら、但し書きがアレコレあって、結局話と違うということもこの業界はよくありますので・・・)
4/3~8/3の間にど~んと儲ける自信があったり、一日10回も20回も取引をするような方は一獲千金のチャンスかもしれません。
最後に、ディスってばかりでしたが、べつにDMMが個人的に嫌いだとか恨みがあるとかいうことは微塵もなく、私はDMMのFX、バヌーシーの口座を持ってますし、様々な事業に進出し、多くの面で成功を収めている点では素晴らしい企業だと思っていることだけ付け加えておきます。
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