甘利前経済再生担当大臣がUR(都市再生機構)に対しての口利きに関与していた可能性が先月浮上しました。
そのために直接的な関与はなかったものの、秘書がURへ便宜を図った可能性が高く、監督責任を問われて大臣を辞職しました。甘利前大臣は安倍政権が進める“アベノミクス”にかかわる重要三閣僚の一人として第二次安倍政権発足から支えてきた一人であったので、政権運営に対する影響は多かれ少なかれあります。
また、安倍総理との仲も深く信頼も深かっただけに、後任の石原伸晃、現経済再生担当大臣に務まるのかなどで不安が出ています。ではそもそも経済再生担当大臣とは何をする役職なのでしょうか?
内閣府の企画立案を進めるリーダー
経済再生担当大臣と聞くと、省の大臣なのかと思うかもしれません。一概に間違いではないのですが、経済再生担当大臣は内閣特命担当大臣と呼ばれていて内閣府に属する大臣です。
その中でも上記の画像のとおり経済再生担当大臣は日本経済について積極的にかかわる仕事であり、経済財政諮問会議(けいざいざいせいしもんかいぎ)に管轄されます。経済財政諮問会議は日本の経済にかかわる重要な政策を議論する会議であり、ここで決まった枠を関係省庁に回すことになります。
内閣府HPによると内閣総理大臣のリーダーシップを発揮させ、有識者議員などの意見などを十分に発揮させるために置かれたものといいます。その為、アベノミクスにかかわる重要閣僚であり骨格を占めていた甘利前経済再生担当大臣の辞職は大きな影響となるのです。
それでも安倍内閣は後任の石原伸晃現大臣を、即日就かせるなどして、影響を最小に抑えました。安倍内閣は閣僚待機組が大勢いるのが風物詩となっていたために、民主党などと違い各々の持っている能力は安定しているのがせめてもの救いといえそうです。
アベノミクスへの影響
私自身は、アベノミクスに直接的影響は少ないと考えています。
それは麻生大臣という存在がアベノミクスに対して大きなものがあるからです。麻生大臣は現在、大臣を兼務していて、なおかつ経済、外交に精通しているかつ元総理だからです。
アベノミクスの大きなエンジンで精神的にも理論的にも大きな柱となっているのは事実ですし、歴代内閣の中でも元総理が大臣をすることは、あまりありません。
ただ投資家からの観点で見た場合、特に海外からアベノミクスを見た場合は少し様子が違うかもしれません。甘利元大臣は海外からはTPP交渉、アベノミクスの推進役として評価が高かったからです。その為アベノミクスに対して、海外の投資達が疑問視する可能性もあるからです。
今後の国会運営と支持率
ただし今後の国会運営によっては安倍政権に対する世論が変わってしまう可能性もあります。内閣支持率が30%台に突入すると、海外の投資家たちはいっせいに株式を手放すともいわれており経済面からの無視できない課題です。
今後は甘利元大臣のURあっせん疑惑に対して民主党や維新の党が国会で追及する構えを見せています。ただ、大阪維新の党からは冷ややかな声も聞かれていますし、甘利元大臣が辞任して以降の世論調査では内閣支持率が逆に増えているので、政権への不信感は最大限回避されてとみていいと思います。
その為、内閣支持率低下などが原因で株価が大きく下がることは当面ないとみてよいと思います。今後の課題は石原大臣がどこまで失言をせずに安定して内閣のメンバーとして、経済再生担当大臣を担っていけるのかという事ですし、石原大臣によって直接的にも間接的にも経済にかかわっていくので今後も注視することが必要です。
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