またビットコインが分裂(ハードフォーク)します。
今年2017年の夏に、ビットコインが分裂し、ビットコインキャッシュ(BCCorBCH)が生まれたときの騒動を記憶している方は多いと思いまが、それと同じように、明後日10月25日にもビットコインが再度分裂しビットコインゴールド(BCG)生まれようとしてます。
なにかと話題の多い仮想通貨ですが、いままでの金融社会では耳慣れない「ハードフォーク」という事件が起こるたびに、市場の話題を集め、相場を揺らす要因になっています。
しかも、市場の盟主たるビットコインがその震源地になっており、とりもなおさず、ビットコインをお手本に派生した、ほかの仮想通過でも起きる可能性がある事象でもありますから、その一挙手一投足には注目せざるを得ません。
幸い(?)分裂が起こる日が事前に分かっていることですし、その原因もある程度解明されていますので、来るべき金融イベントに参加する、しないに関わらず興味を持って見つめるために、今回ビットコインのハードフォークについて考察しようかと思います。
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そもそも仮想通貨の分裂(ハードフォーク)って何?
20XX年、日銀からこんな発表があったとしましょう。
「(日本)円が一ヶ月後に”円”と”ペリカ”になりますよ~、割合は現”100円”が、新円の90円と新ペリカの10円ね。銀行に預けてある”円”にペリカを付けるかどうかはそれぞれの銀行にお任せします。手元にある”現円”は”新円”としてしかつかえませんからね。あ、ペリカも円とは別なんで、いくらあっても、円とは交換しませんので、ご注意を」
だいたいこんな感じです。
更に「言い忘れてましたけど、ペリカに日銀は何の責任も持ちませんからヨロシク。なんか”兵頭地下帝国”ってトコでしか使えないみたいですよ」と。
例えば、の話なんで単位は気にしないでください。個人的趣味です。
前回のハードフォークとは同じ?違う?ビットコイン分裂の目的は?
このビットコインゴールドを主導しているのが誰かは今のところ不明ですが、どうも目的は「中国主導のマイニングをなくすこと」のようです。
ということは、香港あたりの業者か?とも思うのですが、個人的には確固たる証拠は見つけられませんでした。
仮想通貨とは発行主体を持たないというのが理念の中心であり、そのため不特定多数が取引の認証をすることが価値の保証になっており、それがマイニングと呼ばれる作業で、その作業を負担してくれたユーザーにお礼として新規発行分の通過を付与する・・・というシステムです。
しかし、現実は高性能マシンを多数使用している(できる)一部の団体が、マイニング作業のほとんどを握っており、もし彼らがヘソを曲げると、価値を維持できなくなるという状態です。
前回のハートフォークは、中国のマイニンググループが自家製の専用マイニングマシンを使えなくなるのを嫌がって、本家と袂を分かったのが原因のひとつですが、今回のハードフォークが実施されると、理論上ではビットコインゴールドは中国勢が使っている専用のマイニングマシンを使わなくても、個人のパソコンでもマイニングができるはずなのです。
ですから「中央集権に特定されない自由な取引」を謳う仮想通貨の理念に則った”らしい”通貨への回帰というのが、今回のハードフォークの特徴といえるかもしれません。
ビットコインゴールドの価値はどうなる?
BTCがBTCとBCCに分裂したとき、1BTC31~32万円ぐらいで取引されており、分裂後はBTC=26~7万円、BCC=3~4万円程度の値が付いたように記憶しております。
予想ですが、このときより価値は付かないかと思います。
現在1TBCは70万円近くまで上昇していますが、1/100(7000円)程度じゃないかと。
根拠は3つ。
1、今年以内にもう一度ハードフォークが予定されており、それを見極めないと確固たる行動を起こしにくい。
11月中旬に「ビットコイン2X」という通貨に再分裂する可能性があり、時期が近いためにビットコインゴールドには積極的に参加せず「保留」「静観」という態度を取るマイナー、ユーザーが多い可能性が高い。んじゃないかと。私もですが。
2、ビットコインゴールドは個人向け
前述しましたが、ビットコインゴールドは個人のパソコンでもマイニングが可能なことをウリにしています。「個人用でOKなら、専用なら更にいいんじゃないの?」と思われるでしょうが、いうなればビットコインゴールドは「地ビール」なのです。
大手企業の大量生産に特化している施設で、小ロットしか捌けない地ビールを作るのはいかにも効率が悪いし採算も合いません。少量しか捌けない商品、地ビールならそれなりの規模のブリュワリーに作らせたほうが生産性が良いので、大手ビールメーカーが最近流行のクラフトビールを造る場合、地方のブリュワリーを買収したり、資本参加したりするんですね。
酒飲まない人には、かえってわかりづらい例えだったかもしれませんが、とにかく専用マシンより、個人マシンでマイニングしたほうがトクな仕組みになっているということです。ですから、一度に多くのマイナーを集めるのが難しく、流通に時間がかかるであろうことから、価値も上昇しないであろう、と。
3、支持があつまりそうにない。
ビットコインゴールドはビットコインではなく「アルトコイン」の一種です。
何を当たり前のことを・・・というのは、仮想通貨にある程度精通した人の考えることで、私の周りでも、前回のハードフォーク時に「ビットコインが”円”なら、ビットコインキャッシュは”銭”みたいなものでしょ?」と聴いてくる人が99%でした。
また「アルトコイン」という”仮想通貨”があるとも思われているようで「ビットコインとアルトコインとほかにはどんなコインがあるの?」とも・・・
あまりに頻繁に聞かれるので、最後は食傷気味でしたが
・仮想通貨の種類は現状ではビットコインとアルトコインの二種類。
・アルトコインとはビットコイン以外の全ての仮想通貨の総称。
・ビットコインから”分裂”したものは”アルトコイン”になる。
と、説明するようにしてました。
ですから、ビットコインゴールドはアルトコインなのです。そして、アルトコインは多士済々、玉石混合のカオスな相場。
その中に放り込まれたビットコインゴールドがどうなるのか、全く不透明です。
機能的にはビットコインゴールドより上のアルトコインも多数あり、それらと比較されるのですから、どれだけのユーザーに支持されるかは市場競争の原理になるでしょう。
ビットコインキャッシュは中国マイナーが支持を明言していましたので、最初からある程度の価値が保たれましたが、ビットコインゴールドは中国マイナーの排除を標榜していますので、その支持が期待できないことは想像に難くありません。
頼りになりそうなのは、話題性とビットコインのハロー効果ですが・・・どうでしょうか。
まとめ
今回のハードフォークに対する各取引所の対応はマチマチです。
国内大手でも
ビットフライヤー・・・10/25の時点で保有していれば、11/1に配布。※条件アリ
コインチェック・・・日次は未定だが配布の予定。※条件アリ
Zaif・・・配布せず
配布を明言しているのは国内ではビットフライヤーのみ。これは国外でも少数派です。
コインチェックのように、日次は未定ながら、条件が整えば配布予定。という、日和見派が国内外の大多数を占め、Zaifと同じく、配布しない・無視というのがそれに続いています。
おおむね、前回より消極的なスタイルだと見ていいでしょう。
また、ビットコインゴールド自体が取引所で扱われない可能性もあるので、配布されても持ち腐れになる可能性もあります。
前回のハードフォークでビットコインを保有していて、ビットコインキャッシュを配布された人は、それなりの利益を得ることが出来たでしょうが「柳の下にドジョウはいつもいない」と言いますし、ビットコインゴールド欲しさに、性急にビットコイン買いに奔るのは自重したほうがいいでしょう。
なにせ、現在1BTC=67~70万円ですからねぇ・・・
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