2016年10月看護師日記 ~臨床でのショック!~

こんにちは。ER看護師のヨッシーです。

秋深まるなかみなさんいかがお過ごしでしょうか?ヨッシーは風邪をひいたりして不調の月でした。

ところで臨床でよく「ショック」という言葉を耳にしませんか?

「今日、お財布を家に忘れてきちゃった!ショック!」

これも一種のショックかもしれませんが臨床でいうところのショックとは少し違います。臨床でいうショックとはどういうことでしょうか?

ERでは「ショックバイタルの患者さんが運ばれてくるから点滴は太い針で二本keepしよう」とショックは重症を意味します。

 ショックの定義とは

患者さんの重篤な症状の一つとしてショックがあります。そのショックには様々な原因があります。

看護師としてその兆候を見逃さず見極めを覚えることは非常に重要です。

ショックの定義とは「生体に対する侵襲あるいは侵襲に対する生体反応の結果重要臓器の血流維持が破綻し細胞の代謝障害や臓器障害がおこってしまい生命の危機に対する症状」とされています。

一言でショックと言ってもその病態生理によって大きく大別することができます。

  •  心原性ショック(心筋性、不整脈、機会性)
  •  心外閉塞、拘束性ショック(緊張性気胸、心タンポナーデ、重症肺塞栓症、収縮性心膜炎)
  •  循環血液量減少性ショック(出血性ショック、体液喪失)
  •  血液分布異常性ショック(神経原性ショック、アナフラキシーショック、感染性ショック)

に分けることができます。

 ショックの診断基準

ショックを起こしてしまう原因としては様々な理由があります。

なので全てのショックに適応する診断基準はありませんが血圧の低下と臨床所見からおおよその鑑別が可能になります。

これらによると血圧の低下がショックの目安となることが多いです。基本的には収縮血圧すなわち最高血圧が90mmhg以下になった時または通常の血圧より30mmhg以下になった時とされています。

この血圧の低下によって見られる症状として頻脈、徐脈、CRTの延長、意識障害、顔面蒼白、無尿や乏尿などを呈してしまいます。

 臨床で絶対に見逃してはいけないショックの5徴候

絶対に見逃してはいけない5徴候です。

  1. 脈拍が微弱
  2. 発汗や冷や汗
  3. 意識障害
  4. 皮膚色や顔面蒼白
  5. 異常な呼吸

そのほかの症状としてはなんとなく元気や活気がない反応が鈍い脱力視線が合わないなどもあります。意識障害などでは認知症やせん妄の症状としてものがしてしまうことがあるので十分注意しましょう。

 もしショックと感じたらショックと判断したら

まず人を呼び集めましょう。そして救急カートの準備や症状に合わせた処置の準備をします。常日頃より緊急時の対応やBLSやACLSやICLSなどの知識や技術を確実なものにしておきましょう!これで今日からあなたもショックハンターです。

ITLSアクセスコースのインスタラクターをしてきました

先月の話ですが、9月のある日にITLSアクセスコースの開催がありました。

久々になじみのある場所でのコース開催があるということで今年の7月から受講生やインストラクターの募集がありましたのでインストラクターとして応募し受講生を担当することになりました。

このITLSとはアメリカ救急医学会認定のコースです。

コースにはいくつかありベーシックコース、アドバンスコース、ペディアトリックコースそしてアクセスコースです。アクセスコースの主な受講対象者は救急隊員、消防隊員、救助隊員、自衛隊員、警察官、後は少数ですが医師や看護師です。

参考:特殊な外傷コースと看護師【ITLS(インターナショナルトラウマライフサポート)講習】

このコースは車両事故に特化した救出救助のプロトコルを学ぶコースです。実際に車両事故現場を見立てて実際に廃車となった車を使います。

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写真は実際に使用した廃車たちです。

ガラスを割ったり金属を切り裂く電動のこぎりなど使用して実際に車両を機械などを使って開放しながら車両に取り残された要救助者を医学的に緊急度や重症度をトリアージしながら判断して救助するというプログラムです。

受講生はまず講義を受けます。その講義の後にテストがあり午後には実技に入ります。

私が担当した班は受講生救助隊員が2名救急隊員が2名インストラクターが私を含めて3名プレインストラクターが1名という編成でした。インストラクターも救助隊員や救急隊員が多く看護師は私1人でした。

挨拶も皆受講生は元気がよくインストラクターたちも負けてはいられません。元気よく楽しくそして安全を考えながら実技が始まりました。基本救出手技から応用救出手技そして仕上げはシナリオに沿って総仕上げをします。

ゴーグルやマスク、ケプラー性の手袋など個人防御の装備は欠かせません。怪我が一番怖いからです。

実際に廃車となった車を色々な道具や装備を使って開放し要救助者を救出します。最後のシナリオステーションでは受講生たちもインストラクターも熱が入ります。

近年救急救命士の処置拡大行為(心肺停止前の点滴や血糖測定、ブドウ糖の投与など)を含めながらのシナリオで若干ですが医学的なことまで入ってきました。

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このコースは日本全国で開かれています。ヨッシーが参加したコースの日はとても天気が良い1日と雨が降ってしまった2日目でしたがけが人など発生することなく無事終えました。

またコースはあちらこちらで開催されます。またたくさんの受講生と接して学んできたことを受講生たちに伝えたいと強く思っています。このITLSの関してのご質問などありましたらヨッシーまでおしらせくださいね。