2015年12月看護師日記 ~ヨッシーも涙した物語~

もうすぐ年末ですね。今年一年もあっという間でした。

元気にブログも順調に更新ができたのも皆さんのおかげです。ありがとうございます。

さて今月の月別看護日記ですが少しセンチメンタルなお話です。

昼下がりのERの日勤をしている時です。その日は秋晴れでとてもいい天気で晴れていました。ER内も救急車が少なく医師、看護師とものんびりとした雰囲気が流れていました。

そこに突然救急隊からのホットラインがER内に響き渡りました。

内容はこうです「33歳の女性で突然の激しい腰部痛で身動きができない方です。既往歴が子宮癌の全摘手術を受けられている方で△△がんセンターにかかりつけです。受け入れはいかがでしょうか?」と言ったものでした。

旦那さんの同乗ありでもちろん断る理由がなく15分ほどで救急車が到着しました。

救急隊のストレッチャーから初療室のベッドに患者さんが移され診察やバイタル測定が数人の医師や看護師で始まりました。バイタルサインは特に異常がなく顔をしかめるほどの強い腰痛を訴えていました。

本人の口からこんな言葉が聞かれました。

「今年の初めに子宮体癌で△△がんセンターで子宮の全摘手術を受けました。それが脊椎に転移していて痛みで歩けなくなり普段は車椅子で外出します。今日は麻薬の飲み薬を飲んで調子が良かったので外出をしたところ腰が痛くなり麻薬を追加して飲んでもおさまりませんでした。」

画像検査をするまでもなくがんの転移が腰椎にあることが容易に分かりました。

旦那さんからもお話を聞いたところ今日は調子が良かったので車椅子で外出をしようということに決まったそうです。

チーズケーキの美味しいお店が私の勤務する病院の近くにあるのがネットでわかり(私は全然知りませんでした)そのお店で飲食をしていたところ激しい腰痛が起こりどうにもならずお店の方が救急車を呼んでくれたそうです。

もちろん激しい運動や外傷はありませんでした。

腰椎のCTを行ったところやはり痛みのあるところに転移巣がありました。

しかし旦那さんも本人もご存知でした。住所も隣の県の方でした。

今の状態では自宅に帰るにしても痛みが激しくて身動きができず帰ったとしても痛みのコントロールが困難という判断で入院を医師から本人、旦那さんに伝えられました。

しかし本人も旦那さんも私たちの病院から自宅も遠く不便なためかかりつけの△△がんセンターに入院をするならそこにしたいという希望でした。早速救急医から△△がんセンターの病院に転搬送依頼の旨を電話でしようとしていました。

その間点滴で強い麻薬の痛み止めが始まりました。強い鎮静作用があり数分で痛みは無くなりましたが意識レベルが少し悪くなり血圧も下がってきてしまいました。副反応です。

△△がんセンターから主治医が勤務していて空きベッドがあるのですぐに受け入れは可能と快く引き受けてくださいました。

自家用車で行くことはもちろんできません。消防の救急車行くことに決まりました。強い鎮痛作用がある点滴をしていることその副反応で意識レベルが下がっていること血圧も下がっていること救急隊は麻薬点滴の管理は法律上できないため医師か看護師の同乗は必須状態でした。

結局私が隣県にある△△がんセンターまで付き添うことになりました。

がんセンターへ搬送

消防の救急車が到着し隊長や隊員に申し送りをして確認の電話を△△がんセンターまで入れてもらい出発をしました。その間救急車の中の心拍モニター血圧計とにらめっこして痛みの程度とバイタルサインを照らし合わせて麻薬点滴の量調整を頻繁に行いました。

血圧は60くらいまで下がってしまった時は焦りましたが、車内でショック体位(下肢を挙上して心臓に血流を集中させ血圧を上昇させる体位)を施したりしました。

なんとか目的地まで到着して担当医に直接私から申し送りをして引き継ぎ終了しました。

帰りは消防の救急車が病院まで送ってくれたのですが、私の父もがんで他界したことを帰りの救急車内で思い出し車窓の風景を見ながら自然に涙が流れてしまいました。

その方にはあとどのくらいの寿命があるかはわかりません。せめて穏やかに苦痛が少ない生活が送る事ができますようにと祈らずにはいられませんでした。

湿っぽいお話はこれでおしまいです。

紅葉の季節ですね。

秋が深まる中皆さんはどちらかにお出かけしましたか?

秋といえば昔から言われている読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋と言われていますね。紅葉も素敵な季節にもなってきました。観光地や有名なところまで行き本格的な紅葉を見に行きたいのですが休みが長く取れません。

でも近くで素敵な紅葉を見ることができました。イチョウの木がたくさんあり黄色に染まり木々にまだ残っていましたが落ち葉のじゅうたんを踏みしめながら散策をしてきました。

12月看護日記1

平日でもあり人は少なかったのですがみなさん紅葉を楽しんでいました。出店もあったのですが焼きいもの移動販売の車があり大きい焼きいもを買って食べながら散策しました(また体重が増えてしまいます!)

冬が近づいているせいか肌寒くホットコーヒーも購入し体を温めました。もう少し気温が高ければよかったのですが綺麗な紅葉が楽しめました。つい最近まで夏だったのになという感じだったのですが季節の移り変わりは早いものだなと実感してしまいました。

昔はこんな感情はなかったのですがヨッシーも成長して大人になったもんだと自我自賛している自分がいました。

12月看護日記2

綺麗なコントラストで風景が秋を演出しているでしょう!まだまだ紅葉が見られるスポットがあるのでみなさんもぜひお出かけくださいね。

今月のヨッシーからの一言。紅葉でも見にいこうよう(笑)。