蚊が媒介する病気 日本脳炎

ここ最近蚊が媒介する病気が流行っていますね。ブラジルではジカ熱、日本ではデング熱などが騒がれたという報道がたくさんありますね。記憶にまだ新しいと思います。

私が子供のころには蚊に刺されることなんていくらでもありました。しかし蚊が媒介する病気がこんなにもあるなんて心配ですし皆がとても神経質になってしまいます。

しかし感染リスクはすごく低いのですがかつては猛威を振るっていた日本脳炎。蚊が媒介する病気(コガタアカイエカ)の一つとして感染すると幼児や老人ではとても死亡率が高い病気なのです。

忘れがちですが記憶にとどめておかなければならない病気の一つとしてご紹介させていただきたいと思います。

日本脳炎とはどんな病気?

日本を含め東南アジアで広く見られる感染症です。日本でもかつては多く見られましたが予防接種の普及で患者数は激減しました。日本脳炎ウイルスは豚の体内で増殖します。その豚の血を吸った蚊が人を刺すことによって媒介し感染させてしまうのです。高温多湿で豚の飼育場が近くにあり水田や湿地帯、熱帯や亜熱帯地域では要注意です。

その蚊が人を刺した時に多くの人は症状が出現しないことがほとんどです。感染した方の100人から1000人に1人の割合で発症すると言われています。潜伏期間が6日から16日くらいと言われて高熱、嘔吐、吐き気、頭痛などの症状がみられます。

恐ろしいのはそのあとの症状なのです。筋肉の硬直、異常行動など死亡率も高く感染者数の半分は精神障害や運動障害などの障害が残ってしまいます。現在でも治療方法もなく対症療法(症状に合わせた対処法)がメインです。

一番の治療方法は?

もちろん蚊に刺されないことです。蚊のいそうなところにはいかないことや防虫スプレーをしたり肌のろしつの少ない服装をしたりなどです。すべての蚊が日本脳炎ウイルスを持っているわけではありません。必要以上に恐れることはないのですが注意は必要ですね。特に蚊の発生が多い水田地帯豚などを飼育している場所に行く時は注意してくださいね。

中国や韓国などでは夏から秋、インドの北部やネパールなどは日本でいう梅雨の時期6月から9月の秋口の雨期に多く蚊が多く発生します。その他の国々(熱帯地域)では年間を通して注意してください。蚊取り線香も有効ですよ。

日本脳炎のワクチンについて

日本脳炎の予防ワクチン接種も非常に重要です。1966年には最多の2000人の感染者が出てしまいましたが世界的には年間数万人にものぼります。ここ数年日本国内の感染者は10人以下ですがゼロではありません。特効薬のない現在は蚊に刺されないようにすることと防虫対策そして日本脳炎の予防ワクチンの接種しか防ぐ手立てはありません。

日本脳炎の予防接種は3歳から4歳の間に3回接種します。その次は小学校3年生で1回接種します。しかしこの予防接種の副反応の影響で政府や自治体が積極推奨を控えた時期がありました。平成7年から平成18年の間に生まれた子供達です。母子手帳や予防接種の記録をもう一度見直しされることをお勧めいたします。

日本脳炎予防接種 副反応は大丈夫なのか?

どんな予防接種にもアレルギーや副反応を起こしてしまう可能性はあります。注射したところが赤く腫れてしまう、熱が出てしまう、重篤なものはアナフィラキシーショックなどのショック症状、脳症、痙攣、急性散在性能脳髄膜炎などがあります。

必ずしも副反応が出るとは限りません。以前は副反応が多く見られてしまい多くの小さなお子さんを持つお父さんやお母さんが日本脳炎の予防接種を受けさせることを拒みました。

しかしより安全な乾燥細胞培養ワクチンというものが開発され副反応が全くなくなったということではありませんが接種の際は主治医とよく相談され納得の上でどうするか決めましょうね。