看護師はご遺族に臨終、危篤を伝えることはあるのか?その伝え方について

人間というものは生き物であると同時に生まれた瞬間から死に向かっていくと言われています。

そして形こそは違いますがいずれは老若男女いつか死は訪れてしまいます。病院などでも働いていると入院中になくなったり救急外来では瀕死の状態で運ばれてなくなったり既に心肺停止の方が救急車で運ばれてきたりします。

死亡診断、臨終を遺族に伝えるのは医師の仕事です

例えば入院中の方が亡くなりそうになります。前もってもう今夜か明日が命の峠ですよと医師から説明があった場合家族も覚悟ができるでしょう。しかしもう少しで退院だった、検査も治療も順調だったという場合の危篤などは家族もびっくりし納得がいかず不信感を抱いてしまいます。

いずれの場合も説明をしたり臨終を伝えるのはトラブルになるので看護師は避けた方が良いでしょう。

看護師は死亡診断をする資格はなく医師にしか死亡診断はできないからです。救急隊においても同様です。

電話連絡で「89歳の女性で3時間前までは生存を家族が確認していますが、入浴中に心肺停止状態です時間の経過はわかりませんが下顎硬直、体には死斑がでています。受け入れお願いします」というような場合でも、もうどんなことをしても蘇生は出来ないだろうし社会復帰はできない。なぜ病院に運んでくるのだろう?という疑問がありました。

ですが、救急隊も首が体からとれてしまっている、胴体が切断されている、脳脱(脳みそが頭蓋骨からはみ出てしまった場合)など誰が見てももう絶命していると判断ができない限り病院に運ばなければならないんです。

しかし自宅での心肺停止状態の場合は救急隊員でも死亡診断する資格はないので、救急車の中で蘇生処置をしながら病院に運びます。病院に到着したら家族が蘇生の希望がなければ心拍モニターで心拍の確認、瞳孔の確認、心音の確認を医師がします。そこで生命兆候がなければ家族を呼び寄せ死亡宣告をします。

このように看護師でも死亡診断、死亡宣告はできないので医師の範疇になります。

危篤時の家族への連絡の仕方は?

病院の中で入院患者さん危篤になってしまった場合は速やかに家族に連絡をする必要があります。

その際に注意をしなければならないことがあります。

非常に重要な個人情報になりますので、間違えて全く関係のない人のところへ連絡をしてはいけません。

これは実際にあった話で病棟急変があり病棟スタッフも慌てており全く関係ない家族に連絡してしまい大きな問題に発展した事例がありました。緊急を要する場合でも連絡するところを何回も確認し絶対に間違わないようにしましょう。

連絡をする順番も重要です。連絡する順番も確認しておきましょう。

あとは慌てず落ち着いて家族に説明します。家族も慌てたり焦っているので向かう途中に事故に遭わないように注意してくるようにと伝えます。あまりにも慌ててきてしまいスピード違反で警察に検挙されたり交通事故などにあうこともあるので注意は繰り返し促します。

あとは家族が来るのを待ちます。面会がすぐできるように配慮したりムンテラを落ち着いて聞けるように環境を整えるのも看護師の仕事です。ムンテラが終了したら患者さんのそばにお連れしてあげましょう。もちろん私語は厳禁です。側に家族が面会したときどんな状況だったのかムンテラをしたあとでも聞いてくることがあります。

そのときは差し支えない範囲で簡単に伝えてあげても良いと思います。

例えば「静かに眠るような感じでした」「とても穏やかなご様子でした」などです。最後に立ち会えなかった家族にとってはすごく救いの言葉になるでしょう。そんな慰めの言葉のスキルも身につけてこんなときに対処出来ればいいですね。