皮膚科は人間の皮膚の疾患全般を取り扱う診療科目です。
大人から子供、頭のてっぺんから足の裏まで診療範囲は全身にまで及び年齢層も幅が広いです。生まれたての赤ちゃんのオムツかぶれや乳児湿疹、アトピー皮膚炎、ニキビや蕁麻疹、水虫、脂漏性皮膚炎などのたくさんの疾患をここでも取り扱います。
また外来やクリニックなどの入院が特に必要のない疾患も多いということがあげられます。皮膚ガンや重症熱傷もありますがほとんどが入院の必要のないことがほとんどです。
受診できる医療機関も医院やクリニックが多くもちろん大きな病院の中にも皮膚科があります。私の知っている範囲では皮膚科単独での病棟はなく他の科と一緒の混合病棟であることが多いです。
皮膚科での看護師の業務内容
皮膚科では他の診療科目と違いほとんどの場合外来通院がメインになります。
外科病棟、循環器病棟などの病棟は入院患者さんの清拭をしたり排泄介助や食事介助などの日常生活の援助の仕事があります。
しかし皮膚科では外来通院がほとんどのため、日常生活援助がないため医師の診察の補助業務がほとんどです。
内容としては診療に必要な物品の準備やかたずけ、管理、診察がしやすいように体位を整えたり採血や点滴業務、検査の介助などもあります。その他として患者さんへの説明や指導も含まれます。
また皮膚科疾患の領域も疾患によってはあまり見られたくない部位や羞恥心の強い部位があります。
そんなところを診察されるのですから看護師は患者さんが診察を受けやすいような環境作りやプライバシーの配慮をしなければなりません。これはどの診療科目でも一緒ですよね。診察が患者さんの精神的な負担にならないようにしましょう。
次に患者さんへの説明ですが、皮膚科の場合は内服薬よりも外用薬（軟膏などの塗り薬）が多いです。
経験上では患者さんの自己判断で外用薬を自己中止してしまうことが多いのでそのようなことがないようにお薬の効果や効能、使用方法をしっかりと説明する必要があります。このような患者さんへの説明や指導は皮膚科看護師の重要な業務になります。
さらに皮膚科疾患は感染性のものが少なくありません。とびひや水虫、疥癬などの患者さんもいますので診察室や待合室などの衛生管理には注意しなくてはなりません。
皮膚科看護のメリット 夜勤が無い
通院歴が長い患者さんやかかりつけの患者さんが多くコミュニケーションがよくとれて個々の把握もしやすいですね。
外来やクリニックだけなので夜勤がありません。日勤しか勤務できない看護師さんには最適かもしれません。
患者さんも皆ADLも自立している方も多くいるので力仕事が必要な場面も少ないでしょう。診療時間も決まっているので病棟勤務と違い残業がほとんどありません。
そして皮膚科疾患は目に見えて良くなったり悪くなったり変わらなかったりと直にわかります。内科的な病気だと検査の結果やデーターなどでわかりますが今ひとつ実感がわきません。その点だと皮膚科はよくなれば自分の目で確認ができるのでとても嬉しいものです。悪くなれば落ち込みますが。
皮膚科で働くデメリット 収入が少ない
お金の話から説明すると夜勤や残業がないことから収入がそれほど望めないことです。
皮膚科の病棟で働きたくても病棟勤務の機会は皆無です。また医院やクリニック、外来などでは患者さんと接することができる時間というものが病棟勤務より少ないということです。腰を据えて看護がしたい看護師さんには物足りないかもしれません。
皮膚科看護もなくてはならない領域です。デメリットよりもメリットの方が多いような気がします。
進歩も早いですから勉強のやりがいもありますよ。患者さんも多いので皮膚科で働きたい看護師さんには是非頑張って欲しいと思います。
参考サイト：皮膚科クリニック看護師の生活