水中毒なんてあまり聞きなれない言葉だと思います。
水で中毒!?と感じている方も多いと思います。
でもこれはとても危険なことなんです。体の水分が足りなくなってしまう脱水も危険なんですが過剰な水分もいけないことなんです。
救急でも忘れた頃に見られる疾患です。
ではこの水中毒についてお伝えしたいと思います。
水中毒について
水は人間の生活には欠かせないものです。しかしこの水を過剰に摂取してしまうと水中毒を起こしてしまうのです。
現在水は飲用のほか利用されているものとしてデトックス効果として美容にも利用されています。
しかしたくさん飲めばいいというものではなく時として生命を脅かしてしまいます。
水を適切に摂取して適切な水分摂取をしましょう。
水を飲みすぎると体に良くないということがご理解いただけたと思います。
水を大量に摂取してしまうとまず人間の血液が薄まってしまいます。薄まることによって人間の生命を維持していく重要な成分の一つであるナトリウムの濃度(血液中)が低下してしまう低ナトリウム血症という病気になってしまいます。
低ナトリウム血症になってしまうと嘔吐、吐き気、頭痛、意識の混濁、重症化してしまうと脳浮腫を呈し死を招きます。
ではどのくらい過剰摂取するとこの水中毒に陥ってしまうのでしょうか?
個人差もあると思いますが3Lくらいと言われています。急に多量に取りすぎると手足がしびれる、むくみが見られたら要注意です。
ただし激しい運動の後や入浴後などには水分が体には必要です。こんな時は水中毒を過剰に恐れずにこまめな水分摂取しましょう。
水中毒になりやすい人とは?
精神疾患を患っている方はお薬の副作用で口渇感が強くなり水を大量に飲んでしまうことがあります。さらに妄想や幻覚などでも過剰摂取してしまうことがあります。
先ほどもお伝えいたしましたが美容のためにたくさん水を飲んで毒素を出すという考え方の美容方法も危険です。その他の疾患として糖尿病、甲状腺機能低下症、肝不全、心不全、腎不全、重症感染症などの方々も注意が必要です。
多飲症、尿崩症、多量の水分摂取、口渇、内服薬の副作用、急激な脱水症状による多量の水分摂取、水ダイエットも水中毒の原因とも言われています。
水中毒の症状
先ほども少し前述させていただきましたが水中毒の症状をお伝えさせていただきます。
頭痛や手足のしびれむくみ、妄想や幻覚、性格の変化、転倒や歩行困難、知能低下や記憶障害、歩行障害、けいれんや昏睡などです。そして重症化してしまえば死も不思議ではありません。さらに呼吸困難も起きてしまいます。
脳に対する影響ですが脳浮腫による脳萎縮が起きるとも言われています。脳萎縮が起きてしまうと記憶障害や知能低下がみられてしまいます。
水中毒の治療方法
まずは水を飲みすぎないようにするのが一番です。
もし水中毒になってしまったら入院して適切な水分を保ちながら厳しい水分制限を行うことで治療します。この場合は数日でよくなると言われています。
体の中にある余計な水分を排出させることもあります。尿道カテーテルを入れて強制的に体外に排出させることもあります。精神科の患者さんで水中毒になってしまった患者さんを見たことがあります。この場合は精神科医による薬物治療を行います。その他点鼻薬や電気けいれんショック療法や心理療法も行われます。
経口補液の勧め
炎天下の中での活動やスポーツなどで発汗した後は水分摂取をしないと脱水になってしまう可能性があります。この場合お水ではなくて経口補液が良いとされています。
発汗したりすると体の中の水分の中にナトリウムなどの生命を維持していくためのミネラルも喪失してしまうためです。経口補液にはそのようなナトリウムなどミネラルがバランス良く含まれているのでさらに体に吸収されやすいので脱水予防には最適と言われています。
しかし塩分が含まれているので食事の時にお茶代わりに飲むのは良くないとされているので気をつけてくださいね。
正しい水分摂取の方法で暑い夏を乗り切りましょう。