ここ最近デング熱などの感染症が日本国内で報告されています。
それと同じような感染症チクングニア熱に感染してしまったという報告も聞かれています。この耳慣れない病気チクングニア熱についてお話をさせていただきたいと思います。
チクングニア熱とは?
2011年に感染症法と検疫法という法律が改正されました。それによりチクングニア熱という病気が第4類感染症として指定されました。
この奇妙な名前の由来はアフリカのマコンデ語で「前かがみになって歩く」という意味があります。体の関節が痛くて前かがみになって歩いていることからこの名前がつきました。チクングニア熱は日本脳炎やデング熱などと同じように蚊が媒介して引き起こす感染症なのです。
チクングニア熱の正体
これもまた舌をかみそうな名前ですが、トガウィルス科アルファウィルス属のチクングニアウィルスが正体です。
チクングニア熱の症状など
潜伏期間はおおよそ3日から7日です。症状としては発熱が見られ関節痛が特徴的です。約8割に発疹が見られます。その他の症状として吐き気や嘔吐、出血傾向、筋肉痛、頭痛、リンパ節の腫脹が見られます。関節痛の場所として主に手首、足首、手の指、足の指、膝、肘、方関節の順に多く見られます。
チクングニア熱の歴史
この病気が初めて発見されたのは1953年タンザニアというところです。本来アフリカやアジアの一部で感染が認められていましたがコモロ諸島、インド洋諸国、インド、スリランカに流行の拡大が見られました。その中でインド洋諸国にあるレユニオン島では感染者数が26万4千人も発生してしまい237人もの尊い命が奪われました。
日本での発生例
2008年7月にインドに渡航した30歳の男性は7月26日に発熱と関節痛で現地の医療期間で治療を受けチクングニア熱と診断を受けました。帰国後も関節痛が続いたため大阪府内の医療期間を受診したらデング熱は否定されやはりインドの医療機関と同じ診断のチクングニア熱と診断されたのでした。
ちなみに2014年のチクングニア熱の発生人数は日本国内で診断された人数は16人、前の年の2013年は14人でした。これらはあくまでも発見された人数です。
感染経路
チクングニア熱はこのウィルスを保有する蚊にさされることから発症してしまいます。主な媒介蚊はネッタイシマカとヒトスジシマカです。ヤブカ属という部類になります。日本で主な媒介蚊となったのはヒトスジシマカです。
この蚊は沖縄から東北地方まで広く分布する蚊です。またチクングニア熱に感染し治癒すると生涯免疫が獲得されチクングニア熱にはかからないと言われています。
チクングニア熱の治療方法
現在においてチクングニア熱熱に対する特効薬や予防接種などはありません。対症療法(症状に合わせた治療方法)のみになります。例えば発熱で脱水が見られたなら水分の補給をしたり発熱や関節痛が強ければアセトアミノフェンの解熱鎮痛剤を使用して症状を和らげます。
その間は安静と十分な栄養補給をして症状が良くなるまで待つというのが治療方法です。
チクングニア熱にならないためにはどうすれば良いか?予防方法
先ほどもお伝えいたしましたがチクングニア熱に有効なワクチンや特効薬は残念ながらありません。媒介蚊に刺されないようにするのが一番の予防方法です。しかしどの蚊にチクングニア熱ウィルスを持っているのかわかりませんね。どんな蚊でも刺されないようにしましょう。
そして蚊がいそうな野山や海外の流行地にどうしても行かなければならない場合は長袖や長ズボンの着用、虫除け剤や蚊取り線香など殺虫剤も持参するほうがいいでしょう。蚊が発生しそうなヤブを除去したり水たまりをそのまま放置したらボウフラから蚊が発生してしまいます。そのような環境も除去しなければなりませんね。
暑い夏に蚊に刺されることはあると思いますが十分に注意して楽しい夏を過ごしましょう。
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