感染性胃腸炎の原因、症状、治療方法について

毎年毎年ですが冬になると嫌な感染症が小さな子供から大人まで流行してしまいますね。

その一つであるまた救急でもよく取り扱う胃腸風邪すなわち感染性胃腸炎についてお伝えさせていただきます。

感染性胃腸炎の原因

正式にはウィルス性胃腸炎と呼ばれます。名の通りにウィルスが原因です。細菌性のものもあります。主なものとしてノロウィルス、ロタウィルス、アデノウィルス、病原性大腸炎、サルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオなどが有名です。

感染性胃腸炎の症状とは何か

ご存知の方も多いと思います。激しい嘔吐、下痢、微熱や高熱、腹痛、血便が出る場合があります。

白っぽい米のとぎ汁のような水曜弁が出ます。これはウィルスの影響で便に色をつける胆汁がうまく分泌されずにこのような水様便が出てしまいます。

感染性胃腸炎の治療方法とは何か 対症療法がメイン

残念ながら特効薬は今の所ありません。対症療法がメインになってしまいます。

吐き気がひどい場合は吐き気止め、高熱で辛い場合は解熱剤、腹痛や下痢の対策としては整腸剤を用います。

よく下痢止めを使った方がいいのではないか?と言う声を聞きますが感染性のものを早く体外に排出した方が良いので下痢止めは使いません。体に悪いものを体の中に停滞させてしまうことになりますからね。

脱水予防として水分摂取が必須と成ります。食事も消化の良いものが摂取できるなら摂取した方がその中にも水分が含んでいるので同時に水分摂取ができます。

水分摂取時の注意としては冷たいものを飲んでしまうと胃腸を刺激してしまうので常温か人肌温のものが良いでしょう。

脱水傾向になると体の中の大切な成分であるミネラルが失われるので飲むものとしてできたらお茶や水よりもイオン飲料が最適です。高熱で意識の状態が悪い、激しい腹痛で身動きができない、嘔吐を繰り返して水分が全く摂取できない、血便が出る、排尿が長時間において見られないなどの症状は大人でも子供でも命に関わるのですぐに受診しましょう。

場合によっては119番して救急車で搬送してもらってもいいと思います。時と場合によっては命まで脅かすことがあるので早めの対処が大切です。これでおわかりのように感染性胃腸炎でメインになるのは脱水予防です。その一言に尽きてしまいます。

感染性胃腸炎で気をつけなければならないこと

感染性胃腸炎の感染の経路は飛沫感染です。看病する側も十分にきおつけなければなりません。感染している方の嘔吐した吐物や便にはウィルスが含まれています。

ゴーグル、マスクや手袋を必ず着用して終わったらうがいや手洗いは行うようにしましょう。

家ではできたら部屋は別々がいいと思います。ノロウィルスなどは感染力が非常に強力でカーペットなどに吐いてしまった吐物を完璧に取り除いたつもりでも感染してしまったという例もあるので油断は禁物です。

病院などでも入院している方が発症した場合看護師の手の消毒などの感染対策が不十分で病棟全体に蔓延してお年寄りが亡くなってしまったという事例が発生しています。ケアに当たる看護師も自分がうつされないためにもその他の患者さんにうつさないためにも感染防止には十分にきおつけましょう病棟閉鎖ということもあります。

感染性胃腸炎その他

ウィルス性は抗生剤は効果がありません(細菌には有効ですが)発熱があっても意識がしっかりあったり嘔吐や下痢があっても水分が少しずつ摂取できたり排尿が見られれば心配はないと言われています。

しかし高齢者や小さな子供などは脱水症状を起こしやすくそれによって腎不全などの臓器不全を招くことがあります。少しでもおかしいなと感じたり辛い症状が出てきたなら早めの受診や治療が必要だと思います。