専門職としての看護師の悩みや誇り

大学や専門学校で厳しい過程を乗り越えてさらに国家試験で合格を勝ち取りその喜びと苦労は計り知れず生涯の宝となっていると思います。しかしそれで終わりではありません、厳しい道のりはまだ始まったばかりといっても過言ではありません。

どんな職場でも人間関係、業務の難しさ、精神的なこと、現実と理想の違い等の壁に誰でも必ずぶつかるからです。私も例外ではありませんでした。今現在においてベテランと言われる看護師でもそんな時期はありました。

たいした使命感や人間関係のわずらわしさが嫌いな私がなぜ当初看護師を目指したのか、目指そうとしたのか未だによくわかりません。ただ誰かのために役に立ちたい誰かのためにという思いがあったのはよく覚えています。

患者さんの死を体験し、自己嫌悪になる

病院で働いていると患者さんの死にあたってしまうと「もっとできたことがあったのではないか?」と自己嫌悪になってしまうこともあります。また治療目的や回復を促進する上で患者さんにはたくさんの制限があります。食事制限、安静度の制限、水分の制限。でも聞き入れてもらえなかったり効果がなかったりするとそこでまた自分自身の無力感に襲われるなど「この仕事は自分には向いていないんじゃないか?」とさえ感じます。

そして大きな不安感に包まれます。

はたしてそのままで良いのでしょうか?

自分に与えられた使命を意識する

何かできるはずです。それは努力です。努力なしにどんな仕事もやっていけません。もし自分に足りないものがあったとしたら努力だと思います。苦手な業務があったら教科書や参考書、現代ではインターネットの普及で検索できことは容易になっています。

昔は研修期間が不十分だったりして、ドクターに聞いたり先輩看護師にしつこくわかるまで聞いたものです。プリセプター、プリセプティーの制度を取り入れている病院もたくさんあります。

参考:看護師の先輩、後輩との人間関係をうまくするためのコツ

人間関係や職場などの悩み事はそんな先輩に聞いても良いのかもしれません。新人のうちは相談することも仕事です。なぜなら業務を円滑に進め自分や患者さんのためにもなるからです。

看護は一人一人違った個々の人間を相手にする仕事です小さな子供から老人、家族背景、職業、経済状態などいろいろな対象です。その対象となるべき人間を受け入れ理解し信頼を得ることが理想といえるでしょうが難しいことです。大事なのは決してあきらめないことに尽きると思います。そしてあきらめたら決して前には進みませんので皆さんも決してあきらめないで乗り越えていってください。

そんなことを繰り返していくうちにいつの間にか力をつけていることに気が付きます。そんなとき看護師としての成長に気がつくと思います。重症な患者さんが救急車でくる、緊急手術がある、患者さんの容態が急変した、これから夜勤がある看護師の仕事は常に緊張感の連続で綺麗な仕事ばかりではありません。

なぜ辛い仕事でも続けられるのか?

ではなぜ辛いとか緊張感を強いられてまでもこの職業に従事していられるのか考えてみましょう。それは多分こんな答えだと思います。「社会のために貢献できているから」、「人とのつながりや触れ合いに充実感や、やりがいを感じるから」、「尊い人の命に関わる仕事だから」というのが理由でしょうか?

看護師にはいろいろな場面やいろいろな現場があります。病棟、訪問看護ステーション、老人保健施設、ER、企業や行政、治験、訪問入浴、救命救急センター、クリニック、医院、外来、離島看護、海外看護師として働く、看護学校の教員など自分にあった職場や部署に勤務し見つけることもこれから長い看護師人生を送る上では非常に大切かつ重要であり大切になってきます。

なぜ自分は看護師になったのかどんな看護師になろうとしていたのかを壁にぶつかった時思い出してみてください。必ず悩んでいても看護師としての誇りがあるはずですから。