レジオネラ肺炎の原因と予防方法について

レジオネラ肺炎は別名在郷軍人病と呼ばれています。歴史はそんなに古くありません。

1976年アメリカで退役軍人、予備役軍人(在郷軍人)の大会が開催中に謎の肺炎が集団発生してしまいました。その数225人です。死者もなんと発生し34人です。この時の患者の肺炎の原因菌を調べてレジオネラと名づけられました。

感染源はホテルの空調設備からの感染と推定されました。在郷軍人の事をレジオンということからレジオネラと呼ばれるようになりました。臨床でも肺炎の患者さんが入院したらこの肺炎の検査をすることが多いです。現在はこの細菌は40〜50種類の菌種があることがわかっています。

レジオネラ菌の居場所とは

レジオネラ菌は細菌による感染です。肺に親和性というものがあり肺炎の形で感染します。人から人への感染はありません。

感染力はとても弱く抵抗力が強い健常者に感染者は少ないです。幼児や高齢者、慢性肺疾患などの方々は感染しやすいと言われています。

そのレジオネラ菌はどこにいるのでしょうか?自然界のどこにでもいますが菌数も多くなく感染の危険は少ないです。

ところが循環式浴槽、加湿器、噴水、冷却水塔、循環式給湯器などで水を取り替えなかったり消毒をしてないところで大量に増殖してしまいます。

潜伏期間、症状について

このレジオネラ菌に汚染されてしまった水滴(直径が5ミクロンくらい)を吸い込むことにより感染します。

感染力は弱いので抵抗力の弱い方だけに感染する日和見感染という位置付けです。人から人への感染はありません。潜伏期間はだいたい2日から10日前後です。種類として肺炎型と非肺炎型に分かれます。検尿で調べられます

肺炎型の症状は頭痛、筋肉痛、倦怠感で始まり下痢、高熱呼吸困難、意識障害が見られてしまいます。最悪の重症例では死亡してしまうこともあり死亡率も高いです。風邪特有の鼻水や咳などの症状はありません。神経症状も特有です。どんな症状かというと小脳失調、幻覚、振戦、健忘などです。

非肺炎型は悪寒、筋肉痛、発熱などが見られます。しかし比較的軽症で風邪のような症状で終わってしまうことがあります。

レジオネラ菌の合併症

これはレジオネラ最近から発生する毒素によって起きてしまいます。場合によっては致命的になってしまいます。は種生性管内凝固障害(DIC)、貧血、血小板減少、肝障害、白血球減少などです。

レジオネラ菌の治療方法

薬物療法が中心です。抗生剤の投与です。的確な抗生剤の投与が一週間ない場合確実に死を迎えてしまうと言われています。

温泉とレジオネラ菌

掛け流しの温泉に、湧き出してきたばかりの温泉、天然温泉にはレジオネラ菌は存在しません。

かつて温泉水にはレジオネラ菌が繁殖すると言われていましたがそれは間違いだったのです。

人口温泉水に繁殖するのです。循環式の温泉にはレジオネラ菌に感染する危険があります。すべてというわけではありません。最近ではよく塩素でよく消毒がされているところが多いです。

レジオネラ肺炎が発生してしまった背景

大浴場嗜好、循環式温泉の急増、打たせ湯、気泡浴の開発、経営優先、保健衛生無視などがレジオネラ肺炎を発生させてしまう原因となっていました。

レジオネラ肺炎の予防

温泉や大浴場はとても気持ちいいですよね。私も大好きです。でもいきたいということであれば問い合わせをしてみるのがいいでしょう。循環式か掛け流し式かをです。有名な温泉街なら心配はないかもしれません。心配なら行かないことが一番ですが全てがレジオネラで危険がすんでいるというわけではありません。

きちんと衛生管理しているところもたくさんあります。過去にレジオネラ肺炎の患者さんが発生してしまった温泉は循環式を採用していました。残念ながら亡くなった方もいました。営業停止になったり業務上過失致死という罪名で送検されたところもあります。

家のお風呂でのんびりと入るのもいいかもしれません。