マダニに刺されてしまったら?【SFTS感染の症状と対策について】

昨年でしょうかSFTSという聞きなれない言葉が世間を騒がせましたね。これはマダニから感染する病気です。今回はこのSFTSについての対策についてお話しさせていただきます。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群、以後SFTSとします)とは何か?

その病気は2011年中国の研究者に発見されました。なんとダニが媒介する感染症です。

日本語にすると重症熱性血小板減少症候群と言う意味です。2013年に初めて海外渡航歴のない方がこの病気にかかっていることがわかりました。

SFTSの潜伏期間

おおむね6日間から14日間と言われています。

SFTSの症状

発熱、腹痛、吐き気、嘔吐、食欲低下、下痢などの症状が多く見受けられます。その他の症状として意識障害、失語、頭痛、や皮下出血、下血、リンパ節腫脹、血液所見ではAST、ALT、LDHなどの酵素系の数値の上昇の他に血小板減少、白血球減少、血清フェリチン上昇、骨髄貪食現象が見られます。

SFTSの致死率

6から30パーセントくらいと言われています。

感染経路

マダニに噛まれる事で感染しますが、すべてのマダニがウィルスを持っているわけではありません。

SFTSの治療方法

残念ながら特効薬や予防ワクチンは現在ありません。対症療法が主な治療方法になります。

マダニに噛まれないための対策

野山に多く生息していますのでマダニが生息していそうな野山には立ち入らないことが一番ですが日常生活においてそれが難しい方もいらっしゃると思います。対策としてまず真夏でも野山に入る場合は肌の露出をなくします。長袖や長ズボンを着用する、ズボンの裾は長くつの中に入れるまたはハイソックスの中に入れる、明るい色の衣服を着用する、生地がなめらかで細かいものなどの対策をして衣服の中への侵入を防ぐことです。

そして帰宅後は必ず体に刺されたあとはないか?吸血中のダニはいないか?服にマダニが付着していないかよく調べましょう。もし吸血中だったら血をたくさん吸ってしまっているのでスイカの種のように体が膨れ上がっています。刺される場所は首筋や頭です。太ももや脇の下も好発的に噛まれやすい場所です。頭にもいないかよく調べましょう。

体に付着中し吸血中だった時の対処方法

無理やりに引き抜こうとするとマダニの体に一部でも皮膚に食い込んで残存してしまうとSFTSに感染してしまうことになってしまいます。そうならないためには冷静に対処しましょう。お風呂に入ったくらいでは死滅しないと言われています。ご家庭で簡単にできる方法としてワセリンやハンドクリームを塗りマダニを窒息させます。そうすると30分くらいでティッシユなどで剥がれ落ちるそうです。慎重にはがせた後は個人的には病院の受診をお勧めいたします。

その他と対処方法としてアルコール綿で包むのも効果的だそうです。熱湯をかける、タバコの火を近づけるなどは大やけどをするので絶対にやめましょうね。病院がやっている時間だったら皮膚科でとってもらう。血を吸い終わるまで待つ方法もありますがこれではSFTSに感染するリスクが高くなります。

マダニに噛まれない、血を吸われないことが最大の予防方法ですがもし吸着後24時間以内にマダニを引き抜けばSFTSに感染する確率は低くなるそうです。そして先ほども記しましたが未だにに噛まれたとしても必ずSFTSに感染するとは限らないので冷静対処、処置をしましょう。

その他

2014年12月現在ではSFTSの患者数は107人という統計がでています。男女比の比率はほぼ一緒ですが女性の方が若干ですが罹患率が高いです。西アフリカではエボラ出血熱の猛威は現在も残念ながら続いています。そしてたくさんの命を奪っています。また日本においては蚊が媒介することで発症するデング熱が東京都の代々木公園周辺で発生しましたがなぜ発生したかは未だに謎のままです。(参考:デング熱の症状と原因、潜伏期間について

未知の感染症はまだまだたくさんあります。既存の感染症もたくさんありますが対策を施していても持病がある方や抵抗力の少ない乳幼児や高齢者の命を簡単に奪ってしまいます。人類はそんな感染症とまだまだ戦わなくてはいけませんね。