デング熱の症状と原因、潜伏期間について

西アフリカではいまだにエボラ出血熱の脅威がおさまっていません。未知の感染症に人類は恐怖におののいてしまっています。日本でも昨年の夏に代々木公園でデング熱患者が発生してしまいましたね。今回はそんなデング熱についてお伝えしたいと思います。

デング熱の原因

デング熱はデングウイルスに感染した蚊によって刺されてしまうことによって起こる感染症です。(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)人から人への感染はありません。主に熱帯や亜熱帯の地域で多く見られる感染症です。全世界で年間約一億人の方が発症していると言われています。乳幼児や高齢者など体の抵抗力なない方々が感染してしまうと命を落とす場合があります。

デング熱の潜伏期間

概ね二日から十五日と言われていますが多くは三日から七日です。

デング熱の症状

突然の発熱から始まります。それから目の痛みや顔面紅潮、充血そのあとに筋肉や関節の痛み全身倦怠感そして全身の発疹ということがおこってしまいます。一週間程度で症状は良くなっていきますがごく稀に出血傾向の症状が呈してしまい重症化することがあります。

デング熱の治療方法とは

現在デング熱に対する有効な治療薬や特効薬は残念ながらありません。対症療法がメインになり点滴や解熱剤の投与の治療になります。この治療方法でほとんどの方は後遺症なく回復しています。またデング熱に対する予防ワクチンもありません。

デング熱の予防方法

予防のワクチンや特効薬、治療薬が現在ないことからデング熱ウイルスを持った蚊に刺されないことです。デング熱ウイルスを媒介するヒトスジシマカやネッタイシマカは日中に活動し木陰やヤブで人を刺します。ヒトスジシマカやネッタイシマカがいそうなところに近づかないことです。そして肌の露出をなくし虫除けスプレーを使ったり蚊取り線香などは効果的です。水たまりがあるとボウフラが湧いたりするので作らないようにしましょう。

デング熱に対する免疫とは?

デングウイルスは四つの血清型があります。(1型、2型、3型、4型)1型にかかれば終生免疫はできると言われていますが他の型では数ヶ月で免疫がなくなると言われています。

なぜデング熱が昨年日本で発生してしまったのか?

日本国内での感染は実に六十年ぶりだったそうです。多くは謎に包まれたままです。推測ですがデング熱ウイルスを持った蚊が飛行機や船のコンテナに紛れ込んで日本に持ち込まれたと言われています。

代々木公園で蚊の刺されてしまった方がデング熱になってしまいましたが代々木公園から離れた地域でもデング熱にかかってしまった方がいます。これも推測ですがその時に東京地方に風が吹いていました。蚊の専門家のお話だと蚊は風に乗れば二kmくらいは飛んでいくことができるそうです。この説が有力ですがこれも残念ながらはっきりとはしていません。

もしデング熱が発生している地域で蚊に刺された場合

もしかしたらデング熱ウイルスに感染してしまった可能性はあります。しかし全ての蚊がデング熱ウイルスを持っているとは限りません。蚊に刺された日から二週間は健康状態に十分注意し突然の発熱や筋肉痛などデング熱を疑う症状が出現した場合は速やかに医療機関の受診をしましょう。落ち着いて行動することも大切です。

蚊の駆除に使われた薬剤について

レビなどで代々木公園に都の職員が薬剤を噴霧しているところをご覧になった方も多いと思います。それはエトフェンプロックス水性乳剤と聞いています。市販されている殺虫剤の主流であるピレスロイド系の一種です。即効性で安全性は高く魚に対する毒性も低く水系への使用が多くなっているそうです。

今年の夏はこの嫌なデング熱の発生がなければいいですね。