エボラ出血熱の症状と対策について

今年西アフリカでエボラ出血熱が大流行してしまいました。残念ながら終息の兆しはまだ感じられず尊い命がたくさん失われてしまいました。各国も支援に力が入り世界大流行を食い止めようと必死です。

エボラ出血熱の発生

最初にウィルスが発見されたのは1976年6月に現在の南スーダンのヌザラという街で倉庫番をしていた男性が急に高熱と激しい頭痛、腹痛を呈し内臓から出血をおこし鼻からも出血しその後死亡してしまいました。最初に感染してしまった男性の出身地がエボラ川の近くなのでそのような病気の命名がされました。

なぜエボラ出血熱は危険なのか

まず感染の高さが指摘されています。感染したらほぼ間違いなく死に至ってしまい有効な治療方法がないからです。エボラ出血熱のウィルスは人間の体内にあるタンパク質を分解することで最強の毒性を発揮してしまいそれが免疫系を操作してしまい血管を攻撃破壊し肝臓をはじめとする内臓を出血させてしまい死に至るというプロセスです。

エボラ出血熱の原因とは

自然宿主の動物が原因とされていますがはっきりとは特定はされていません。カニクイ猿や豚からウィルスが発見されています。またコウモリや他の種類の猿からもエボラ出血熱のウィルスが発見されて猿の燻製を食することからという説もあります。またコウモリを食することからだとも考えられています。

エボラ出血熱の感染経路

ウィルスに感染した人の体液(血液、唾液、汗、精液、粘液、涙、)や排泄物や吐物に触れてしまった時に感染してしまいます。アフリカでは死者を弔う時に近親者や親しかった友人などは死者の体に触れ合う習慣があるため特に感染が多いのではないかと指摘もされています。空気感染の説や蚊を媒介しての感染説もありますがはっきりとはしていません。

エボラ出血熱の予防方法

感染者との接触を断絶することですが、医療従事者や関係者はそんなことは言ってはいられませんね。完全装備が必要です。日本ではまだ感染者の報告はありませんが、もしそんな方との接触がやむおえない場合はマスク、ゴーグル、感染防止着手袋など肌が絶対に肌が出ないようにしなければなりません。またウィルスは湿った地中でも生き延びるため地面に触れてしまった場合は消毒が必要です。

エボラ出血熱に対する消毒

消毒液にはアルコール、グルタラール、次亜塩素酸ナトリウム、ジクロルイイソシアヌール酸ナトリウム顆粒が使われています。煮沸消毒では60℃以上で5分間の加熱が必要になります。ガンマ線や紫外線の照射も消毒は可能と言われていますが完全にエボラウィルスを不活性化できないとされていますので注意が必要です。

エボラ出血熱の検査方法

血液検査で検査は可能です。あとは体温測定で急な高熱は要注意です。

エボラ出血熱の症状と治療方法とは何か 潜伏期間について

潜伏期間は普通なら1週間程度ですが最短では2日最長で3週間と言われています。潜伏期間中には感染はしません。

感染後の症状はインフルエンザや普通の風邪の症状と似ています。高熱、筋肉痛、悪寒、頭痛、食欲不振、嘔吐、下痢、腹痛などの症状ですが進行すると体のあらゆる粘膜から出血が始まります。口の中、鼻、皮膚、内臓、結膜、吐血や下血もみられます。死亡率は50から90%にも登ってしまいます。治療方法ですが特効薬は今の所ありませんがアメリカなどで未承認薬のワクチンを使用したら回復したというニュースをご覧になったと思いますが研究段階で公の使用には至っていません。

高熱や下痢、嘔吐を起こすと脱水になるので点滴などでの脱水の補正出血には輸血をしたり抗凝固剤の使用などをします。
このように症状に合わせた対症療法がメインになってしまいます。遠く離れた異国の地ですが早くなんとかなるように祈らずにはいられません。