インフルエンザの予防接種を受けたのにかかってしまった【予防接種は本当に効果があるの?】

毎年、冬になると嫌な感染症が猛威を振るいます。風邪、胃腸炎、インフルエンザなどが代表的でしょうか?今回はインフルエンザについてのお話です。

インフルエンザにかかる原因

もうすでにご存知の方も多いと思いますがインフルエンザはインフルエンザウィルスによってひきおこされます。これはウィルス性の呼吸器感染症です。

インフルエンザの潜伏期間と症状

潜伏期間がおおよそ三日くらいですがその時間が過ぎるととてもつらい悪寒、高熱、筋肉痛、鼻水、咳、咽頭痛がおきてしまいます。初期は風邪と症状と似ているので鑑別が難しいですね。人によっては消化器症状の吐き気や嘔吐、下痢までもが出てしまいます。さらに頭痛や関節痛もあって場合には歩行が困難になってしまう場合があります。

小児の場合は重症化しやすく注意が必要です。高熱による熱性けいれんや肺炎、細菌性の中耳炎の合併がしやすいと言われています。

検査と診断

咽頭ぬぐい液や鼻水を綿棒などで採取しインフルエンザ抗原検査キットで短時間、おおよそ十五分くらいで結果が出ます。
しかし高熱が出たばかりだとインフルエンザに感染していても陰性すなわち風邪ではないかと診断され抗ウィルス薬は処方されず風邪薬の処方で終わってしまいます。

インフルエンザにかかってしまったら? インフルエンザのホームケアについて

インフルエンザと診断されたらどのように自宅で過ごしたらよいか?以外に知らない方が多いです。食欲があるなら摂取した方が良いですね。栄養をつけて抵抗力をつけます。食欲がわかなかったら果物やアイスクリーム、ゼリーなどでも構わないと思います。経口摂取が難しい場合は水分だけでも摂取し脱水を予防しなければなりません。水分は体の吸収率が良いイオン飲料やスポーツドリンクが最適です。

そして排尿が八時間くらいないと脱水が考えられるので排尿の有無もチェックしましょう。小児の場合は泣いているのに涙が出ない、口の中がかさかさに乾いている、同じように排尿が長時間見られない、水分を飲む元気がない、刺激に反応せず意識の状態が悪いなどは緊急受診の必要性があります。成人の場合も同様です。

インフルエンザの治療

安静や栄養補給です。内服薬も咳止めや鼻水を抑えるお薬、解熱鎮痛剤、抗ウィルス薬のなどです。現在はお薬も吸入薬や点滴で治療できるものまで開発されました。余談ですが私が子供の頃は母親が作ってくれたおかゆや果物をたべて大人しく寝ているしかありませんでした。そんなことと比べたらずいぶん変わったなと思います。

インフルエンザの予防

インフルエンザが流行している時期は不必要な外出や人ごみの中に出ないことです。しかし日常生活においては仕事や学校その他、外出しないことは不可能です。そこでインフルエンザの予防に効果が期待できる予防接種があります。鶏の卵を使ったワクチンなので卵アレルギーがある方はうてないかもしれません。

インフルエンザが流行する十一月頃の接種が望ましいと言われています。効果が現れるのが約二週間後くらいからで効果が五ヶ月くらい持続すると言われています。

参考:インフルエンザの予防と看護

インフルエンザの予防接種は本当に効果があるのか?

「インフルエンザの予防接種を受けたのにインフルエンザにかかってしまった」ということをたまに耳にすることがあります。
なぜでしょうか?

実は感染を完璧に防ぐことはできないのです。しかし決して無駄ではありません。

予防接種を受けることによってウィルスを排除する抗体を作り同じウィルスが体に侵入してきたときに撃退するというものです。

ところが麻疹や風疹などのように一回罹患したり予防接種を受ければほぼ完全に予防はできますがインフルエンザは乳幼児や高齢者は抗体ができにくくインフルエンザウィルスは毎年顔つきが変わったり変化するので成人でも予防接種を受けていても発症したりしてしまいます。

インフルエンザウィルス株の内容を毎年世界保健機構が決めた推奨株の情報をもとに日本国内の専門家がその年の流行株を予測してワクチンを作ります。流行株とワクチン株に大きな違いがなければ発症や重症化を防ぐことができます。流行株とワクチン株に大きな違いがあればワクチンを接種してもインフルエンザになってしまうということがおきてしまいます。

インフルエンザにも副反応があるのと年齢、基礎疾患で治療中ということもあると思いますので主治医とよく相談の上インフルエンザの予防接種を受けてくださいね。