とても悲しい事件です。
だいぶ暖かくなってきました。でもまだ風邪が流行っていますね。
みなさんが働いている医療機関や職場では多少なりとも残業はあると思います。
中には全然ないよというところもあると思います。
私が勤務するERでも緊急内視鏡や緊急心臓カテーテルがあったりすると残業は発生してしまいます。
残業したぶんはしっかり働いているのでその手当はいただけます。
多少のサービス残業もありますが大した時間ではありません。
しかし残業時間が膨大になってしまった場合はいかがでしょうか?
例えば1ヶ月の残業が100時間近くあったとしたら!?
看護師の仕事というのは当然責任が重い仕事です。お金うんぬんで片付けられないことだってあります。
夜勤や日勤や休みなどの勤務を計算すると睡眠時間が2時間〜3時間という日もあるかもしれません。目がさめるとまた勤務。
私だったらストレスがたまりますし当然激務なのでそれでは心も体もおかしくなってしまいます。
看護師の自殺事件に思うこと
前置きが長くなりました。
2012年札幌市で当時23歳の若い女性看護師の自殺がありました。
今のこの時期に浮き彫りにされたかというとその方の母親が労災認定を申請したが認められず裁判となり初弁論が行われたことがニュースとなりました。
まずこの大切な仲間であったまた将来のあるこの看護師さんだったこの方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
時は2012年過重労働からうつ病を発症し自殺してしまったというのが大まかな概要です。
そこまで追い詰められるまで何か救う手立てはなかったのか?職場の上司や先輩などはどうしていたのか?職場の働く環境などはどうだったのか?
私なりに少し考えを述べたいと思います。賛否両論あると思いますが最後までお付き合いくださいね。
看護師の現場は確かに過酷なところがあります。私も辛かった時期がありました。
私が准看護師だった頃小さな病院でしたが二次救急で脳神経外科と整形外科がメインの病院でした。緊急手術や処置などはとても多く残業も多かったです。看護師の不足は珍しくない時代です。
夜勤も入院が頻繁にあり仮眠も取れないことが多かったです。新人だったので先輩たちの足を引っ張ってばかりで怒られてばかりです。
また勉強をしないとわからないことばかりで自己学習もしなくてはいけなかったので、やはり寝る間も惜しんで勉強したものでした。
考え方ややり方には個人差がありますがやはり楽ではなく辛いものでした。
残業時間も30時間くらいはしていましたが、夜勤明けでお昼頃まで残ったり日勤が夕方の5時に終わっても8時頃まで仕事が終わらず残業したものでした。
そんな中、家に帰っても疲れすぎて食欲もなく眠いはずなのに眠れなくそのまま朝が来てまた仕事ということを繰り返していました。
自殺をしたいとまでは考えませんでしたが、当時はそれに加えていじめにもあっていたので嫌になってやめたいというところまでは追い詰められました。
看護師の責任感とSOS
私の看護師仲間は誰でも責任感がある人ばかりです。無責任な人はいません。
私がその職場を辞めることによってシフトの埋め合わせが大変で誰も代われる人がいないということがわかりました。そのまま無断欠勤してそのままやめようかとも考えました。
でもそれは非常識すぎて看護師がするべきではないと思い直しました。それならもう少し我慢してみようと考え直しました。
しかし同じような状態ではいずれ自分は潰れてしまうということを全面に出しました。
しばらくして看護部長との個人面談があり自分の考えを全部吐き出しました。
解決策として慢性期の病棟に異動となりそこから私の看護師人生は変わったと言っても過言ではありませんでした。勤務にもゆとりができ残業も少なくなり勉強もゆとりを持ってできるようになりました。
このままSOSを発信していなかったらどうなっていただろうか?
過労死もしていたかもしれません。自殺した看護師さんのようにうつ病など発症し心身に異常を起こしていたかもしれません。
私は自分自身の危機を表すことができてよかったと思います。
でもそう簡単ではありません
自殺した看護師さんは責任感が強く常に患者さんのために社会のために役立ちたいという気持ちが強かったと思います。それゆえに壁にぶち当たると自分自身を追い詰めてしまいます。
周りの環境にもよりますが自分自身の危機を相談できなかったのでしょうか?そうするにはやはり勇気がいります。そう簡単なことではないということはよくわかっているつもりです。
まず自分から自分の危機を相談できなかったのでしょうか?私はまず自殺した経緯の記事を読んでまず強くそう思いました。
でも自分の限界を感じるということがマヒしてしまったのでしょうか?
これ以上は自分が潰れてしまうと感じたら行き詰まったらSOSを発信してください。自分自身の限界を感じてください。
決して恥ずかしいことではありません。人間として当然のことですから。
周りの責任
これは私の個人の見解ですがこの看護師さんが自殺するまで周りの先輩方上司や看護部長は異変に気がつかなかったのかな?とか気がついていたけど大したことないだろうな?と思っていたのかな?と感じてしまいます(実際にそこにいたわけではないので真実はわかりませんが)。
もちろん超能力者ではないので人の心が読めるなんてことはできませんよね。
でも異常なまでの残業時間はその職場では当たり前だったのでしょうか?
当たり前だったとしたらそれは少しおかしいと思いませんか?改善策や解決策は講じなかったのでしょうか?
悪しき伝統だったのでしょうか?
それが嫌で看護師が辞めてもまた入ってくるからと使い捨てのような感覚だったのでしょうか?
真意はわかりませんが疑問点は残ります。自殺した看護師さんは月70時間の残業をしていました。
自分に当てはめたらそんなに残業したら疲れてしまいますよね。
疲れるだけでは済まなくなってしまいます。
自殺する看護師が今後出てこないように
昔私の父が「死ぬ気になればなんでもできる。死ぬということはすごく勇気がいるんだよ。それをやってのけることは並大抵ではない」と。
間違ってはいないと思います。
でもそれは間違ったとても大きな負のパワーです。私にはできません。
この看護師さんの自殺のニュースで職場の環境や見直しをしたところもあるかと思います。私の現在の職場では完全なる二交代制で残業しても2時間から5時間くらいです。
個人の問題もあると思います。院内で相談できる環境や第三者の相談機関を設置したり職場環境の整備や見直しなど絶対に必要と考えます。
しかしそれだけに頼っては進歩がありません。私たち自身も何かを感じたらできる範囲で改善を試みることです。それでもダメなら仲の良い友達や親、先輩や上司に相談して決して一人で抱え込まないことです。
一人で抱え込むと底なし沼のようにどこまでも引き込まれてしまい場合によっては這い上がってこれなくなってしまいます。
働いている限り悩みはあります。私だって長く看護の仕事をしていて悩みはつきません。
だからそれは当たり前のことなんです。恥ずかしいことではありません。
どんな仕事でも悩みは尽きないと思います。看護の仕事も同様です。みんな悩んで成長してきているのです。それがやがて自分の力となり患者さんに還元できることにつながって行くのです。
悲しいこんな事件は二度と起きて欲しくない!ヨッシーは強く強く思っています!