がん患者さんやそのご家族との接し方、看護実務について

具合が悪くなって病院に行ったり検診で引っかかったりして受診した時もしかしたら悪い病気?がんかもしれないということが頭をよぎりませんか?

そして診察や検査の結果「がんです」と言われたら誰でも頭の中は真っ白になってしまいます。何かの間違いでは?なんで自分なの?告知を受けた本人や家族は衝撃を受けてしまいます。

昔はがんの告知はタブーでした。何故ならがん=死という観念が強く不治の病とされていたからです。現在も場合によってはがんの告知は本人にしないということもありますが、告知がされるようになってきました。

何故ならがんは不治の病ではなくなってきたからです。本人に洗いざらい告知して治療に積極的に参加して治していこうということからです。

私は病棟勤務をここ十五年くらいしていませんが、がん病棟のある病院にアルバイトに行ったことがありました。そこでは化学療法を行っている方も多くその副作用で嘔吐や吐き気で苦しんでいる患者さんを多く見ました。そして私も苦しんでいる姿を見てとても辛かったです。

ではどのようにがんに冒された患者さんやその家族と接していけばよいのでしょうか?どのように看護していけばよいのでしょうか?

がん患者と接するのに看護師は特別なスキルが必要か?

答えはNOです。私もそうですが患者さんとの会話はおうむ返しだったと思います(多分今でもそうだと思います)。

だけどそこで気がついたのは普通の会話をしていた方がうまくいったような気がします。それと自分の気持ちも伝えてもいいんじゃないのかな?とも思いました。

ゆえにがん患者さんと向かい合ったり接するときは特別な会話術は必要があるかと聞かれたら不要だと感じました。

そんなものより看護師として人間としての誠実な対応や関わることのほうが大切ではないでしょうか?

看護師のコミュニケーションといったら共感や傾聴といったものが多いですね。共感や傾聴も大切だと思います。それらを患者さんに伝える過程や方法は看護師によって様々です。共感が必ず伝わる保証はありません。

医学の進歩によって治るがんも多くはなってきています。しかし患者さん位とってはまだまだ死という直面した病気という観念が強く不安と恐怖におののいています。

おうむ返しというコミュニケーション方法がありますがこれから真剣に生きて行く闘病ということに向かい合っている患者さんに対しておうむ返しでのコミュニケーションでは共感する気持ちが伝わらないと思います。

共感が大切と言っても実際にがんを患っているのは患者さん自身です。私たち看護師にはわからないことも多くあります。

簡単には共感ができないことだってあります。わかってあげたい気持ちは伝えられてもわからないことはわからないと正直に伝えてもいいのではないかと感じます。そういった正直さと誠実さが大切なのではないでしょうか?

告知によって変わる看護

患者さんと関わる時間を多く持つのは看護師です。看護の場面では患者さんとの信頼関係を築くことです。

「この看護師さんに任せておけば安心だ。」と安心感や信頼感が良い看護を提供する関係となるでしょう。

もちろん看護師はがんが治癒するように全力で心身をサポートするのが使命だと思います。死んでしまってもいいやと思う看護師は一人もいません。

しかし治療の甲斐なく死というものが確実になってしまったら穏やかに受け入れられるようにサポートすることも出てきます。

しかしこれらは告知していることが大前提です。告知がされていなければ患者さんの協力は得られず良いサポート良い看護の提供ができなくなってしまいます。

ERとはまったく違うがん患者さんとの難しさを今更ながら知ったような気がします。

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