看護師としての備えや普段からの学習の大切さ

近頃は火山の噴火、大きな地震(阪神淡路大震災、東日本大震災)、飛行機の墜落など災害が多くなっています。近年中には南海トラフ地震も起こるとまで言われています。つい最近も関東地方を中心に大きな地震も発生起きました。幸いにして大きな被害や多数のけが人や大きな津波も起こらずホッとしました。

私はちょうど休みで自宅からも勤務する病院からも遠く離れたところにいたのでまたDMAT隊員としての参集命令が来るかと思い急いで帰宅の途につこうとしましたが、電車が止まり電話も一瞬でしたがつながりにくい現象が発生してしまい少し不安でした。勤務している病院の被害はどのくらいなのだろうか?診療は行われているのだろうか?けが人が多勢担ぎ込まれてはいないだろうか?家族は無事だろうか?たくさんのことが頭の中をよぎりました。

災害に備えて普段の準備として

もし勤務中に大きな地震や災害が発生したら病院独自の決まりや備えがあると思います。一番大切なのは病院としての機能を維持していくライフラインです。ガス、水道、電気、食料その他として自家発電用の燃料、病院なので医薬品のストックなどでしょうか?

万一の場合は自治体からの供給もありますがあまりあてにはできません。混乱が生じますからね。

病院独自の対策としては大きな地震が発生した場合は自分自身や家族の安全が確保されたなら病院から連絡がなくても全職員が自動参集することになっています。自身の場合の自動参集は震度5強、震度6弱の場合ですが大きな被害が予想されたならその限りではありません。

先ほど話した電気の供給が止まった場合病院の地下にある自家発電機の燃料ですが消防法で大量の燃料を病院の敷地内にストックしておくことは違反になるため近くのガソリンスタンドと独自の契約を結び自家発電機の燃料供給を行えるようにしています。

個人としての準備も必要ですよね。飲料水やスナック菓子、缶つめなどの軽食を個人ロッカーに忍ばせている看護師も多いです。これはとても大切なことで院内の食料や飲料水は入院患者さん優先になります。私はDMATの隊員なのでいつでも出場できるように大きなロッカーを総務課から借りて出場のために食料や飲料水をストックしています。

参集途中であるいは外出中に助けを求められたら

医学的な知識のある看護師はしばしば医師と同様いろいろな場面で参集要請を受けることがあります。

よく耳にするのが飛行機や長距離移動中の電車内、車両の中でこんなアナウンスを聞いたことはありませんか?「お客様の中でお医者様あるいは看護師の方はいらっしゃいませんか?」私はそんな場面に遭遇はしたことはありませんが結構多いみたいです。

自分としてはその場所が病院とかけ離れた場所でも医薬品や医師がいなくても看護師としてできることを最大限行おうとは思っています。何もできなくても意識があるなら手を握り励ますことだって立派な救護になります。

しかし自分自身の安全確保が優先になりますのでそれがなければ燃え盛る炎の中から助けを呼ばれても人道的には飛び込んで助けに行きたいところですが自分が救助される側になってしまっては身も蓋もありませんからね。

訓練や知識、技術の取得

人を助けるには病院の中でも同じですが看護技術や知識がないと患者さんを看護したり救命ができない場合があります。

例えば心肺停止の方が倒れていたとしたら心臓マッサージをしたり気道確保をしたり人工呼吸や頚椎損傷を考えた脊椎保護の救護法、意識の確認の方法など高度な医療処置ができなくてもできることは沢山あります(BLS、JPTECなど)。新人看護師の方も現在勉強中の看護学生の方々も勉強して損をすることはありません。大変かもしれませんが看護の仕事というのは一生勉強です。一緒にいざという時や普段からの備えとして勉強していきましょうね。

参考:外傷死を防ぐJPTECの活動内容