歯科クリニックで受けられるホワイトニングは、元をただすと海外から輸入された技術であることが多いです。昔から行われているエナメル質への光の乱反射を利用して白く見せるホワイトニングは、白く見えますが、人によっては不自然さを感じることもあります。

エナメル質をむき出しにするため、虫歯や知覚過敏になりやすいリスクもあり、エナメル質が薄い日本人が受けるには不安が残る手法です。

今回は、その不安を解消してくれる日本発のホワイトニング方法についてご紹介します。ホワイトニングで行われている手法に近いものを体験できる歯磨きジェルもあるため、歯のエナメル質もケアしたい人はぜひご覧ください。

海外発のホワイトニングのメカニズムと危険な理由

これまで日本で主流となっていた歯科医院でのホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの2種です。クリニックによって使用される薬剤の配合内容や比率は変わりますが、同じ効果を目的としたものばかりです。

もともと日本は医学面では海外より一歩も二歩も後進であると言われており、歯科業界も例に漏れずなかなか新しい治療法が認可されません。そのため歯科医療の技術や薬剤の多くも海外発のものが存在します。

ホワイトニングも海外発の技術が多く取り込まれています。ホワイトニングの手法は、漂白剤を歯に塗り、汚れと共に表面のエナメル質を溶かして光の乱反射を起こし、白く見えるようにするものです。薬剤の反応を早めるため光の照射を用いることもあります。

汚れを漂白する薬剤は使用の際に歯の表面の水分を吸収します。これにより歯の脱水症状が起こり、知覚過敏になるリスクが発生。時間の経過で直る人もいれば、副作用として長く残ってしまう人もおり、軽視できないリスクです。

海外では主流だからと安心している人もいますが、ここで考えてほしいのが日本人の体質です。日本人はもともと欧米人に比べてエナメル質が薄い傾向にあります。歯が黄ばんで見える理由のひとつも、エナメル質の中の象牙質の黄色が欧米人よりも透けて見えるためです。

加えて、ドライマウスの人が多いです。歯の脱水症状を緩和できるほどの潤いが口内にない人もいるのです。クリニックで適切な処置をしてもらえますが、100%知覚過敏が起こらないとは言い切れません。

もちろん、日本人の口内に合わせて薬剤の濃度は調節されています。しかし調節すればその分ホワイトニング効果も薄まり、何度も納得のいく白さになるまで通院することになります。金銭的負担もその分増えていきます。

海外発のホワイトニングを日本人が行うには、『歯が溶けるリスク』『知覚過敏のリスク』『通院回数が増えるリスク』を考慮する必要があるのです。

日本発のFAPホワイトニングとは?

歯の表面を溶かす薬剤を用いるホワイトニングのリスクに注目した国内で発展したのが、FAPホワイトニングです。ホワイトニングのメカニズム自体は海外発のものと同じですが、術後ケアが追加されています。

薬剤で溶かしたエナメル質をフッ化アパタイトで保護、修復するというケアです。フッ化アパタイトは歯の再石灰化成分として歯磨き粉に配合されるハイドロキシアパタイトよりも強いコーティング力があります。歯をコーティングし、強くするはたらきをもっています。

溶けてしまった歯を保護、修復するため、知覚過敏のリスクが軽減できます。

<デメリットもあるFAP>

一方で、デメリットもあります。施術直後とてつもなく痛い可能性です。施術直後の歯が痛く、数回受けなくては効果が得られないFAPホワイトニングを途中で止めてしまった人もいるほど。

すべての人が痛みを感じるわけではありませんが、FAPホワイトニングでも人によっては痛みのリスクがあることを忘れてはなりません。

ケアが必要な分1回ごとの費用も高く、さらには最低5回は施術を受けるように言われます。(歯の状態によって回数は前後します)合計金額面で見ると、海外発のホワイトニングの方が安く済むケースが多いです。ホームホワイトニングの選択肢がある分、費用面では海外発のホワイトニング方に軍配が上がります。

2004年にFAPホワイトニングが発表されてから10年以上経ちますが、施術内容などに目覚しい変化がない点を指摘する歯科医もいます。日々変化のある別のホワイトニング(ピュアスマイルなど)もあるため、自分の歯の状態をきちんと確認してから施術方法を選択しましょう。

歯科クリニックでホワイトニングに関する相談のみを行うことも可能です。相談したからといって必ずホワイトニングを受けなくてはならないわけではないため、気になる方は自分はどのような方法が向いているか、ホワイトニング可能かを診断してもらってはいかがでしょうか。

まとめ:安全にお金をかけずに白くする方法も考えてみよう

1ecf0594a64344c47755655685b058ef_s

歯科医院でホワイトニングを受ける場合は、自分に合ったクリニックと施術を選ぶ必要があります。相談だけでは安易に決めず、複数のクリニックで相談してみたり、多くの施術方法が用意されているクリニックを選んでみたり、じっくり考えましょう。

クリニックのサイトやブログで歯科医の考えをチェックしてみるのもおすすめです。サイトがないクリニックは、口コミサイトを参考にしましょう。

ホワイトニングは最低でも数万円かかるものです。時間も長期となることが多いため、根気も必要です。根気よく続けることは耐えられるけど、できれば安く済ませたい、という場合は、自宅でケアする方法も検討してみてください。

歯科クリニックのように劇的な効果を求めるなら海外製品を使用する手もありますが、安全に行うならまずは着色汚れの除去から目指します。着色汚れがなくなるだけでも、自然な白さを得られます。

おすすめは毎日の歯磨き粉を着色汚れの除去に特化したものに替えて見る方法。多くが研磨剤が入った歯を削ってしまうものですが、きちんと選べば歯を傷つけずに汚れを除去してくれるアイテムに出会えます。

たとえば、研磨剤不使用のジェルタイプ歯磨き粉で、着色汚れを除去する成分も配合されたナイトホワイトニングはいかがでしょうか。

『ナイトホワイトニング』はFAPホワイトニングと同じように、エナメル質の保護にも注目した歯磨きジェルです。

汚れを落とすリンゴ酸だけではなく、エナメル質の保護や修復のためにポリリン酸を配合。ポリリン酸は歯の表面をコーティングし、傷の予防に役立つ成分で、他の歯の保護をうたう歯磨き粉にも使用されていることがあります。

ナイトホワイトニングのメリットは、配合するポリリン酸の形状にもこだわっているところ。歯の表面になじみやすい板状のものを使用しています。ポリリン酸の着色汚れを除去する最適な形状にこだわった『薬用ポリリンジェルEX』もありますが、歯の表面の保護にまで注目したのはナイトホワイトニングでした。

フッ化アパタイト(FAP)はフッ素がハイドロキシアパタイトに取り込まれて作られます。フッ素も取り入れたい人は、歯科医院で購入できるフッ素スプレーなどを併用してみてはいかがでしょうか。

ナイトホワイトニング自体にも虫歯予防のための天然殺菌成分が入っているため、単独での使用もおすすめです。