歯を白くするには、健康的な歯の状態を保つ必要があります。健康的な歯とはつまり、虫歯のない歯、そして虫歯になりそうな傷やう蝕(酸に溶かされる現象)のない歯のことです。

近年虫歯予防に効果的だとされている成分の一つが、キシリトール。みなさんは、このキシリトールを正しく摂取できていますか?実は、ただ食べたり噛んだりするだけではあまり意味がありません。

きちんとキシリトールの効果を発揮させ、虫歯予防につなげるには、正しい摂取方法を知っておきましょう。

今回は、このキシリトールの効果的な摂取方法についてご紹介します。

キシリトールとは?虫歯予防に本当に効果があるの?

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そもそも、キシリトールとは何なのかご存知でしょうか。何となく虫歯予防に良いことは、テレビコマーシャルなどで学んでいるけれど、具体的な効果は知らない、という人は少なくないと思います。

キシリトールとは、野菜や果物の中に含まれている天然の甘味料のこと。身近なもので言えばイチゴやラズベリー、カリフラワーや茄子などに含まれています。

乾燥イチゴ100gの中に、およそ300mgあると言われています。人間の体内でも毎日キシリトールは産生されていますが、その量わずか1日15g程度。イチゴに含まれているものの方が、体内で産生される量よりもはるかに多いことが分かります。

このキシリトールが何故虫歯予防に良いのかは、2つの理由があります。ずばり、『虫歯の原因とならない』こと、『虫歯をできにくくする』こと。

天然甘味料であるキシリトールは、砂糖のように虫歯菌のエサとなることがありません。虫歯は砂糖などを食べた虫歯菌が発生させる酸に歯が溶かされること(う蝕)でできます。キシリトールは虫歯菌に食べられることがないため、虫歯菌が酸を発生させることはなく、歯が溶かされずに済みます。

また、キシリトール自体が虫歯菌の一種であるミュータンス菌の増殖を防ぐはたらきを持っています。虫歯の原因となる酸の産生を防ぐと同時に、虫歯菌そのものの動きを邪魔してくれるのは、数ある甘味料の中でもキシリトールだけだと言われています。

唾液の分泌も促し、歯の再石灰化を助けることから、既に虫歯になりかけている歯のケアにも役立ちます。天然由来成分なので体との相性も良く、安心して活用できる成分です。

キシリトールの虫歯予防に対する力は世界中で認められており、日本はもちろん、タイやハンガリー、エストニアなどあらゆる国や地域で効果があるとする実験結果が出ています。

キシリトールの効果的な食べ方

キシリトールをたくさん摂取するには、多く含まれる食品を献立に加えるのが一番です。多く含まれるもので日本でも一年を通して手に入るのは、イチゴ。しかし、イチゴ自体がけして安価ではなく、味も毎飽きずに日食べ続けることは難しいでしょう。

そこでおすすめなのが、キシリトール入りのガムを食べる方法です。スーパーやドラッグストアでも簡単に購入できる上、果物や野菜と違って誰でも常温での長期保存が可能です。

キシリトール入りのガムは歯科医もすすめるアイテム。歯科専用としてクリニックで購入できる100%キシリトールガムも存在するほどです。

100%キシリトールガムは、甘味料がキシリトールのみの配合。市販品はソルビトールなどの人工甘味料が混ざっているものばかりなため、虫歯予防の効果は半減してしまいます。嗜好品ではなくデンタルケアとして食べるなら、断然100%キシリトールガムがおすすめです。

調べてみると、最近は通販でも購入できることが分かりました。購入する際の目安は、しっかりと『歯科用』あるいは『歯科医院専用』と書かれているものです。(例→『歯科医院専用 リカルデントガム』)

市販品より一回り大きな粒なので、一回に一粒で十分。最低でも1日毎食後1粒ずつ食べましょう。実験結果では1日に5粒食べた場合が最も虫歯予防に効果的だったそうです。食後の他に、寝る前や寝起きの時にも摂取すると、さらに予防効果が上がります。

<食べるタイミングに注意!>

虫歯予防に効果的だと聞くと、歯磨き後に食べるのが良いようなイメージがあるかもしれません。実際には、多くの歯科医が『歯磨き前』に食べるようすすめています。

食後にキシリトール入りガムを食べ、食事で酸性に傾いた口内の状態を中和するためです。また、ガムを噛むと自然と唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促される点も重要ポイントです。

唾液には虫歯菌を抑制する乳酸菌が含まれている他、唾液自体が歯の表面についた食べかすなどを洗い流してくれます。キシリトールガムを噛むだけで、軽く口内洗浄もできてしまうのです。

キシリトールガムを食べるベストなタイミングや方法をまとめると、以下の4つのポイントになります。

  • 食後の口内が酸性に傾いている時
  • 歯磨き前に
  • しっかり咀嚼できる時間がある時
  • 最低でも1日3回(可能なら5回)

唾液の分泌もできるよう、じっくりとよく噛んで食べられる時間的な余裕も大切です。

キシリトールは歯の再石灰化(小さな傷を修復する力)を助けるため、歯の表面のエナメル質が傷付いて汚れがつきやすくなっている人にはとくにおすすめです。研磨剤入り歯磨き粉をよく使う人も、まずは試してみてはいかがでしょうか。

キシリトール入りガムで傷のない汚れがつきにくい歯に

記事の冒頭でも述べましたが、歯を白くするには、健康的な状態の歯にしておく必要があります。歯に汚れがつきやすい人の多くは、目に見えない小さな傷や虫歯菌によるう蝕が歯をボロボロにしています。

虫歯菌の働きを抑制し、歯の再石灰化もうながすキシリトール入りガムで、まずは歯の表面の傷や虫歯をケアしましょう。歯の表面が再石灰化でツルツルの状態になれば、汚れはつきにくくなります。

ガムを噛むだけという手軽な方法ですが、それだけに続けやすいメリットを持っています。