自宅でのホワイトニングにしろ、歯科医院でのホワイトニングにしろ、必ず確認されるのが口内環境です。虫歯は勿論、歯周病があるとホワイトニングは受けられません。

最近になって、この歯周病の原因が歯磨き不足だけではないことが分かってきました。

今回は歯周病の新たな原因とされているものについてご紹介します。正しくホワイトニングしたい人も、歯周病予防したい人も、まずは原因の最新情報について確認してみましょう。

歯周病が起きる原因は歯磨き不足?

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以前からよく言われているのが、正しい歯磨きを行っていなかったことによる歯茎の炎症です。自分ではしっかり歯を磨いたつもりでも、歯茎と歯のすき間に溝(いわゆる歯周ポケット)ができている場合、そこに食べかすや歯垢、細菌が入り込みます。

歯周ポケットの中に入り込んだ細菌や、歯垢の中の細菌は、食べかすを食べて増殖して歯茎を攻撃し、炎症を起こします。炎症によってダメージを受けた歯茎は、健康な状態であればやがて炎症が治まってきます。

しかし、糖尿病など全身性の病気をかかえていたり、不健康な状態でい続けると、再生速度が低下。やがて炎症が治まりにくい状態となり、さらに放置すると歯茎がやせたり下がったりするように。結果、歯がグラグラする歯周病へと発展します。

そのため、歯周病予防には全身の健康に注意しつつ、正しい歯磨きをする必要があると言われてきました。

一方で、歯科医の中には「歯磨き指導を行って、しっかり守ってくれている患者でも、歯周病になって来院することがある」と疑問視する人もいました。単純に歯磨きが不十分だったという以外の原因もあるのではないか、という疑問です。

そこで、外国の研究チームによる歯周病のメカニズムについての調査が行われました。山奥に住む、歯磨きの習慣をもたない部族の口腔内を15年にわたって研究した結果、驚くべきことが分かったそうです。

歯磨きの習慣がない部族の中でも、「20代ですでにほとんどの歯が歯周病で抜けた人」「ゆっくりと歯周病の症状が現れてきた人」「歯周病にはならず、せいぜい歯肉炎が起きる程度の人」と3つのタイプに分かれたのです。

そう、歯磨きをまったく行っていない人でも、15年間ずっと歯周病にかかることなく生活できてしまったのです。このことから、歯周病の原因は単純に歯磨き不足だけに限らない可能性が出てきました。

歯磨きの他に歯周病の原因となるのは体質

さらに研究が進み、近年では歯磨き不足だけが歯周病の原因ではないことが分かっています。歯周病の原因は、破骨細胞による歯槽骨(歯を支えている部分のこと)の破壊だと発表されました。

<破骨細胞とは?歯周病になるメカニズム>

破骨細胞とは、骨を破壊したり、吸収したりする細胞のことで、骨を溶かして新たな骨の材料としたり、血液に取り込ませてカルシウム源とするはたらきを持っています。歯科矯正で歯が少しずつ動くのは、この破骨細胞を利用することによって動かす方向の余分な骨が溶かされているためです。

骨を新しくするためには重要な破骨細胞。歯科矯正ではむしろ必要な存在となるため、絶対に害のあるものとは言えない破骨細胞ですが、歯周病予防のためにはなるべく活発にはたらいて欲しくない細胞でもあります。

この破骨細胞が歯周病を起こすほど活発化するのは、歯周病菌がLPSと呼ばれる毒素を出し、歯茎の細胞を刺激するため。刺激された細胞が、破骨細胞を成熟させるための細胞因子を発生させ、破骨細胞と結びついて活性化。歯槽骨をどんどん吸収していきます。

破骨細胞そのものは、誰もが持っています。この破骨細胞が存在することで骨の代謝が行われるためです。しかし人によって口内で活発にはたらく場合と、そうでない場合があり、この違いが歯周病を起こすか起こさないかの違いとなります。

歯周病菌が出すLPSという毒素に過剰反応する体質の人は、その分歯茎の細胞も刺激されます。歯周病になる人は、このLPSという毒素に歯茎の細胞が過剰反応しているのです。

正しい歯磨きを行っていても、歯周病菌に感染している上にLPSへの反応が過剰な人であれば、歯周病のリスクは高いままです。

歯周病以外の病気予防にも歯磨きは必要

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では、歯磨き方法を見直してもあまり意味はないのでは?と思う人もいるかもしれません。破骨細胞が直接的な原因とはいえ、元を正せば口内細菌が原因であることに変わりはありません。その点を考えると、歯磨きが全くの無駄になるわけではないのではないでしょうか。

寝ている間に口内細菌が増えるなら、寝る前の歯磨きは必要ないのでは?という質問に対して、「大切なのは少しでも細菌の数を減らすこと。寝る前の歯磨きは細菌を一度減少させるためにも必要」とブログで答えていた歯科医さんがいました。

確かに、細菌が一晩で1億倍に増えると仮定して、歯磨きで100個くらいにまで減らしてから1億倍増えるのと、歯磨きをせず口内に1億個ある状態で1億倍増えるのでは、かなり細菌の数に違いが出ます。

歯周病菌は嫌気性の細菌で、酸素を嫌うために歯茎と歯の間に入り込みます。歯茎の細胞を刺激する毒素を出す細菌の数を、少しでも減らす歯磨きは、歯周病菌を減らす手軽な方法です。

さすがに毎日歯科医院へ行って、口内の掃除をしてもらうお金も時間もないですよね。少しでも歯周病のリスクを減らすには、歯磨きによる自衛を止めるわけにはいきません。

また、歯磨きで細菌を減らすことは、歯周病以外の病気予防にもなります。たとえば細菌で歯茎が炎症していると、そこから細菌が血管内へ入り込み、脳や肝臓など重要な器官で炎症を起こします。実際、口内の細菌が脳に届いて死亡した例があります。

脳梗塞や糖尿病などの危険も、口内環境が原因で高まります。全身の病気であっても、原因が口内にあり、病気と同時進行で口内環境の改善が行われるケースも珍しくありません。

歯磨きで細菌を定期的に減らすことは、歯周病だけではなく、このような全身の病気予防としても重要です。もちろん、ホワイトニングにおいても、健康な歯茎で歯がグラグラしない状態である必要があります。

歯周病予防に良いおすすめの歯磨き粉や歯ブラシ

歯周病をはじめ、口内細菌が原因となるあらゆる病気を予防するには、やはり正しい歯磨きが重要です。歯科医院で歯磨き指導を一度受けてみることをおすすめします。

そんな時間がない、という人は、ひとまず今日から磨き方を意識してみましょう。歯茎と歯の間を磨くつもりで、歯ブラシをななめにし、歯の根元も磨いてみてください。先端が入り込みやすくなっている先細タイプの歯ブラシを使ってみると簡単です。

歯茎の血行を良くして、歯とのすき間が深くならないように引き締めるのも効果的です。歯茎マッサージも兼ねるような歯磨きが重要です。

<歯茎マッサージもできる歯ブラシ>

毛の先端が細く、また歯茎マッサージもできる歯ブラシのひとつが、「ころころ歯ブラシ」です。私も一度使ったことがあるので、使い心地はレビューをご覧ください。(→→『ころころ歯ブラシを実際に購入・使ってみた感想』へ)

ころころ歯ブラシはブラシ部分がローラーになっているため、歯茎のマッサージ効果もあります。植えられているブラシの毛は細く、歯茎と歯の間はもちろん、歯と歯の間のカーブにもしっかりフィットしてくれます。

歯の表面をコロコロ転がすと、同時に頬肉のマッサージも内側から行うことになるので、口周辺の血行も良くなります。

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>>『ころころ歯ぶらし』詳細サイトへ

<歯周病予防を意識した歯磨き粉>

市販の歯磨き粉でもきちんと磨けば歯周病菌をいくらか減らすことはできますが、細菌は繁殖するもの。けしてゼロにはなりません。ゼロにならないのであれば、少しでも歯周病予防になる歯磨き粉を使う方が効率が良いのではないでしょうか。

歯磨き粉を選ぶ時は、歯周病予防あるいは歯周病対策のものを選びましょう。ホワイトニングのために歯周病対策をしたい、という人の場合、歯を白くする効果もうたっている歯磨き粉を選ぶと一石二鳥です。

たとえば、オーラパールという歯磨き粉は、歯周病予防のための成分だけではなく、歯の着色汚れを除去する成分も配合されています。あくまで着色汚れなので歯の芯の部分、象牙質が黄ばんでいる人のホワイトニングには向きませんが、茶渋などで悩んでいる人は使ってみる価値あり、です。

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>>『OraPearl(オーラパール)』詳細サイトへ

オーラパールは他のホワイトニングをうたっている通販限定の歯磨きより安いので、歯周病予防もホワイトニングもしたい、という人は、値段の面でも最初のお試しに選ぶのに最適です。

ホワイトニング前に歯周病リスクを減らしておく方法まとめ

歯を白くするホワイトニングは、虫歯だけではなく歯周病も大敵です。歯がグラグラする状態で歯を白くする薬剤を使っても、危険しかありません。よってホワイトニングを考えている人は、虫歯がないか、歯周病の症状はないかを確認しておきましょう。

歯周病は歯周ポケットに細菌が存在するだけでは発症しにくく、歯茎の中の破骨細胞が活発にはたらいているかどうかが関わってきます。つまり、同じ環境化にいても、体質的に歯周病になりやすい人となりにくい人がいるのです。

とはいえ、歯茎と歯の間に入り込んだ歯周病菌を放置して良いわけではありません。自分が歯周病になりやすい体質かどうか、簡単に分かる人はいないでしょう。よって、少しでもリスクを減らすために効果的な歯磨きが必要です。

歯茎と歯のすき間を磨ける歯ブラシを使ったり、歯茎をマッサージしながら歯を磨いたり、歯茎が細菌で炎症を起こさないように健康な状態を維持してください。また、歯周病予防のための成分が配合された歯磨き粉を使用するのもおすすめです。

歯周病予防の歯磨き粉を使う際、歯の着色汚れにも効果がある歯磨き粉(こういうの→『OraPearl(オーラパール)』)を使うと歯の黄ばみの悩みも同時に解決できます。いろいろ試して、自分にぴったりな歯ブラシと歯磨き粉を見つけてください。