ドラッグストアでは歯磨きペーストの方が多く売られていますが、通販や歯科医院ではジェル状になった歯磨きもよく見かけます。

中にはホワイトニング効果をうたう商品もあります。しかし、ジェルタイプの歯磨きを使ってホワイトニング効果が出たという人もいれば、むしろ着色汚れが出てきた、という人も。

その違いは何なのか、ジェルタイプ歯磨きでホワイトニング効果が得られなかった人の何が悪かったのか。今回は、ジェルタイプの歯磨きでホワイトニングを目指す人に、効率よく歯を白くするコツについてご紹介します。

ジェルタイプ歯磨きのメリット

歯科医院や大きめのドラッグストアでしか購入できなかったジェルタイプ歯磨きですが、近年では通販でも購入できる商品が増えてきました。しかもあらゆる機能付きです。たとえば、薬用ポリリンジェルEXのように着色汚れに悩む人向けの商品などです。

ジェル状の歯磨きは、ペースト状の歯磨きと違って研磨剤が配合されていないのが最大のメリットです。歯の表面が既に傷付いている人はもちろん、傷付きやすい人も安心して使用することができます。

日本人は歯の表面のエナメル質が薄い傾向にあるため、研磨剤で傷付いたり削れたりすると知覚過敏などのリスクが出てきます。

歯の黄ばみの原因の一つはエナメル質が研磨剤などで削れ、内部の象牙質の黄色が透けて見えていることにあります。研磨剤のないジェルタイプの歯磨きは、エナメル質が薄い日本人にはぴったりと言えます。

もう一つのメリットが、泡立ちがほとんどないこと。泡立ちが良いペーストタイプ歯磨きは、磨いているうちに口内が泡だらけになるため、きちんと磨き終わる前に歯磨きを終わらせてしまう人が多いと歯科医も指摘しています。少し磨いただけで多くの泡がたつことで、きちんと磨けたと勘違いしてしまうためです。

ジェルタイプはほとんど泡立たず、口内を泡で圧迫されることなく隅々まで磨けます。泡が邪魔しないため、鏡を見て、磨き残しはないかチェックしながら歯磨きできます。

ジェルタイプ歯磨きはデメリットも?~人によっては着色汚れが酷くなる~

ジェルタイプの歯磨きのメリットである研磨剤不使用は、逆にデメリットとなることもあります。たとえばよくお茶やワインなどを飲む人は、歯に着色汚れがつきやすいことから、ジェルタイプでは綺麗に掃除しきれません。

歯磨きをジェルタイプに切り替える前から茶渋やワインの渋がついている人は、ジェルタイプの清掃力では不十分です。それまで研磨剤の多かった歯磨きを使用していた人がジェルタイプに替えた場合も、着色汚れがつきやすくなる可能性があります。

歯に付着しやすい汚れの中でも茶渋やワイン渋のようにしつこい汚れは、研磨剤である程度こそぎ落とさなくてはなりません。歯の表面に優しいジェルタイプは歯に傷をつけず、汚れが付着しにくい歯にしてくれる一方で、すでについた歯の傷に入り込んだ汚れはしっかり落とせないこともあるのです。

そのため、それまでは研磨剤で汚れを落としていた人がジェルタイプの歯磨きに替えると、こそぎ落とせなくなった分の汚れが歯の表面にできている(研磨剤による)傷に入り込んでしまいます。結果、「ジェルタイプの歯磨きに替えたら歯が汚れるようになった」と感じるのです。

ジェルタイプが無効果なのではなく、既についている歯の表面の傷に問題があります。歯の表面のエナメル質を守る意味では、ジェルタイプ歯磨きの選択は無駄ではありません。要は歯の表面の傷を綺麗にするか、研磨剤を使う量や頻度を減らせば良いのです。

「ジェルタイプに替えたら歯に汚れがつきやすくなった」と感じている人は、次のような心当たりはないでしょうか。

  • 毎日お茶やワインなど渋汚れがつきやすい飲み物を飲んでいる
  • 以前から着色汚れがつくことが度々あった
  • ジェルタイプの前は研磨剤が多い歯磨き粉を使っていた

これらの特徴のいずれかに当てはまるのであれば、前述のように歯の表面に傷があり、「もとから着色汚れがつきやすい歯をしていた」可能性があります。

ジェルタイプ歯磨きを効率よく使う方法~朝と夜で歯磨き粉を替えてみよう~

では、ジェルタイプの歯磨きを使い続けながら着色汚れを綺麗にすることは難しいのか?と思ってしまいますが、使い方をちょっと変えるだけで、着色汚れを防ぎつつジェルタイプ歯磨きを使い続けることが可能です。

それは朝と夜で歯磨き粉を替えてみる方法です。

たったそれだけ?と思われそうですが、意外とこれが効果的だったりします。ただし、使う歯磨き粉は選ばなくてはなりません。

ひとつは今使用しているジェル歯磨きを使い、もうひとつは研磨剤入りのものを使用します。ジェルを使うことで歯に傷がつく機会を減らし、研磨剤入りを使用することでジェルだけでは落としきれない汚れを定期的にこそぎ落とします。

つまり、通常の歯磨きを毎回使用するよりも歯に傷がつきにくく、ジェルのみを使うよりもしっかり着色汚れを落とすという、それぞれのメリットを最大限活用した方法です。

私も朝は市販の歯磨き粉を使い、夜はハーブ雑貨店で見つけた研磨剤なしの歯磨き粉を使用しています。実際やってみるとかなり効果があります。

私はハーブティーやウーロン茶などお茶系が大好きなので毎日飲むのですが、どちらか一方の歯磨き粉だけを使用している時期は、歯と歯の間に茶渋がくっきりとついてしまいました。交互に使うことで研磨剤でこそぎ落とし、無研磨剤で余計な傷を付けないで歯垢だけを落とせます。

ちなみに私が使っている研磨剤入りの市販品はこちらです→『(株)サンプラザ アパケア-A

←こういうの。

歯の再石灰化で有名なハイドロキシアパタイトが、似たような他商品の3倍入っているとのことで購入してみた商品です。小さな結晶なので歯を傷つけるリスクも少ないそうです。

内容的にはおすすめなのですが、金属製チューブなので量が減ってくると段々出しにくくなるのが難点。刺激も少なく、強いミント系は苦手という方でも使いやすい味です。

※ハイドロキシアパタイトについての詳細はこちら
→→『ハイドロキシアパタイト(HAp)って何?~歯磨き粉に含まれる美白成分①~』へ

歯の着色汚れをより効果的に落としたい時のジェル歯磨きの使い方まとめ

朝と夜でジェル歯磨きと研磨剤歯磨き粉を交互に使ってみると、効率よく歯の汚れ落としとケアができます。

歯の表面の傷は、歯ブラシで強く擦りすぎるだけでも起こると言われています。時間がなくて歯ブラシへの力加減に配慮できない朝はジェルタイプを使用し、夜はゆっくりと研磨剤入り歯磨き粉で歯ブラシの力加減に注意しつつ磨いてみましょう。

歯磨きを2つも使い分けるのは面倒、という時や、使い分けてもあまり効果が感じられないという場合は、ジェル歯磨きの選び方も変えてみましょう。

ジェルタイプ歯磨きの中には、研磨剤を配合しなくても汚れが落ちるように配合成分を工夫しているものもあります。清掃剤としても使用されることのあるハイドロキシアパタイトや、人体との相性が良いポリリン酸などが代表的です。

このページの上部でも名前を挙げてみた薬用ポリリンジェルEXなど、通販で購入できるものはとくに有効成分が厳選されているものが多いです。

poririnec←公式サイトより

ポリリンジェルEXで使用されているポリリン酸は、分割ポリリン酸。複数タイプがあるポリリン酸は、その長さによって効果が変わります。ポリリンEXはポリリン酸の長さで変わる効果について研究している学者さんが歯の汚れを落とすことに最適な長さのものを選んで開発したため、期待できます。

市販品にもポリリン酸は含まれていますが、配合されているポリリン酸が歯の汚れを落とす効果のある長さのものかどうかまでは言及されていません。あらゆる長さのものが混合された安価な材料を使用している可能性もあります。

そのため、配合されている成分名だけではなく、きちんと効果がある形で配合されているかどうかも意識して歯磨き粉選びを行わなくてはなりません。

薬用ポリリンジェルEXは専門家が作った歯の着色汚れに特化した歯磨きジェルのうちのひとつです。他にも通販でしか購入できないものの中には市販品よりも高濃度で有効成分が配合されているものなどがあります。気になったものから試してみて、自分に合ったものを見つけてみてください。

※ポリリンジェルEXを実際に使ってみました!体験談を公開中です。
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