企業規模の大小に関係なく経営実務の中で企業会計業務は重要な位置づけであることは異論のないところですが、企業の実体や成り立ちによって会計実務は色々な形態があり、それに伴って経理課などで行われている会計実務も各社まちまちです。

いまでもエクセルの表計算を使って経理事務を行っている会社は少ないと思われますが、もともと手間のかかる事務ですから、いかに効率的に業務を遂行できるかは会社全体のコストにかかわる問題です。会計事務の負担を大幅に減らすことができるツールが会計ソフトです。

自社に適合した会計ソフトの選択、導入もまた重要なポイントです。今回は数ある会計ソフトの中で多くの企業で採用しているソフトを選び出して、分析しましたので、会計ソフトの選択のために参考にしていただければ幸いです。

パッケージ型とクラウド型

取引の記帳、毎月の財務状況、収益状況などの確認、確定申告書の作成などに必要な会計ソフトはクラウド型会計ソフトとパッケージ型(インストール型)の2種類あり、パッケージ型は既に長い歴史があり、多くのノウハウが蓄積されています。

近年クラウド型会計ソフトが開発されて、そのシェアも増加の傾向にあります。では、現状それぞれの会計ソフトのシェアはどのようになっているのでしょうか。

マーケティングリサーチ会社のMM総研のデータによりますと、会計ソフトの使用率を見て見ますと、個人事業主の中で会計ソフトを使用している事業主は28.4%です。中小企業で従業員300人以下の企業では使用率54.1%です。意外と少ないことが分かります。

個人事業主のクラウド型会計ソフトの使用率は13.5%、パッケージ型会計ソフトの使用率は75.5%、中小企業従業員300人以下の企業の使用率はクラウド型14.5%、パッケージ型85.5%、となっています。

もともと会計ソフトの普及率が50%を切っている状態ですから、クラウド会計もパッケージ型会計もまだ十分の伸びしろがあるということで、さらにシェア争いが激化していくでしょう。その中でクラウド型会計ソフトの台頭がめざましいものがあります。

売れている会計ソフトはどれか?

多くの会計ソフトを分析してみますと、最も多く売れている人気の会計ソフトはパッケージ型(インストール型)では弥生会計のスタンダード版です。

クラウド型会計ソフトでは事業形態により異なり、個人事業主2017年度 弥生会計オンライン56.8%、Freee会計ソフト16.9%、MFクラウド19.9%、全国商工会連合会3.2%。中小企業従業員300人以下の場合、Freee会計ソフト32.3%、弥生会計オンライン15.4%、MFクラウド19.2%となっています。

参考サイト:クラウド会計ソフトの市場規模・シェアを調査してみた

会計事務所が活用する会計ソフトのデータもあります。クラウド会計では、MFクラウドが34.9%、Freee会計ソフト22.7%、弥生会計オンライン11.6%となっています。

パッケージ型では弥生会計の寡占状態が続いています。需要の実体に合わせて細分化された各種の会計ソフトは使い易さと安心感の信頼を得ているようです。

売れ筋をチェックしてみましても、上位は弥生会計のソフトで占められています。多様化する企業の財務会計もそれに合わせて会計ソフトも各種市場に出てきます。

弥生会計だけでなく、2番手以下には、ビジネス情報技術のわくわく財務会計やソリマチみんなの青色申告、ピクミス財務会計、デネット現金出納帳などがあり、これらがおすすめとなります。

クラウド会計ソフトでは、MFクラウドとFreee、弥生会計オンラインがおすすめです。

まとめ

会計ソフトの市場は拡大傾向にあります。そのベースとなっているのが、まだ会計ソフトを使用しないで経理業務を行っている企業が50%もあるという現状です。

会計ソフトも年々進化して、使い易さが追及されて、徐々に会計ソフトを導入する企業は確実に増加します。新規に会計ソフトを導入する時はクラウド会計にしてもパッケージ型にしても上記のように上位3社が圧倒的に人気があり、よく売れています。

とりあえずはこれらのソフトを選んでおけば間違いないことがお分かりいただけたと思います。その次に企業にはそれぞれ特異性がありますから、それに合わせた会計ソフトの導入は必須です。時間をかけて自社の事情に適合した会計ソフトを選ぶようにしましょう。

会計ソフトFreeeはなぜ評判が高いのか?