英EU離脱は投資のチャンスになるか?【イギリスのユーロ離脱問題のポンド為替影響】
イギリスのユーロ離脱が現実味を帯びてきました。3月15日に発表された調査会社ORBが実施した世論調査結果によると、離脱支持派が52%になり、残留支持派は45%にまで落ち込みました。
この報道後は、ポンド/円が円高方向に動いたのは当然の結果と言えます。ユーロ離脱問題が大きく報道され始めた、2015年7月時のポンド/円相場は190円前後でしたが、3月現在は150~160円で推移しています。
この値は2013年10月以来で、ドル円相場も円高に動いている事から、世界的な流れは円高傾向のトレンド入れをしたと言っても過言ではありません。ポンド円は年平均で、20~30円ほどの変動幅あるのですが、それが3月の時点でここまで大きく動き、既に前年の値幅変動幅を超えています。
今後もビッグイベントである国民投票と米大統領選挙が控えているので、円高の動きが一段と加速をすると、見て取れます。
英ポンドの立ち位置について
ポンドと言うのは、その値動きの大きさから個人投資家には以前から人気の通貨で、その荒い値動きが「殺人通貨」と呼ばれる事もありました。昔は基軸通貨として世界の中心でしたが、今はその地位を米ドルに譲り、為替取引量も米ドル、ユーロ、円に次ぐ4番目となってしまいました。
しかし、これは多くの人が誤解をしているのですが、流通通貨では1位がドルの44%、2位がユーロの28%、3位はポンドの8%、そして日本は4位の3%なのです。流通通貨すなわち実体経済では英と日本は逆転し、その割合も日本の倍以上を占めているのです。
この事から見てもユーロという欧州連合の特別通貨を除くと、世界で2番目に影響力がある通貨なのです。
過去から学ぶべき経験
ポンド/円のチャートを見ていると、最近の様に急激に値を下げているのは2008年8月まで遡る必要があります。当時はリーマンブラザーズが破綻し、ダウの10000ドル割り込み、日経平均の大幅下落、ドル円も100円割れとなった一連の経済大混乱で、リーマンショックと呼ばれた頃です。
ダウや日経平均のチャートを見ると、そこまで悲観する必要は無いのかも知れませんが、気掛かりな点もあります。それは、英ポンド/米ドルのチャートです。2009年1月につけた安値を更新する勢いで、このままでは割るのも時間の問題でしょう。
英ポンドの取引に適しているFX証券会社はどこ?
ポンド/円はドル/円やユーロ/円、またはユーロ/ドルなど比較してもスプレッドがまだ大きいのが弱点です。
それでも変動の激しさから、他通貨よりも稼ぎやすいのも事実ですが少しでもスプレッドの狭い証券会社を選ぶのが良いでしょう。
GMOクリック証券は、ポンド/円とポンド/ドルのスプレッドが1.0と業界最狭水準で、食品キャンペーンでお馴染みのヒロセ通商は驚きの0.97になっています。ドル/円のスプレッドも昔は大きかったので、ポンドも何れは狭くなっていくと思います。スプレッドの狭さからおススメの証券会社と言えます。
英ポンドを取引する際の注意点
現在の様に、値動きが荒くなると上手に取引をすれば1日で大金を稼ぐ可能性も高く、また投資金額が少なく数枚の取引でも数万円をスキャルピングで稼げる相場だと言えます。
しかし、これは諸刃の剣であり注意が必要です。個人的にポンド円を短時間で取引を行う際の注意点は
- 東京時間だけの取引
- 大きな流れの方向に建てる
- ドル/円とポンド/ドルのチャートを注視
- 逆張りのナンピンは絶対禁止これらが挙げられます。
まず、FX相場の基本でもありますが、投資の素人・初心者は午前9時頃から午後4時までには取引を終えるべきです。海外時間(ロンドン時間)が始まる頃には、相場から引き上げるべきだと言えます。
特に今の様な急激な値動きがする時は、ポジションを持ち越さないのが良いと思います。長期的な期待から持つ場合なら、売り建てなら良いと思いますが、それでも過度な期待はしない事です。
次に大きな流れというのは円高方向の動きなので、その流れに合わせて建てるのがセオリーでしょう。逆張りで建てたい気持ちも分かりますが、一度の失敗で大損をする可能性もあります。
また、逆張りのナンピンは絶対におススメ出来ません。相場に謙虚な気持ちで向き合うなら、自分の失敗を認め損切りすべきで、ナンピンで勝ち癖を身に付けると、必ず大損をして退場する可能性が出てきます。