各都道府県で行われている小児救急電話相談。みなさんはご存知でしょうか?都道府県により受付時間はまちまちですが日本全国で行われています。
#8000小児救急電話相談とは
簡単に説明すると医療機関の受付が終了する午後5時頃から深夜、または翌朝まで看護師、保健師、助産師が新生児から中学3年生までの急な病気、急な怪我、薬の事などを相談、アドバイス、医療機関の案内などをする業務です。
その中ではびっくりするような相談やすぐに救急車、微笑ましい相談など沢山あります。今回はその中で印象に残っている相談や仰天相談のご紹介をしたいと思います。個人が特定できないように内容を少し変えてあります。ご了承ください。
主な電話相談内容
電話相談の中では薬の相談がかなり多いです。
「熱が出たので以前出された解熱剤がある、使ったほうが良いか?」
「薬を飲んだらすぐ吐いた、また再度内服させたほうが良いか?」
このお薬の相談も尽きることがありません。
「母親である私の経口避妊薬をラムネと勘違いして4粒食べてしまった」
「おじいちゃんの降圧剤と子供の風邪薬のパッケージが似ていたので間違えて飲ませてしまった」
「抗生物質を1日3回のところ4回内服させた」など
緊急で病院に行かなければいけないような薬物誤飲もかなり多いですよ。もちろん本当はいけないのだけど軽佻な薬物誤飲もあります。
誤飲や誤食も多いです。「パチンコの玉を飲んじゃった」「タバコを半分くらい食べてしまった」「お菓子の袋に入っていた乾燥剤を食べちゃった」「BB弾を飲んじゃった」などです。
びっくりしてしまう、嫌な相談の内容 セクハラ対策
相談員である看護師、保健師、助産師は女性が多いですが男性看護師も相談員としています。ほとんどは小児の相談が多いのですが女性相談員が多いことを逆手に取ったセクハラまがいの入電も多いのも事実です。
例えば小児救急電話相談と関係がない話をする中年男性、「仕事が何時頃終わるの?終わった後にでも食事に行かない?あなたの名前と電話番号教えて」など。中には書くのもおぞましい内容の発言もあります。
そんな時は毅然とした態度でキッパリとそんなことはしないように話しますがそれでも違う相談員に一晩に何回も入電します。電話番号が記録できるので(非通知で発信してもわかります)悪質な場合は警察に被害届を出す場合があります。
本当にいいのかな?そんなこと言って
夜間となると小児科に限らず救急はかなり混雑します。医療は無限にあるわけではなく限られた資源です。
あるお父さんからこんな相談がありました「子供が熱を出したので心配だから病院に連れてきたが2時間待ちと言われた。空いている病院を案内してほしい」と。
ある県では夜間の小児科は無いに等しいところもあります。受診の必要性が出た場合水上タクシーで移動したり自家用車やタクシーでも1時間以上かかるところに行かなければいけなくなったりと大変なところもあります。個人的には受診する場所が近くにあること自体幸せだと思うのですが。
相談者に案内した受診先の医療機関からもこんな連絡を受けたことがあります。
「当院を案内されても夜間は何もできませんよ」
違う医療機関からは「あなたたちが次から次へとこちらを案内するから混雑して仕方ないじゃない。もうこちらを紹介しないでください」
ある夜間に小児科医から「このくらいの症状で受診を勧めないでください」
受診先は各都道府県から「受診できますよ、受診先として案内してください」と言われて情報をもらっているところばかりです。
その医療機関も都道府県から打診されてOKしているのですからそれらの発言は言語道断だと思います。電話相談は自宅で様子見ても大丈夫と思っていても親が心配していたり不安な場合は受診させることもあります。医師からみたらそんな症状でも子供や親から見たら決してそんな症状ではないのですよ。
話はまだまだ尽きませんが、機会があったら小児救急電話相談のお話をしたいと思います。