訪問介護で感じた在宅介護の現状について

少子高齢化が叫ばれている現在ですが、実感はありませんでした。しかし病院などで働いていると患者さんや救急搬送されてくる患者さんたちは高齢者ばかりということに気がつきました。

「本当に高齢化社会だな」というのが浮き彫りされました。

老人ホームでの勤務経験がある私はそこでも入居待ちの方がたくさんいたことも思い出し、これから日本は真の高齢化社会だなと心の底から感じました。

在宅介護と家族の思い 在宅介護のメリット・デメリット

介護認定を受けた方を在宅で介護することですが、利点や欠点もあります。

そこには家族の思いという物がとても重たく感じたことがあります。介護度に応じていろいろなサービスを受けることができます。

訪問介護、訪問看護、訪問診療、訪問入浴、訪問マッサージ

ここには書ききれないほどサービスがあります。

参考:在宅療養者と家族の希望に答える訪問看護師の仕事

そんな支援を受けながら周りの家族は在宅介護をしています。家族の思いとはどんなものでしょうか?

どんなに大変でも家族の一員だから、大切な人だから施設などには入れずに一生家族で面倒をみたい側にいたい、という家族や、もう在宅介護は大変で施設に入れようと思っているけど空きがなく待っている状態、元気な時は自分勝手で家族みんなに迷惑ばかりかけて早く死んで欲しい、受けれるサービスを全部利用してあまり関わりたくない、などです。

介護をする家族も心理的に肉体的に疲れ果ててしまうということも少なくありません。訪問入浴の仕事をしている時にたくさんの居宅を巡回してこの利用者の方はとても家族に愛されているな、大切にされているなというのが一目瞭然です。またその逆もです。あまり大切にされていないなという居宅を訪問した時にこんなことがありました。

訪問介護の悲しい体験 在宅介護疲れ

「玄関の鍵を外の郵便受けのある箱の中にあるから開けて入って終わったら鍵を閉めておけばいいから」という居宅がありました。

私たちを訪問入浴のメンバーを信頼してくれているのはありがたいと感じていましたが、昼間は利用者のかた一人しかいません。ポータブルトイレで排泄はできるのですがその他は車椅子です。その他の家族は昼間仕事に出かけているとのことでした。

居宅にもし何かあったらどうするのだろう?倒れて起き上がれなかったり突然その他の重大な急病にかかったらどうするのだろうか?

もし自分に置き換えると心配で一人では置いていけませんが、家族に言わせると「若い頃バクチで多額の借金を背負ってしまいさらに酒乱で酒が入ると暴力、おまけに他所に女を作って子供まで作ってしまった。年をとってぼけたから面倒を見て欲しいというのは虫が良すぎる。」と息子さんが話されました。

家族の思いがそこにはありましたが触れることはそれ以上できませんでした。

私が思ったことは少しでもまともに生きて、せめて家族からは愛されたいと思いました。

また、病院で働いて定期受診にいらっしゃるご家族と患者さんそして医師との会話でこんなことを聞いたことがあります。

「体調は特に変わりはないのですが、しばらく入院させて欲しいのですが」と家族医師が「なぜですか?」と聞き返したら「その他の家族と海外旅行に一週間海外旅行に行きたいので預かって欲しいのです。ショートステイを利用しようと思ったのですがいっぱいでダメだったので」

もちろんそんな理由で入院はできません。

その他でも家を改築工事をするから一ヶ月入院させて欲しい、在宅介護は疲れたからこれから長期で入院させて欲しい、など。在宅介護で家族の思いが垣間見えたことがありました。気持ちはすごくわかりますし介護の大変さや辛さもわかります。

でもそれが在宅介護でしょうか?

どうしても最後は家で看取りたい。

在宅介護を放棄したいという反面、最後まで在宅でという家族も少なくありません。呼吸不全で救急搬送された高齢者がどうしても酸素がなければ一時間と持たないような状態でしたが「もう覚悟はできているので家に連れて帰りたい」と申し出がありました。インフォームドコンセント(説明と同意)を十分行い介護タクシーで帰宅されました。

もし私が在宅介護を受けるとしたら家族に愛されながら介護を受けたいです。そのためには愛される人間にならなくてはと日々奮闘中であり人間愛を見せられた在宅介護はいろいろな思いが交錯していることなんだなと強く感じているこの頃です。

訪問介護センターで働くには

看護師の方でも介護に興味がある方は介護施設や訪問介護センターで働くという進路もあります。訪問介護センターであれば、夜勤はなく、残業も少ないので、日勤を希望する方にはおすすめです。

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