看護師の救護活動の実務【怪我人・病人を救え!】

看護師の仕事は病院や診療所など建物の中での活動が多いですね。今回は暖かくなってきたのでマラソン大会が多くその救護の仕事に携わってきたのでその時のお話をさせていただきます。

イベント時には医師や看護師が待機

スポーツなどのイベントがあるとたくさんの人が集まります。やはりたくさんの人が集まるとけがをしたり具合が悪くなる方は必ずいます。プロレスやサッカー、野球、カーレース、オートバイのレースなど医務室があるとそこには医師や看護師が待機しています。場合によっては救急車が待機する場合もあります。

マラソン大会の場合は空き地や道路のスペース、公共施設の敷地に救護所を設けて救護活動を行います。救護所内にはイベントなどの規模や内容にもよりますが今回の場合は公共施設内の駐車場に仮設テントを組み立て簡易ベッドが三つ組み立てられました。

資器材は冷却スプレー、湿布、氷、イオン飲料、塩、チョコレート、カーゼや消毒などの外傷セット、強心剤や点滴、高度な気道確保するための気管内挿管一式、AEDなど。もちろんこれらのものを使わずにすめばそれに越したことはありませんが、いざという時のために準備は怠ってはいけません。全ては救命のためにです。

救護の体制について

マラソンイベントは行政も絡んでいるので行政の職員、ボランティア、柔道整復師、そして私たち医師や看護師です。

資器材のチェックは入念にして不具合はないか?不足しているものはないか?入れ物などから出して手にして確かめます。トランシーバーなども使い救護本部との連携も密にします。そして救護者が発生した場合の救護手順もメンバー全員で確認します。

救護活動の実務について

いよいよマラソン大会スタートの時間が迫ってきました。スタート地点ではセレモニーが行われてスタートしました。数千人が一気にスタートするので救護員が一番緊張するときです。将棋倒しが一番怖いですね。

今回は何も起きずに全員が無事スタートしました。春先のマラソン大会は統計上で心臓発作を起こしてしまうことが多いみたいです。油断せずに再度に渡り資器材のチェックに入ります。

スタートしてしまえばあとは救護者が発生しなければ沿道に出てランナーの様子を見ます。沿道で動けずにいる人、足を引きずって歩いている人など具合が悪そうにしていたり痛そうにしている人がいたら必ず声をかけるようにします。

救護者の発生

しばらくすると先頭のランナーが目の前を通り過ぎその後から次々と後続のランナーが走り抜けて行きました。「喉が渇いて仕方がないので飲み物は救護所にありますか?」と救護者第一号さんです。すぐにイオン飲料のペットボトルを渡したと思ったら飲み干してレースに復帰して行きました。

次は「腰が痛くて走れなくなりました」と若い男性が腰をさすりながら救護所にきました。肩を貸して歩きながら救護所内の仮設ベッドに寝かせて痛い腰の部分を氷で冷やしました。幸いにして外傷もなく痺れなどはありませんでした。医師の診察もありこれ以上は走るのは無理とのことでその方は残念ながら棄権となりました。

さらには沿道ボランティアの方が額をタオルで押さえながら歩いてくるランナーの片腕を支えながら救護所にやってきました。転んでしまい傷ができ出血したとのことでした。膝も擦りむいていましたが歩行ができていたので骨折はなさそうでしたが額が数センチほどパックリと切れてしまい出血がおびただしく応急処置をしても止血ができず医師と相談した結果、救急搬送することを決めました。119番して救急車を呼び到着した救急隊に引き継ぎをして搬送先もあらかじめ電話をしていたのですぐに搬送されました。

今回も貴重な院外でした。また皆さんにお伝えしたいと思います。

参考:マラソン大会の看護師の救護体験【ボランティア体験