病院前外傷救護と看護師【JPTECの受講のすすめ】

看護師なら病院勤務などインホスピタルがメインで働いている方が多いと思います。救急隊はプレホスピタル(病院前)です。最近では看護師も病院前救護の勉強をする機会が多くなりました。

今回はそんな病院前救護お話をしたいと思います。

街中で倒れてる人を見つけたらどうすればいい?

交通外傷などで人が倒れていたらどうしますか?

触らないで遠目で見ている、110番する、119番する、近くにより声をかけるなどが多いと思います。

私も仕事以外でそういう場面に出合う機会が時々あるので、最初はかなり戸惑いました。

何故なら頚椎損傷をしていて無理に動かした場合下半身が麻痺したり呼吸が止まったりすることがあるからです。

ちょっとした対応のミスで、防ぐことが出来た外傷死というのが問題になったことがあります。

どういう事かというと脊椎保護を怠ったばかりに呼吸が止まったり、不用意に動かして内臓出血を助長してせっかく救急搬送が早くできたのに死に至ってしまった、迅速に医療機関に搬送で来たのに処置がすぐにその病院ではできずに死に至ってしまったということがありました。

JPTECが誕生

そこで病院前外傷救護の標準的な処置観察のプロトコルが出来ました。

高度な医療処置は出来ませんが命にかかわらない処置観察を省いて命にかかわる処置や観察のみを行いすぐに手術などが出来る施設に搬送するというJPTEC(ジャパン、プレホスピタル、トラウマ、エボリュウション、&ケア)というものが生まれました。

消防関係の方たちが多く受講し、防ぎえた外傷死が少なくなってきました。看護師でもこの受講をする方が多くなり私も受講して今はインストラクターになるために活動中です。病院の中での活動ではないので異なることがたくさんあります。

普段、私たちが働いている病院の中は安全が保障されています。危険な場所ではありませんね。例えば上から物が落ち車が突っ込んでくることはまずないと思います。病院前だと病院の外なので安全は保障できません。倒れている人が目の前にいても自分の安全が確保できないと救護が出来ないどころか自分が救護される側になってしまうからです。

自分の安全が確保できた段階で傷病者に接触を開始します。脊柱の保護をまずするので声掛けと同時に頭部保持をします。それから全身観察を行い酸素投与し、首が動かないように頚椎固定をします。目に見える出血があったら圧迫出血し全身を丸太のように脊柱を一直線に固定する全脊柱固定をして救急車の中へ収容します。

ここまで文章に書くとこのようにかなり長くなりますがここまでの時間を二分から三分までの間に終了させ五分後には現場を離脱して医療機関に向かわなければなりません。これをロード&ゴオといいます。現場に到着したと同時に搬送を開始しろという意味が込められています。それだけ重症感があるということです。

現場から五分の所に医療機関があるが救命のための手術が出来るまで一時間かかるとします。重症外傷患者は受傷してから一刻も早く手術などの処置を施さないと待っているのは死だけです。

それなら現場から十五分の所にある医療機関が手術などの処置が二十分で出来るなら搬送に少し時間がかかってもその医療機関に搬送します。これをトラウマバイパスと言います。ドクターヘリやドクターカに従事している看護師なら別ですが多くの看護師はこのような現場に出るということは皆無に等しいと思います。

昨今、このような病院前救護の講習会も数多く開催され看護師の受講も多くみられます。

現場に出ることはないけれども仕事以外で看護師は医療行為を許されている数少ない資格です。万が一そんな場面に遭遇しても知識や技術があれば尊い人命を救うことが出来ます。そんなJPTECの受講を是非受けられることをお勧めいたします。

病院前外傷コースではITLSの記事(看護師でもなれる外傷コースのインストラクター)も参考にしてください。