病院で働いていない看護師【病院以外職場で働く看護師の業務について】

看護師が働く場所とは病院やクリニック、診療所、訪問看護ステーションなどで働いているイメージが強いと思います。

しかしそれだけではありません。

保健所、幼稚園、保育園、学校などまだまだあります。一般の企業でも働いている看護師がいます。OLではないのにどんなことをして働いているの?と疑問にお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

例えば、

  • 健康食品やサプリメントを取り扱う企業では顧客からの効能の問い合わせ、薬の飲み合わせ、持病との関連など電話相談を受ける仕事や生命保険の加入
  • クレジットカードを作ると電話での健康相談のサービスにも看護師が対応しています。
  • まだ行っている自治体は少ないのですが医療機関の案内や病院に行ったほうが良いか自宅で様子を見るか?などの健康相談(ここは総務省の消防庁や自治体が行っています。)もしています。
  • 国の事業で#8000の業務。これは自治体から委託を受けた企業が0歳から中学3年生以下の子供の小児救急電話相談の仕事

まだまだ数多くありますが、主なものをあげてみました。その中でも今、注目をされていて多くの電話相談を受けている小児救急電話相談の仕事にスポットを当ててみたいと思います。

看護師の健康電話相談対応の業務について

電話相談の仕事なんて座っているだけでしょう?と思っている方も大勢だと思います。

どんな仕事かというと自治体から委託された企業が行います。委託された企業は設備を整えなければなりません。机、椅子、もちろん電話や電話回線、パソコンなどです。仕組みを簡単にお話しすると利用者である子供の父親、母親(母親の場合が多いです)祖父母などが#8000という番号に電話するとそこにつながります。

例えば自治体から委託された企業が東京都だとします。奈良県の方が#8000を利用すると奈良県から東京都に電話がかかります。そこで電話対応するのが看護師です。相談内容は様々です。似たような相談はあっても全く同じ相談というのはありません。

奈良県だと奈良市のどこから電話をかけているか?電話をしているのは父親か?母親か?子供の年齢は?性別は?などを聴取し相談に入ります。症状や相談内容により看護師だけで判断が出来ない場合は医師にアドバイスを受ける、3者通話が出来るようになっていて医師、看護師、相談者が同時に会話できるシステムもあり非常に便利です。

電話相談内容について

相談内容の例をあげてみると、熱が出てしまい下がらない、機嫌が悪くて泣き止まない、頭を打撲した、薬の飲み合わせ、薬の使い方、肘が外れてしまったなど。すぐ受診か朝まで様子見れるかなど。アドバイスや助言で終了したり、医療機関の案内も業務になっています。自治体からもらっている情報を元に現在受診できる医療機関を案内します。

緊急性がある場合や意識がない、間違えて大人の薬を飲んでしまったなど緊急性や重症度が高ければ119番を要請して搬送してもらうように伝えます。現代は核家族の家庭が多いですね。2世代、3世代同居の家族なんて珍しいくらいです。家族が大勢いれば誰かに相談することができますが1世代だと誰にも相談をすることが出来ません。

そうすると家でも様子が見られる状態でもすぐ病院に駆け込み、その結果、夜間や休日の救急外来は大変混雑してすぐに医療処置を施さなくてはいけない子がすぐに必要な医療が受けられなくなる、医療側の負担も大きくなり夜間や休日の救急外来の縮小やひどい所になると小児科自体がなくなるということも実際に出てきます。

この小児救急電話相談の誕生で不急の受診が少なくなったという統計も出ています。電話相談なので限界があります。聞き取りだけで判断するので難しいことも多々あります。

臨床とはまた違った場所で働いている看護師がいることをご存じだったでしょうか?こんなところでも看護師は活躍しています。