熱中症の症状と予防方法、応急処置について

毎年夏になると必ず耳にするのが熱中症です。熱中症は他の病気と違ってきおつければ十分に防げる病気です。

しかし残念ながら暑い夏になると必ず熱中症になってしまい病院に救急搬送されたり受診したり手遅れで亡くなってしまったということも少なくありません。

環境温度が35度以上になる夏。地球の温暖化だから仕方ないと言われてもそれだけでは済まされないことなので熱中症のことをもっと知ってほしいという思いでお伝えしたいと思います。

確かに環境温度は上がっていることは確か

昭和生まれの私が子供の頃の夏といえば扇風機で夏は過ごしていました。

学校も冷房施設がなかったところも多かったですが、熱中症で病院に運ばれた、クーラーがなければ眠れない、真夏の昼間に運動やスポーツはしてはいけないということはありませんでした。

ところがここ近年は夏の温度上昇が著しく猛暑、真夏日、という言葉も生まれるほどです。

暑さに対する警報なども多くなりました。病院のERに勤務している私は熱中症で救急搬送されてくる患者さんや受診する患者さんがとても多く見受けられます。本当に残念なお話ですが熱中症で亡くなってしまった方もいました。その多くは屋外での作業や運動が多かったのですが屋内で冷房もかけずに倒れているところを発見されたという方もいました。

熱中症とはどんな障害か

医学的には脳の中に視床下部という体温を正常に保とうとする機能があります。その機能が低下してしまい汗が出ず体温が40度を超えて生命を危険にさらしてしまう病態となっています。

熱中症の原因とは何か

人間の体温を低下させる方法として皮膚からの放熱、汗によるものがあります。

外気温が皮膚温度以上になったり湿度が高かったりすると放熱する機能が低下し発汗ができなくなってしまいます。炎天下での作業、室温や湿度の高い屋内、外気温が高い屋外での運動やスポーツなどは熱中症を引き起こす多くの要因です。

熱中症の症状

初期の症状として頭痛や吐き気などが見られます。中程度の症状は脱力や筋肉のコムラ返り、重症になると意識がなくなることがあります。

熱中症の応急処置

症状が現れたらとにかく涼しいところへ体を置くことです。

ない場合は日差しを遮るだけでも随分と違ってきます。衣服を緩めるなどできるだけ安楽な体位を保ちます。

次に落ち着いたらクーラーのある比較的涼しい場所へ移動しましょう。氷やアイスノンなど冷却材があったなら脇の下、首の周り足の付け根などを冷やします。

私が勤務するERではできるだけ体の風通しを良くするすなわち上半身を露出させ霧吹きで水分を体に飛ばします。その上から扇風機で風を当てて冷却する方法をとります。原始的な方法ですが表面温度をこの方法で低下させることにより深部体温が下がってくるのです。

それでは体ごと水をはった水風呂に入れればいいじゃないかと言われたことがありますがこれは全くの逆効果です。

なぜなら水風呂に入れることにより皮膚の表面温度だけが下がりすぎて深部の体温が外に放出されずにかえって熱がこもってしまうからです。

意識がある場合はもちろん水分補給です。なんでもいいのですができたらスポーツドリンクがいいですよ。

熱中症になると体の中のミネラルが大量に失われます。点滴が一番吸収が良く効率も良いのですが病院に行かなければできません。塩の摂取も非常いいいですね。梅干しなどです。意識の状態が悪い場合はとにかく救急車を呼んで一刻も早く病院に行きましょう。

ちょっとしたことで熱中症は防げる 予防方法

少しでもおかしいなと感じたり変だなと思ったらすぐに対策を講じましょう。屋外でどうしても出なければならない場合は帽子をかぶる、水分をこまめに補給する、休憩を取る。また熱中症は屋外だけでなく屋内でも起こります。同じように水分補給は大切です。そして適切な冷房の使用です。お年寄りや小さなお子さんは特に注意が必要です。

熱中対策を万全にして体を守りましょうね。