救急部門の実務【二次救急の業務について】

病院には様々な部門や部署があります。

外来部門の一部あるいは独立した救急外来があると思います。救急病院なら外来が兼務するあるいは大きな大学病院は救急救命センター、ERと呼びます。

どのような仕事をするかという話をする前に簡単に救急のカテゴリーについて説明します。

救急カテゴリについて

日本には一次救急、二次救急、三次救急とわかれています。

一次救急とは患者さんが軽症で帰宅が可能な救急です。二次救急とは患者さんが入院または手術が必要な救急です。三次救急は重傷外傷、心肺停止など急いで処置、救命をしないと命を危ぶまれる救急です。

一次救急は有床のクリニックなどが多いです。二次救急は救急指定病院が多く総合病院や百床以上のベッドを有しているところが多いです。三次救急は大学病院の救急救命センターが役割を担っています。

今回は最も多い二次救急で独立した救急部門のお話です。

二次救急の業務について

救急部門で救急病棟を持っているところがあります。

夜間や時間外は入院治療が必要な患者さんや観察経過を見るのに必要な場合は一時的ですが、そこに入院させます。翌日にさらに入院、加療が必要な場合は担当病棟に入院となります。

二次救急の医師はそれぞれの専門の医師が担当します。大体は外科系や内科系の医師が一人ずつ又は救急医(ERドクター)が担当します。

救急隊からの連絡は救急病棟のホットラインという電話にかかってきたり、医師が常に携帯している救急隊から直接電話をとることが出来るPHS、携帯電話を持っています。中には看護師が直接救急隊からのホットラインを受け医師に取り次ぐということもあります。

あとは処置室、初療室と言われるところに患者さんが収容され、治療、検査が始まります。救急車だけではなく自家用車やタクシー、徒歩や自転車で来院する患者さんもいます。救急車=重症ではありませんし、自分で来た患者さん=軽症ではありません。

ほとんどの場合がそうですが、軽症者の中から重症者が隠れていることがあります。患者さんとファーストコンタクトするのは私たち看護師です。「軽症者を見逃してしまい重症化してしまっ」ということを防ぎたいものです。救急外来にはそんな難しさが隠れています。

だから常に五感ではなくて第六感までを屈指して看護にあたらなければなりません。しかも正確で迅速な判断力も必要です。これが救急外来に勤務する看護師の醍醐味です。色々な知識や注射をする技術も大切です。

しかし、最終的には第六感や正確で迅速な判断力が医師より早く患者さんに接する看護師には必要だと思います。

救急外来は常に昼夜を問わず混雑していることが多いです。休憩や食事をとれないなんてことはざらにあります。救急外来に勤務する看護師は体力勝負みたいなところもあります。私事ですが職場のマラソンクラブに所属し体力強化のためにマラソンをしています。

仕事のためだけでなく、普段から体調や体力を養っておかないといけないと感じているからです。救急に関する講習会もありますので参加してみても勉強になります。BLS(一時救命処置)、ACLS(二次救命処置)、PALS(小児二次救命処置)JPTEC(病院前外傷救護)、ITLS(アメリカ救急医学会認定の外傷コースでアドバンス、ペディアトリック、アクセスなどの各コース)、JNTEC(外傷看護)。

参考:特殊な外傷コースと看護師【ITLS(インターナショナルトラウマライフサポート)講習】

これらは私が以前受けたコースで中にはインストラクターの資格を有して毎年、沢山の受講生と接しています。受講だけでも時間や費用がかかります。それ以上に得たものは現場でフィードバックされるので長い目で見たら安いかもしれません。日々研鑽をつみ救急の患者さんや家族が笑顔で帰宅したり安心して治療を受けれるようにお膳立てをする。

大変かもしれませんがそんな救急外来の看護師を目指してみませんか?