心筋梗塞から命を救え!心臓カテーテル看護業務について

日本人の三大死亡原因は癌、心臓病、脳卒中と言われています。病院で働いていると良くお分りになると思います。

心臓カテーテルとは

その中でも近年において稀に見る医学的な進歩でまた患者さんにあまり負担のかからない非侵襲的な検査及び治療として心臓カテーテルというものがあります。心臓カテーテルとは心臓に細い管(カテーテル)を通して、心臓を検査する手法をいいます。

そこにはもちろん心臓カテーテル検査室専属の看護師が配属されています。

カテーテル検査目的で入院される患者さんも多くいます。また、過去にカテーテルで検査・治療を受けられた方がフォローアップで心臓に何か指摘を受けたため、カテーテル検査するというケースもあります。

また、自宅や職場であるいは外出中に突然激しい胸痛が発症してしまい、救急車や自家用車やタクシーで救急外来を受診して心筋梗塞と診断されることがあります。急性の心筋梗塞の場合は緊急度も重症度も高いので急いで治療をしなければなりません。心筋は心筋梗塞によって血流が途絶えてしまい栄養がいきわたらなくなります。そうなると心筋は働くことが出来ずポンプ機能が損なわれ、あっという間に心停止をきたし患者さんを死に追い込んでしまいます。

この非可逆的な現象をいかに少なくするかゆえにカテーテル看護も専門性を問われ検査・治療の介助、患者さんの看護をしなければなりません。

心臓カテーテル室での看護

実際にカテーテル室に患者さんが入室しどのように検査や治療が行われるのか、どのように看護師は看護をすべきなのかを話したいと思います。

入室したらバイタルサインを測定する心電図モニター、血圧計、経皮的血中酸素飽和度を測定するものを装着します。X線を使うのでカテーテル室に勤務する看護師をはじめとする医師や他のスタッフは被ばく対策をしたり気をつけなければなりません。カテーテルは手術室と一緒なので滅菌操作で行われます

手首の橈骨動脈か足の付け根の大体動脈から医師が穿刺してレントゲンの透視を見ながら心筋梗塞を起こしている部位を検索します。その時、医師はレントゲンモニターに集中してしまいます。看護師は保温の状態、意識レベルに変化はないか、バイタルサインの変化、胸痛の程度、心電図モニターに変化はないかを観察します。

そこで心電図モニターの波形の変化を読み取れるかが重要になってきます。心拍数、STの変化、致死性の波形かなど察知して検査・治療でモニターに集中している医師にすぐ報告しなければなりません。ここがカテーテル看護の難しい所です。

心臓カテーテルのリスク

心臓カテーテルの検査や治療は様々なリスクが伴います。造影剤を使うので造影剤のアレルギー、急性心筋梗塞ならばカテーテル中に急変をすることがあります。その時の対応もしなければなりません。

心臓カテーテル=急変するかもしれないということを常に認識しなければなりません。

救急カートの準備、人工呼吸器、除細動器の準備も怠らないようにします。ですからカテーテル室に勤務する看護師は救急処置にも精通しなければならないことがおわかりだと思います。普段からカテーテル中に急変した場合のことを想定してトレーニングを積んでおくとよいでしょう。

参考:病棟での患者さんの急変の対応【急変時、看護師はどうすればいいのか?】

カテーテル検査が進んでいくと病変がわかります。病変の部位や狭窄度に応じて治療が始まります。治療のカテーテルを病変部位まで進めると風船で狭窄をしている血管を広げる治療が始まります。バルーンと呼ばれる風船の小さなものと思って頂ければわかりやすいと思います。

その時が特に波形の変化、胸痛の程度意識レベルの変化が変わりやすくなります。バルーンで膨らませた後はステントという金属製の小さな筒をいれて二度と血管が狭窄しないように小さな金属の筒を入れます。このようなに治療が進みます。カテーテル看護は一般的にはまだまだマイナーな部門ではありますが急性期看護の大切な役割を果たしています。