廃止か継続か准看護師制度の行方は?廃止でも働き続けることはできるの?

私も准看護師から現在の看護師の資格を取得しました。医療機関でも施設でも同じユニホームを着ていれば看護師か准看護師かは患者さんからは見分けがつきません。仕事の内容もほとんど同じです。

しかし資格の内容には明確な違いがあります。

准看護師は都道府県知事が発行した免許で看護師は厚生労働省の大臣が発行した国家資格です。勉強の内容もかなり違ってきます。准看護師の養成所の受験資格は中学卒業からなっているのでそれほど難しくはありません。

看護師の養成所の受験資格は高校卒業からとなっています。最低でも高校卒業程度の学習能力がないと勉強が難しいと言われています。大学や短期大学までありますからね。特例として准看護師の取得後に経験年数がある程度あれば看護師の養成所の受験資格ができるという制度もあります。

准看護師が生まれた背景

看護師の不足が深刻な時代にできるだけ短期間ですぐにでも医療現場で働ける看護技術を身につけて即戦力になるような人を養成しようという考えから生まれたのが准看護師制度です。国家資格である看護師とは大きく異なり都道府県知事の認可です。

准看護師制度の廃止は決定事項ではない

看護の質の向上と資格の一本化という考えから准看護師制度は廃止されようとしています。現に神奈川県では2013年を持って新たに准看護師の養成は廃止されました。私が卒業した准看護師の養成所も神奈川県ではありませんがすでに廃校となってしまいました。

このような動きは少しずつではありますが見られています。

しかし、完全な准看護師廃止となるには至らず廃止になるとしてもかなりに時間がかかると思います。

日本看護協会と政府は准看護師の廃止をして資格の一本化を唱えています。これに反対するのは日本医師会です。

大学病院や大きな総合病院では看護師がほとんどですが小さな病院や医院、クリニックなどではまだまだ准看護師の方が必要だからです。なぜなら即戦力になるのはもちろんですが人件費をあまりかけたくないというのが本音みたいです。小さなところは人件費で経営が圧迫されてしまうことが多いですから。

すでに准看護師として働いている方はどうなるのか?

すでに准看護師廃止の動きは牛歩のように進んでいるのは事実です。

しかし現にまだ准看護師を養成しているところもあります。もしですが結局准看護師制度が廃止されたとします。

今現在において准看護師の資格をお持ちの方はどうなってしまうのか?という心配の声も聞かれています。

准看護師の資格を剥奪されたり無くなってしまうということはありません。准看護師として働き続けることはできますよ。

准看護師を廃止することばかりを日本看護協会は唱えていません。

准看護師になって10年以上の経験がある方に対して通信制の看護師養成所を作りました。毎年入学者がいて准看護師から看護師への養成を行っています。通学するためのサポートも行っています。

どのような内容かというと奨学金の貸与です。所属する医療機関でもそのような制度があるところもあります。ぜひ利用して准看護師から看護師へステップアップしてみてはいかがでしょうか?通信制の看護師養成所は通学制と違い毎日学校に通学する必要はありません。

自宅でのレポート提出が認められたら単位取得試験の受験資格ができます。単位取得試験や病院実習、対面授業などは通学する必要がありますが日数はかなり少なくなっています。

准看護師制度 結局はどうなるのか?

今までの話をまとめると准看護師制度の廃止はわずかではあるが進んでいる。

しかしいますぐ廃止とはならず養成所もまだあり医療機関でニーズがある。現在、准看護師の方の資格は廃止になっても准看護師の資格はなくならない。准看護師から看護師への移行制度の一つとして通信での看護師資格制度がある。

もし完全に准看護師制度が廃止となる場合でも私見ではありますがかなりの時間がかかると思います。准看護師制度を廃止するのか?残存させるのか?議論がまとまらずその行方が今後注目されていきます。

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