准看護師と看護師の違いについて【業務内容や給料等の待遇面比較】

看護師といっても実は異なった二種類の資格を持った人の集まりです。

それは准看護師と看護師(正看護師)です。病院やクリニックその他の施設を訪れてもユニフォームも全く同じで見分けがつきません。

しかしこの資格には大きな差があります。どのような違いがあるかお話ししていこうと思います。

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資格の違い

准看護師は都道府県の知事から与えられた資格です。看護師は国家資格で厚生労働大臣から与えられた資格です。

修業年限の違い

准看護師は基本的に二年の修業年限で看護師は三年から四年です。学校の違いも准看護師は中卒で受験資格が与えられますが看護師の養成校は専門学校から短大、大学となるので最低でも高卒の資格がないと受験資格は与えられません。

カリキュラムもだいぶ時間数が異なります。

看護師は三千時間に対して准看護師は千九百時間となり准看護師は看護師の半分以下のカリキュラム時間となっているので働きながらでも学習は可能となっています。

近年において准看護師の資格を持ち十年間の業務経験があれば看護師の養成校に入るための受験資格が与えられ通学時間や修業年限も短縮されこの場合も働きながらの学習が可能となります。詳しいことは各養成校によって異なりますのでお問い合わせください。

資格試験について

看護師は毎年二月の最終日曜日の一発試験です。

准看護師は毎年やはり二月の中旬から下旬にかけて各都道府県によって行われるので場合によっては複数の都道府県の試験を受験できれば一発試験ではなく合格率も上がります。

看護師の国家試験における合格率は大体九十%前後ですが准看護師の場合はもっと高く九十五%との合格率となります。

業務内容について

保健師助産師看護師法によって明確な違いが定められています。

この法律は資格を持っていない人が医療や看護をしてはいけないこともうたっています。そして看護師は医師の指示のもとにおいて医療や看護行為を行ったり主体的判断において看護行為が可能です。

一方准看護師は医師と看護師の指示のもとにおいて業務を行うこととなっています。簡単にいってしまうと看護行為において看護師がメインとなり准看護師がサブという形になってしまいます。

しかし建前と現実はいかがでしょうか?

私も准看護師の時代が長く病院で働いていましたが業務の内容は全くといっていいほど違いはありませんでした。すなわち実際の医療現場では区別が難しく実際のところは看護師も准看護師も同じ業務を行なっています。

医療現場ということを考えると仕方のないことでしょうか?私はそう感じてしまいます。

収入面や待遇面の違い

大まかにお伝えすると看護師と准看護師の年代別において収入面については大きな違いがあります。どの年代も約百万円ほどの差があります。

雇った側は看護師を雇用した場合病院の診療報酬に看護加算と言って多くの利益が出ます。それが看護師にフィードバックされていると言われています。准看護師の場合は看護加算はありません。看護師を雇用するだけでも病院は利益があるのです。

求人を見ると大きな大学病院や総合病院などでは看護師しか募集していないことがほとんどです。

逆に小さなクリニックや老人施設などではどちらも募集しているところが多いです。個人的に思うところは同じフィールドで働いて業務内容も同じなら准看護師の皆さんは看護師の資格をとったほうが良いのではと強く思います。

私が准看護師の資格を取得して働いていた時には看護婦長(当時は師長ではなく婦長と呼ばれていました)も准看護師で各病棟の主任や副主任も准看護師でした。

今は違います。役職は全て看護師の所がほとんどです。

まだまだ看護師と准看護師の違いはあると思いますが資格の違いを参考にしていただければ幸いです。

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