全身清拭の業務についての注意するポイント

看護師の業務の一つとして清拭業務があります。看護師にとって切っても切れないものです。これは看護援助の範疇になります。

入院している患者さんは疾患や治療の内容になりますがほとんどの患者さんは入浴ができません。皮膚の清潔を保つには清拭しかありません。その重要性と必要性、目的、手順、注意点などお伝えしたいと思います。


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全身清拭の目的とは何か

清拭は患者さんの皮膚や粘膜の汚れを除去して清潔を保つことです。

その他感染を予防したり全身の観察もできるので皮膚や粘膜の異常を早期発見する目的もあります。

さらに筋肉を温めることによりマッサージをして血流の循環を良くしたり運動効果を得ることもできます。また清拭を行うことによって気分転換もできたり心地良さや爽快感を感じることによって闘病意欲を増すという状態も作り出します。

全身清拭は注意点がいっぱい、アセスメントも重要

清拭の援助を行う前に全身観察、バイタルサインはどうなのか?体調は?体力は?医師の指示は?たくさんのことを確認したりアセスメントを行います。それとメインは患者さんです。

患者さんの気持ちも尊重しましょう。こちら側は良かれと思っていても患者さんは気分がのらない疲れているからということもあります。無理強いは禁物です。要するに患者さんの同意と協力が必要だということです。

全身清拭の手順

清拭の到達目標は患者さんに満足感を得てもらうためです。そのため手順も大切です。

教科書的な清拭をする部位の順番としては顔、首、両上肢、脇の下、胸部、腹部、両下肢、臀部、陰部といった順になります。

すなわち末梢から中枢に向かって筋肉の走行にしたがって行います。でも患者さんの状態によっては苦痛を軽減させたり時間を短縮させなければならない場合があります。そんな時は順番通りにいかないということを覚えていてくださいね。

清拭の時に使用する湯の温度は50度から55度くらいで準備します。患者さんに接する時は40度くらいになってしまいますから室温の調整もしましょう。22度から26度くらいがいいでしょう。

全身清拭の重要な注意点

食事をしている患者さんは食後1時間以内は避けるようにしましょう。大切な処置や検査などがある場合はタイミングを見計らって行います。

清拭前後のバイタルサインも必ずチェックします。体調に変化がないかなども観察します。

何か異常が認められた場合はすぐに医師に報告して指示を仰ぎましょう。ベッド上で入院生活をしている方の清拭はベッドからの転落に注意しましょう。そして絶対に清拭中は目を離さないようにすることです。患者さんのちょっとした体動や行動で転落してしまったという事例もあります。

患者さんには治療のための付属物がたくさんついていることがあります。

清拭時にそれらが事故抜去という事態になってしまったら重大な医療事故になってしまいます。十分に気をつけましょう。清拭をすることで血行を良くしたり爽快感を得てもらうといことお伝えしたと思います。患者さんの皮膚の状態は弱っています。

清拭をすることによって傷つけてしまえば感染のリスクも高くなりますので患者さんの皮膚は傷つけないようにしましょう。

プライバシーや露出に対する配慮

男性でも女性でも年齢に関係なく羞恥心は必ずあります。看護師とはいえ人前で肌を露出するわけですから恥ずかしいです。不必要な露出は避けましょう。個室ならともかく大部屋ではたの患者さんもいます。看護師のムダ話は周りの患者さんに聞こえてしまいます。清拭をしている患者さんのことも同様です。

カーテンを閉めて清拭を行うことは言うまでもありませんね。簡単そうで結構難しい清拭ですが患者さんに「気持ちよかったよ」「さっぱりしたよ」と言われればこちらまでも爽快感に包まれますね。

参考サイト:全身清拭 | 動画でわかる!看護技術全身清拭